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奈良・安倍文殊院の国宝

2015年12月11日 | 旅行

安倍文殊院のご本尊「騎獅文殊菩薩像(国宝)」は本当に素晴らしい仏像である。
その仏像は想像だにしない構成となっている。ご本尊を4人の脇侍〔善財童子、優填王(うてんのう)、維摩居士、須菩提〕が取り囲んでいます。ちょっと劇場風の設定になっています。

これら5像すべてが国宝で、この一群を渡海文殊(とかいもんじゅ)と呼ばれています。

ご本尊「騎獅文殊菩薩像」の美しさ、その構成の奇抜さ、脇侍を含め仏像の見事さが物語を見ているように伝わってきます。特に「騎獅文殊菩薩像」のお顔を見ていますと何と優しくて、聡明で、美しいのかと思わず手を合わせてしまうのです。

「三人寄れば文殊の智恵」の格言はこの文殊さまから生まれました。

ご本尊「騎獅文殊菩薩」は日本最大の高さ7メートルの仏像(獅子と光背含む)で、鎌倉時代の大仏師・快慶によって造立されたものです。ユーモラスな顔をした獅子の上に蓮華座に左脚を踏み下げて坐す「騎獅文殊菩薩」の勇壮な姿は、想像以上に大きくて、間近で見ると本当に迫力があります。

安倍文殊院は奈良県桜井市にある小さな寺院ですが、東大寺の別格本山としてその格式は高く、大化の改新(645年)で左大臣となった安倍倉梯麻呂が創建した日本最古に属する寺院です。

この安倍文殊院に関係する人物としては、奈良時代の遣唐使で、唐朝の諸官を歴任して高官にまで登った安倍仲麻呂や日本史上屈指の大陰陽師 安倍晴明の出生地ともいわれています。

あらためて、ご本尊をお造り頂いた大仏師・快慶さんと現在までお守り頂いた文殊院の方々に感謝いたします。

これら5像をあわせた渡海文殊と呼ばれる仏像群は、一見の価値が大いにある貴重な国宝だと感じました。

---owari---

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