豊田が一軍のベンチから姿を消し、早くも2ヶ月になる。
ファームの試合にも登板せず、3軍扱いの大野居残り組になっているようだが、豊田自身の心中を思えば、かなりのフラストレーションが溜まっていることだろう。
西武時代の豊田は、細かなコントロールとキレで勝負する緻密な投手であった。
しかし巨人にFAで移籍したときには、生命線であるキレがなくなり痛打されるケースも多くなり、マツダスタジアムでリリーフで豊田が出てくると、逆転できるかもしれないと・・・感じさせる投手になっていた。
その豊田をカープは選手として獲得した。
巨人からはコーチとして残留を求められたが、本人が現役にこだわったのは報道の通り。
野村監督は、豊田の経験からくる投球術や練習に取り組む姿勢を高く評価していたようで、巨人戦で豊田が登板するたび、若手投手に 「よく見ておくよう・・・」と語っていたらしい。
さて、その豊田の今後であるが・・・現状では一軍復帰は難しい。
しかし、梅雨時期から夏場にかけて、カープ投手陣や相手打者の調子が落ちてくるとき、登板機会があるだろう。
そのとき、完全に抑え込める投球内容が要求されるだろうから、過去の実績を持つ豊田とはいえ、試練が待っているのは事実。
そのチャンスに賭け広島を選択した豊田であるが、生存競争は厳しいものがある。
それだけに、いま安閑たる気持ちを持ちながらも懸命に練習のみの日々を送っているが、数少ないチャンスは必ずやってくるであろうから、腐らずその日に向け体調管理を万全にしてほしいものである。