shining's ブログ 「音楽と旅と珈琲と」

音楽大好き男の徒然なる日記

Back to Sapporo・その2/惜別・北地蔵

2013-04-28 | 旅行
今日の一曲「あいつが唄ったYesterday」(1983) by ふきのとう
  オリジナルアルバム『011』(現在廃盤のため、入手困難)収録。
                         作詞・作曲:細坪基佳

ぽつんと光るライトの中で 愚痴や氷の音にまじって
あいつは自分に唄っていた ひとり背中丸めて
その日暮らしの歌い手家業 それもどこか淋しいもんさと
あいつは僕に笑ってみせた タバコのけむる店の隅で

 あの日の歌が 忘れられない
 「昨日」という名の あいつの悲しみ
 遠く近く やるせなく
 もう聞こえない 心の唄

はやりの歌があふれる街で 店をやめたと誰かに聞いた
流れる月日に街も変わって 思い出だけが心の中に

 早すぎる秋より 遅い足どり
 心に一番 近いところで
 生きてゆくより しょうがない
 変わらぬものが 欲しい秋です

 冷たい水で 顔を洗って
 明日も歩くだろう 吹く風の中
 遠く近く 聞こえてくる
 あいつが唄った 心の唄




「か、隠れ家のようなサ店がなくなってる……」
今回の帰札でいちばんのショックはこれだった。

いつもこの街に着いた時、あとは空港へ向かう最後に寄るところとして。
時計台の裏のビル1階の店に立ち寄ったものだ。
道新や雑誌を読みながら珈琲を飲んで、毎時00分になると「カーン」と時計台が時を打つ、
そんな時間が愛おしかった。

ここの味を知って以来、自分にとっての「レギュラーコーヒー」の味の基準となった。
札幌のは深煎りの苦みが強いもの、と。
例えて言えば「ヨーロピアンテイスト」なんでしょうか。
対して首都圏(ドトールなど)のはライトテイストで、
うすい「アメリカン」と「ヨーロピアン」の中間…という感じ。
(昔ながらの喫茶店も“苦さ”より“酸味”が強い印象)
自分なりに、そんな基準が出来ていた。
また、この店は結構頑固な側面もあって、夏でもアイスコーヒーなんてなかった。
だから蒸し暑くなった6月、スーツ姿で汗を拭きながらブレンドを飲んだこともあった。

あれから珈琲文化も大きく変わった。
「ドトールコーヒー」が勢力を伸ばして、駅前の店のみならず24時間営業セルフガソリンスタンドの兼業店舗として地方に普及し(来なくていいのに札幌にも出店してきた)、
アメリカ・シアトルに本拠を持つ「スターバックス」がトレンドの最先端に立つ。
市内には札幌パルコ1階という一等地にできた。
本来子供と肥満の象徴だった「マクドナルド」もコーヒーの味を追求し始めて、
100~120円あたりでうまいコーヒーが飲めるようになった。
(だから、よけい甘ったるい缶コーヒーは敬遠するようになった)
だから、昔ながらの「1杯500円」の単独店では経営が難しくなったのだろうか……

時代の流れと言えばそれまでだが、やはり悲しい……
ちなみに、この味の流れは「サッポロ珈琲館・時計台ガーデンテラス店」が近いだろうか。
http://www.sapporocoffeekan.co.jp/

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2 Comments

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おぼろげな記憶 (kj)
2013-05-28 16:41:32
「ふきのとう」と「北地蔵」?
ん?何か記憶が・・・・。と思ったら。
そうです。確か「街はひたすら」とかいうシングルのジャケット写真は“あの店”をバックに撮っていたはず。
あれは、北地蔵の姉妹店というか先輩店に当たる「elleven」ではなかったかな。
いや、間違いないですよ。だって、その時、中でコーヒー飲んでたんだもん。
もう40年近く昔の話です。今の我が身を顧みれば、まさに少年老い易くの典型ですな。
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kjさん、ありがとうございます (shining)
2013-05-29 18:18:17
コメントいただき感謝です。
「北地蔵」に先輩店があったんですねー。
しかもふきのとうのシングルジャケットで使われていたなんて!
ためしに「街はひたすら ふきのとう」で検索したら・・・
出ました出ました。(便利ですねーホントに)
ヘンに消されたくないのでサイト名は伏せますが、味わいあるお店だったんですねー。

「スタバ」「ドトール」「タリーズ」にはない、古き良き喫茶店を営んでいる皆様のご健闘と繁盛をお祈りします。
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