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近江八幡の水郷めぐり

2015年11月24日 | 旅行

近江八幡という街は、関白豊臣秀吉が甥の豊臣秀次に命じて、廃城となった安土に変わり近江の国支配の中心地として八幡山城を築かせたことに始まります。


秀次が琵琶湖を行き来する全ての船を城の内堀ともいうべき八幡堀に引き入れることで近江国の経済の中心地となり、後の近江商人発祥につながったといわれています。


近江八幡の水郷は、琵琶湖国定公園特別地域で公有水面・葦地・集落・農地・里山を含む約354ヘクタールが国定公園の選定地域となっています。


近江八幡の水運の玄関口として栄えた豊年橋から「元祖 手こぎの舟」に乗って、「水郷めぐり」をしました。11月の3連休の中日のため、多くの観光客が近江八幡を訪れていましたので乗船できるのかと懸念していましたが、朝一番に乗り場に到着したので、なんと一番船に乗ることができました。



まず、乗船すると船の重心が左に片寄っていたので、船頭さんからバランスを取るようにお願いされました。8人乗りの手こぎの舟は左右に4人づつ座ったのですが、男性の多い左側に重心が寄り、手こぎがしにくい状態でした。ご夫婦で乗船される方が多かったので、移動する人が躊躇されていたので、私が船の真ん中に座ってバランスをとりました。おかげで左右と前後の見晴らしが可能となり、「水郷めぐり」を十分に楽しむことができました。



そして、一番船の最もの楽しみは水郷に住んでいる水鳥が迎えてくれることです。飛び立つ水鳥や水面を泳ぐ水鳥が私たちを和ませてくれました。一番多かったのはカイツブリでした。この水鳥は滋賀県の県鳥に制定されています。シジュウカラやコガラなどの小鳥も多く見られました。また、大きなサギは私たちを怖がることもなく、水面の立木の上に突っ立っていました。


最も感動したのはカワセミが見られたことです。カワセミは青い宝石とも呼ばれています。
水辺に生息する小鳥ですが、普段あまり見られる鳥ではないようで、船頭さんは「今日は運がよかったですね」と私たちに言われた。
カワセミは鮮やかな水色の体色と長いくちばしが特徴で、飛ぶときは水面近くを速く直線的に飛んでいました。



最後に最もおもてなしをしてくれたのが、カワウ(川鵜)でした。
カワウは私たちの船の前を潜って、何度も何度も川面から顔を出して、私たちの船を見ていました。カワウは潜水が得意のため、川辺から潜って、10メートルぐらい離れた場所から顔を出していました。あまりにも歓待振りがよかったので船頭さんにいつもこのような対応ですかと、お聞きしましたら、船頭さんは「昨日に電話を掛けて頼んでおきました」とユーモアたっぷりに答えてくれました。


カワウは最後には、私たちの船の横、真近くを通りながら後方へ飛び立っていきました。

「水郷めぐり」は水鳥や4mほどに成長するヨシなどの自然の景観をのんびりと見物できる風光明媚な観光です。四季それぞれに趣がある風景を見せてくれるとのことでした。


ヨシの群生地は水鳥や魚達の生息場や繁殖場として重要な役割を果たすだけでなく、琵琶湖の水質浄化にも大いに貢献しています。

古事記や日本書紀では日本のことは「豊葦原瑞穂の国」と記されており、水郷地帯周辺の風景はまさに日本の原風景とも言えます。

「水郷めぐり」は日常の喧騒を忘れ、心が癒される空間でもあるのです。
目に映るものは古きよき時代の原風景であり、電柱や鉄塔など現代的なものは見えないため、映画やテレビの撮影も行われる場所でもあるとのことでした。

私たちがこの「水郷めぐり」を行うことが、この水郷の美しさを守ることに、わずかでも寄与しているのではないかと感じました。美しい日本の原風景に感謝します。

---owari---

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