仏は何ゆえに男女を結びつけ、終生変わらぬ愛を続けさせようとするのでしょうか。
実は、「家庭愛のなかには、ある意味で、すべてが含まれている」と言っても過言ではないのです。
「愛は結びつけ合う力である。愛は地上においても実在界においても最大の力である」と述べたことがあります。一人ひとりの人間の力は、小さく有限に見えるかもしれませんが、互いに手を取り合うことによって、さらに力を強め合うことができます。「愛は無限に結びつけていく力であるからこそ最大の力であるのだ」と私は語ってきたのです。
家庭愛においては、この努力が試されていると言えます。結びついたものが、すぐに離反していくだけならば、それは愛の力とは言えないでしょう。愛の力のなかには、「結びついたものが、互いに力を強くし合いながら、決して手を離さない」というところがあるのです。
「愛の力は、結局、仏が世界を創っている力と同じである」と言えなくもありません。
仏は、大宇宙を創ったとき、さまざまな星を創りました。さまざまな星を結びつけている力は愛です。仏の愛によって、それぞれの星が、それぞれの位置を確保しながら、大宇宙をかたちづくっています。それぞれの星は愛によって結びつけられています。
そして、その星のなかに住む生物たち、すなわち、動物や植物、および人類は、仏の大いなる愛の力の下に、互いに結びつき、協力し合う生活をしているのです。
したがって、夫婦がお互いに愛し合い、相手を生かし合う経験をすることは、仏の体験の一部を人間が味わうことにほかなりません。万一、そのときに、苦労と思われるものがあったとしても、それは、「仏の苦労がいかばかりであるか」ということを推測するための、貴重な教訓になるに違いないのです。
---owari---
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます