shining's ブログ 「音楽と旅と珈琲と」

音楽大好き男の徒然なる日記

JR貨物「2024年問題」に商機 各種サービス充実、道内でもトラックから切り替え進む(北海道新聞記事より)

2023-08-03 | 鉄道
すっかり「お蔵入り」していた記事がありました。 
そこで、改めて紹介しておきたいと思います。


北海道新聞 2023年6月6日付記事
「JR貨物「2024年問題」に商機 各種サービス充実 道内でもトラックから切り替え進む
 <フォーカス>」
  https://www.hokkaido-np.co.jp/article/856971/



JR貨物が、トラック運転手の残業規制強化で物流業界の人手不足が懸念される「2024年問題」を前に、
鉄道貨物の巻き返しを図っている。

各種サービスを充実させ、道内を含めた需要の掘り起こしを狙う。
災害の頻発もあり取扱量が伸び悩む中、鉄道網寸断時の代替手段として、
貨物船の共同保有に乗り出すなどインフラ整備にも力を入れ始めた。



JR貨物の犬飼新社長は
「問い合わせが増えた。
 鉄道をうまく利用いただける部分はある」と手応えを語る。


主なターゲットとするのが、400~600キロの中距離帯。
2024年問題でトラック輸送に影響が出る距離だ。
「札幌~釧路(約300キロ)の往復や東京~大阪(約500キロ)などが該当する。

全国通運連盟によると、鉄道とトラックの料金は、
一般的に500キロを超えると鉄道の方が安くなるといい、
中距離帯は価格でも勝負しやすくなる。



10トントラックと同等で大型の「31フィートコンテナ」や
低温にも対応する「定温コンテナ」を増やすなどサービスを充実。
貨物列車の遅延情報などを通知するトラック運転手向けのスマートフォンアプリの運用を6月から本格的に始めるなど、
ソフト面のてこ入れも図る。

同社は2025年度の中距離帯輸送を2020年度比23.8%増とする目標を掲げる。


鉄道輸送での二酸化炭素排出量はトラックの約10分の1とされ、
荷主は環境に配慮した輸送をアピールできる。
貨物列車1編成26両けん引で、最大10トントラック65台分の輸送が可能だ。


ただ、国土交通省によると、
貨物の輸送形態別シェアは、自動車が5割、フェリーなど内航海運が4割を占め、
鉄道は5%程度。
JR貨物の2021年度の取り扱い実績は、10年前に比べ1割減った。
背景にあるのが、自然災害の激甚化で、
大規模な輸送障害が毎年のように発生していることがネックとなっている。
 
2018年7月の西日本豪雨ではJR山陽線が100日間不通となり、
トラックなどで代行輸送を余儀なくされた。
昨年8月にも東北地方の大雨で線路が寸断され、「道内から本州間」の物流網に一部影響した。
 
こうした事態を解消しようと、同社は総合物流大手センコーグループホールディングス(東京)と共同で
貨物船を新造・保有することを決めた。
総トン数は499トン、12フィートコンテナ80個などを積むことができる。
2024年春に引き渡し予定で、平常時はセンコーグループが運航し、
災害時にJR貨物が代行輸送に投入する。
 

JR貨物の営業強化を受け、鉄道輸送に切り替える動きが道内でも出てきた。
ホクレンは1月、苫小牧の飼料工場から、飼料基地のある宗谷管内幌延町までの約330キロの輸送について、
「苫小牧~名寄間」約260キロを鉄道に転換した。


 これまではトラック運転手が1日で往復するか、途中で宿泊してきた。
休憩や作業を含めると運転手の拘束時間は14時間。
原則1日13時間以内に制限される残業時間の規制が始まる2024年以降も
「輸送が継続できる体制を整えた」(物流総合課)。
年間約6千トンを鉄道で運ぶ計画だ。
 
