goo blog サービス終了のお知らせ 

このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

税制に潜む問題点(後編)

2020年06月02日 | 政治・経済
(消費税を「公平な税制」と美化する財務省)
「税金も一つの強制権力であり、場合によっては、『人間の自由』を奪(うば)うこともあれば、『結社の自由』『企業存続の自由』を奪うこともあれば、また『家族の存続』を奪うこともありえる」ということは知っておいたほうがよいのではないでしょうか。

この点については、認識不足の方もいると思いますけれども、やはり、適正限度というものはあります。ただ、このへんの調整には、実に難しいところがあるのです。

また、日本国憲法には、「国民は、納税の義務を負う」と書いてありますが(第三十条)、罰則(ばっそく)が書かれているわけではありませんし、この納税の義務を負うに当たっては、ほかの法律によって納税の基準がいろいろ設けられていて、現実には税金を納めなくてよい人がたくさんいます。

そのため、「消費税ならば、誰も逃(のが)れることができないので、幅広く課税される公平な税制だ」という意見が、主として財務省側から出されているのでしょう。

確かに、「消費税には、公平に幅広く税金を負担してもらえるという面があり、もし消費税に依(よ)らないならば、一部の資産家ばかりを狙(ねら)わなければいけなくなる」というような美化した言い方も、当然あるとは思います。

しかし、その反面、消費税というのは、「回避(かいひ)しよう」と思えば回避できないことはありません。要するに、買わなければ払わなくて済むのであり、消費税が上がった分だけ買う量を減らしていけば、負担は増えないことになるわけです。

(「消費税上げ」を決めた安倍首相のポピュリズム)
その意味では、経済成長を目指している政権が、安易に消費税に頼るというのは、実に大きな賭(か)けに出たことになるのではないでしょうか。もしかしたら、某省(ぼうしょう)に祭り上げられて、「次の総理」を目指している人あたりが張り切っているのかもしれません。

以前にも、某省の言うことに乗っかって消費税増税を進めたら総理になれた人が、ほかの政党にいたので、そういうことを、また煽(あお)られてやっている可能性があります。もしかしたら、安倍首相は、自分の在任期間が縮まることを承知しつつ、増税を呑(の)まされたのではないかという気もしなくはありません。

また、私から見ると、消費税上げに際して、安倍首相が吉田松陰の言葉を引いたりするのは実に問題が多いのですが、安倍首相は、神様のご機嫌(きげん)を取るべく、伊勢神宮にも行かれたそうなので、いろいろなところに目配りはされているようです。

このへんのフットワークのよさは、さすがのバランス感覚というか、ポピュリズム的な面での天才性を持っている人だと思います。

「単なる信念の人ではなく、そうした人気の取り方について十分に才能を持っている。やはり、宰相(さいしょう)には、普通の人ではなれないものなのだ」と、私はつくづく感じました。

いずれにせよ、装置としての「三権分立」とか、あるいは、「身分制の固定の破壊(はかい)」とか、さらには、「黒人・白人の差別の撤廃(てっぱい)」「投票権の自由化」「収入による差別の廃止」など、いろいろなことはありえるのですが、それら全部が今、文明実験中のように見えてしかたありません。さまざまなものが文明実験の最中(さなか)にあるわけです。――この章は終りです。

---owari---

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。