本書のテーマは、「幸せを実現していくこと」です。幸せの定義や基準は人それぞれでしょうが、幸せとは本当のところ、結果の良し悪しによって変化するといった、不安定なものではありません。ある人は多く、別の人は僅(わず)かしか与えられないというような、不平等なものではありません。幸せは太陽の光のように、誰にでも平等に降り注がれているのです。
童話『青い鳥』は、幸せとは別の世界にあるのではなく、自分のすぐ傍にあるということを伝えています。それこそ、幸せの本質を表していると思います。
また本書は、八章全体に渡って、心、魂、スピリチュアルな世界という、無形の領域に目を向けることの大切さについて述べています。
肉眼にうつらない無形の世界は、人によって受け取り方がまちまちであったり、誤解されたりしがちです。なるべく易しく執筆したつもりですが、曖昧で抽象的に感じた個所もあったかもしれません。
そしてもうひとつ、忘れてはいけないことがあります。
「人は幸せになるために生まれている」ということです。
私たちの人生には、愛する人との別れ、突然のリストラ、予期せぬ事故、挫折・・・・・・等、辛く苦しい出来事は、それこそ数多く訪れます。でも私たちは、どんなに不仕合せに思えるときでも、無力感を感じたまま、不遇な境遇に甘んじて過ごしたいとは思いません。これまでの人生を見つめ直し、そこから脱出しようと試みることでしょう。
それはあたかも「人は幸せになるために生まれてきている」ということを確信しているかのようです。
どんな人の中にも、幸せへと導く「運命の鏡」が秘められています。この鏡を活用すれば、起こる出来事についての隠された情報が明らかになり、本当の自分の姿が見えてきます。そして、本当の自分の姿が見えたとき、天賦の才が動き始め、真実の人生を歩み始めます。
この鏡を活用するには、心の中で抱いていること、例えば、態度、価値観、感情の在り方、潜在的傾向と、起こる出来事がどのように関係しているかを探っていく必要があります。
そのためのガイドブックとして、また、あなたの人生に多くの光を降り注ぐためのヒーリングブックとして活用していただくことを願ってやみません。
最後に、本書を出版するにあたり、PHP研究所の瀬間芳恵様、島川裕子様をはじめ、ご協力を頂いた全ての関係者の皆様に、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
平成22年 吉日
平池来耶
---owari---