アークス傘下の食品スーパーラルズ(札幌)は、
トラック輸送が主流だった青果物の仕入れを鉄道貨物に切り替え、
コスト削減の実績を上げている。
新潟産キノコ、青森産リンゴ、海外から首都圏に運ばれたバナナなど、
幅広い品目を各地から鉄路で運び、石狩市内の自社センターへコンテナで納入。
仕分け後、トラックで各店舗へ配送する。
本年度は、扱う青果物の3割にあたる12フィートコンテナ850台分を鉄路で運ぶ。


2016年度からの鉄路での仕入れ開始以降、コスト削減は累計で数千万円に達した。
門脇幸治取締役は
「人手不足対策はもちろん、輸送コストを抑えることで農家へも還元できる」
と話す。
 (文章執筆:本庄彩芳 氏、権藤泉 氏)


■貨物専用路線で存続策も 並行在来線のあり方注目
 
道内の貨物鉄道を巡っては、2030年度末予定の北海道新幹線札幌延伸で
JR北海道から経営分離される並行在来線の函館線「函館~長万部間(147.6キロ)」の行方が注目される。
現在、国土交通省、道、JR貨物、JR北海道の4者で、
今後のあり方について協議を進めている。
 
旅客路線として維持するには沿線自治体に巨額の費用負担が生じ、
大部分が廃線・バス転換となる見通しが強かったが、
北海道と本州を結ぶ鉄路「青函ルート」は「全国的にも重要な物流網」
(国交省鉄道局)。

貨物専用路線としての存続策も探るため、国が調整に乗り出した。

昨年11月に初会合を開き、これまで非公開で計3回実施。
6月中に4回目を開き、夏にも公開の場に移行する。
 
加えて、一部の物流事業者は青函トンネル内で新幹線が貨物列車とすれ違う際、
荷崩れを防ぐため減速する「青函共用走行問題」の行方も注視。
札幌延伸時に貨物列車の運行本数が減り、輸送力が低下しないか懸念する。
 
北海商科大の相浦宣徳教授(地域物流)は
「函館線における貨物鉄道の今後や、
青函共用走行問題の先行きが不透明なことに対する不安が、
物流事業者や荷主企業の中で先行している。
貨物鉄道輸送への切り替えが進むためには、こうした問題の早期解決が求められる」
と指摘している。

 (文章執筆:本庄彩芳 氏)

----------------------------

繰り返しの主張となりますが、

やはり大事なのは青函トンネルは「新幹線専用路線・在来線専用路線」の各単線化で、
その間に防風壁の設置が理想だと思います。

たとえ整備新幹線が札幌まで延伸したとしても「盛岡止まり」「新青森止まり」の列車は存在するであろうし、
そうなると現在の「新函館北斗行き」がそのまま「札幌行き」になるだけの数でしょうし、
北海道内で大事なのはむしろ「道内発着」の便でしょう。

また、新青森以北は車内販売を全廃しており、
仮に東京から新幹線で札幌まで行く乗客がいたとしたら
車内販売サービスもビュッフェ車両もない新幹線に
4時間以上も乗りっぱなしはキツイでしょう。

(東京で飲食物を買って、途中何も買わず西へ移動する場合、
耐えられるのはせいぜい広島が限界だと、自分は思います)

だったら札幌延伸後、いっそ潔く東京発の新函館北斗以北は
すべて「新青森」で運行形態を分断してしまって
「新青森」終着後「札幌行き」発車まで30分のインターバルを取れば
トイレ&飲食休憩で落ち着いて旅を続けられるはずです。

片や、東京~札幌間の貨物輸送の量こそ甚大であり、
こちらのスピードアップも重要なことでしょう。
そのためにも青函トンネル内は「在来線」「新幹線」各専用路線にして
新幹線のために輸送量を絶対に犠牲にしてはならない。
むしろ、東京~札幌間の貨物輸送路線の「全線電化」こそ
現在の必須問題だと思います。



Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 並行在来線 経営分離、枠組... | TOP | テレビ初観賞、「響け!ユー... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 鉄道