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よりよい発想を得る習慣

2020年01月02日 | 人生
(そのアイデアは本当に「新しい」のか)
世の中には、すでに「創造されたもの」がたくさんありますし、何か「新しいもの」を思いついている人もたくさんいます。

そういうことを知らずに、自分一人で一生懸命、研究開発をしたつもりでいても、「実は、すでにそれが実在していた」「実は、すでにそれを見つけていた人がいた」などという場合、何年、何十年という時間が無駄になることもあります。

現代文明において、「創造的な人間」を目指す場合、「ロビンソン・クルーソーのように、離れ小島に一人ぼっちで住み、何もかも発明する」というわけにはいきません。これだけ多くの人間がいる以上、自分が思いついたことは、すでに誰かが考えていることが多いのです。

(創造の過程で「時間の無駄」を生まないために)
依然、「カンブリア宮殿」というテレビ番組で、幻冬舎(げんとうしゃ)の見城徹(けんじょうとおる)社長とサイバーエージェントの藤田晋(ふじたすすむ)社長の対談を行っていました。

そのとき、藤田氏は38歳ぐらいの若さでしたが、厳しい淘汰(とうた)の波で数多くの企業が潰(つぶ)れているIT業界にあって、いまだに生き延びている社長の一人です。彼は、自分の会社を26歳で上場させ、30代で社員二千人ぐらいの規模にしました。

藤田氏は、番組のなかで、次のようなことを言っていました。
「『こんな奇抜(きばつ)なことは、誰も考えないだろう』と思っても、自分と同じことを考えている人が3人ぐらいはいる。何かを求めて考え抜いていると、同じような結論やアイデアに思い至る人は、けっこういるものだ」

ニュービジネスと言われるものであっても、必ずしも、すべてをトップ一人が独創できるわけではありません。すでに他の人が「研究したもの」「見つけたもの」「つくったもの」をいち早く知ることができれば、時間を短縮できるのです。つまり、自ら同じことをやり直す必要はないわけです。

例えば、円周率は、「3.14・・・・・」です。これを今、自分で新たに計算し直すことも可能でしょう。しかし、すでにコンピュータでかなりの桁まで算出されているので、個人で計算し直すのは時間の無駄になります。

このように、「すでに、ある程度の結果が出ている」ということを知らないと、無駄な時間を費やしてしまうこともあるのです。それは、「勉強の世界」においても、「仕事の世界」においても同じです。

すでに、ある程度よいものができている場合には、それを研究し、学んだ上で、「さらに何かを付け加えることができないか」ということを考えなければいけないのです。

(「インスピレーション」だけに頼るのは甘い)
その意味で、「何もせずに、天から何かが降ってくるのを、ただただじっと待つ」というのでは、考え方としては甘いと言えます。

天からの啓示、「インスピレーションの力」を「日ごろの勤勉な努力」と結合させることが大事です。

日ごろ、勤勉に努力する習慣を持っていない人の場合、「誰も考えないことを思いついた。発明した」などと言っても、そうではないことが多いわけです。

もちろん、「初めてのことを思いつく」ということはあります。そういうことに思い至り始めると、次から次へと新しい発想が出てきます。訓練によって、あるいは努力の積み重ねによって、よりよい発想が出てくるようになるのです。

---owari---
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