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音楽大好き男の徒然なる日記

JR北海道の黄色線区を維持するには 沿線4首長に聞く<鉄路の行方>(北海道新聞)

2024-02-25 | 鉄道
テレビのニュースでは、見苦しいほどの醜態をさらす自民党議員の裏金問題。 
いつかは取り上げたいとも思いますが、
まず当ブログではこちらのほうが大事。


北海道新聞 2024年2月19日付記事
「JR北海道の黄色線区を維持するには 沿線4首長に聞く<鉄路の行方>」
 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/976119/


JR北海道が単独では維持困難としている赤字8区間(通称・黄色線区)を巡り同社は
1月末、2023年度中に国に示すとしてきた「抜本的な改善方策」の提示を
コロナ禍などを理由に3年先送りする方針を示しました。

改善方策には、路線を維持するための国や自治体との維持費分担も含める可能性もありました。
利用者の減少に加え、燃料費や人件費などのコスト上昇が続く中、
鉄路をどう維持していくべきなのか。
沿線自治体のうち、黄色線区の大半を占める
道北と道東の関係自治体の首長4氏に考えを聞きました。
 (聞き手:経済部 長谷川裕紀、今井潤、桜井翼 各氏)


MEMO 「黄色線区」
JR北海道が2016年11月、経営危機のため抜本的な見直しを進めるとして公表した
「単独維持困難路線」の赤字10路線13区間のうち、
輸送密度(1キロ当たりの1日平均輸送人員)が200人以上2千人未満の8区間。
営業赤字は2022年度で計139億円に上る。
国や地元などの負担を前提に存続を目指すとされており、
2018年にJRに監督命令を出した国が、2024年3月までに改善策を示すよう求めていた。
単独維持困難路線のうち8区間以上に経営状況が悪い
留萌線など5区間(通称・赤線区)は、すべて廃止または廃止されることが決まっている。
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■加藤剛士・名寄市長(宗谷線名寄―稚内)
「国にとって重要路線との認識が必要」

宗谷線を存続させるべく沿線自治体と一体で取り組んできました。
宗谷線は地域の重要な足であるとともに
国防、安全保障の観点から重要な路線であると考えています。

名寄には日本最北の自衛隊駐屯地があり、
鉄道にはいざ何かが起こったときに大量に物資を輸送できる役割があります。
国にとって重要な路線だと認識してもらいたいです。


路線の利用者増加につながるような前向きな投資、
協力についてはやれることをやりたいと思っています。
旧東風連駅を名寄高校の近くに移転した際は、
道やJRと一体となって取り組むことができました。

自治体が利用の少ない駅の管理を担っています。
JRと観光列車の運行やPR活動をしたことで、
宗谷線が観光資源として可能性があるという手応えも感じました。

ただ、自治体にできることは限られており、
JRの赤字を単純に負担するということにはなりません。
JRは経営安定基金の運用益を得て列車を運行していますが、
その運用益を全道の路線ごとにどう配分しているのかというのは見えていません。


国境に近い稚内までつなぐ路線を維持するという観点から、
国にしっかりと支援をしてもらいたいと考えています。



■北猛俊・富良野市長(富良野線旭川―富良野、根室線滝川―富良野)
「北海道全体で交通体系の議論を」

富良野線は上川やオホーツク、十勝を周遊する上で重要な路線であり、
利便性を高めていかなければいけません。
根室線は通学などの利用者数だけでいえば厳しいですが、貨物列車が走っています。

(トラック運転手の労働規制強化で輸送力低下が懸念される)
物流の2024年問題によって、貨物鉄道の重要性が高まるでしょう。

JR北海道の経営が危機的な状況になったのは、(1987年に)国鉄を分割民営化したときに
国の見通しが甘かったから。
北海道では元々、木材や石炭などを運び出すために鉄道が建設された歴史があります。
その役割を終えたときに後始末を自治体やJRに任せるのではなく、国も責任を果たしてもらいたい。
 
(3月末で廃線となる赤線区の)根室線富良野~新得間の存廃を巡る議論では、
路線の赤字補填(ほてん)は自治体ではなく、国にしてほしいという話を何度もしましたが、
北海道の路線だけ面倒を見ることはできない、と言われてしまいました。

収支だけで鉄路のあり方を決めてしまっていいのか。
北海道全体として交通体系がどうあるべきかを議論するべきです。



■水谷洋一・網走市長(釧網線東釧路―網走、石北線新旭川―網走)
「観光資源を生かした料金設定で赤字圧縮」

釧網線は(1987年の)国鉄民営化当時から利用者が4分の1まで減りましたが、
地域の足として機能しています。
沿線の自治体と十数回にわたって議論を重ね、
観光路線として生き残らせたいと考えるようになりました。

三つの国立公園を通り流氷や釧路湿原といった観光資源がある他にはない強みを生かし、
観光客からはより高い料金をもらって赤字幅を圧縮することが、鉄路維持へ重要な取り組みになります。
 
札幌や旭川への移動手段となる石北線は、
並行して走る都市間バスの維持が運転手不足によって難しくなっています。
鉄道とバスが共倒れしないために、赤字をどうするかだけでなく、
運転手不足という観点も入れて議論をする必要があります。
赤字でも価値があることを訴えていきたい。

 
地域の足を守るのは国の地方政策の一環でもあります。
路線への支援はそこを見てから考えたい。
(線路や駅などの設備を自治体の出資する第三セクターなどが保有する)
上下分離方式を前提に議論するつもりはありません。
黄色線区は政治の(力で解決するべき)問題です。
だからこそ沿線自治体は一体になって協力していく必要があります。


■徳永哲雄・釧路管内弟子屈町長(釧網線東釧路~網走)
「JR利用促すため運賃補助も検討」

釧網線のように雄大な自然と歴史、豊かな食に恵まれた路線は世界でもそうありません。
車窓からの眺めは抜群ですから、
東急とJR北海道が運行した「ザ・ロイヤルエクスプレス」のような豪華列車を走らせ、
車内で地元食材を使った料理を提供するのはどうでしょうか。
北海道を鉄道で何日もかけて走る体験は思い出になるはずです。
 
忘れてはいけないのが、生活路線としての役割です。
弟子屈町内の高校生はJRで片道1時間半かけて釧路市内の高校に通っています。
車の運転が危険だとして冬は通院で利用する高齢者もいます。
町民のJR利用を促すため、運賃の半分を町が補助する取り組みも検討したいと思います。

 
何としても釧網線を守っていきたいので、
維持のためお金を出すことはやぶさかではありません。
金額は他の自治体と相談した上で決めることになるでしょう。

ただ、自治体が支援するなら国もお金を出してもらいたい。
JR北海道の本気度も重要です。
他の自治体も同じ考えを持っているのではないでしょうか。
国や道には釧網線をはじめ路線を残していくという姿勢を明確にしてほしいです。


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自分もずっと思っている。
なぜ道路建設はあれだけの巨額を採算度や通行量を度外視して造っているのに、
公共交通たる鉄道は採算性で存廃問題におよぶのか。

岐阜富山県境、新潟長野県境、磐越国境など
山深い県境を巨額をかけて建設しておきながら
鉄道は大正時代などの建設時から何らブラッシュアップされる事なく
貨物列車を廃止し乗客の減少とともに存廃問題の対象にされる

なんて無駄なことをしているのか。

物流ドライバー不足、
およびバス乗務員不足の時代、
これからは高速道路も通行量をしっかり計測して
あまりの少量ならば追加建設を控えたり
繁忙期や渋滞時間帯の通行料値上げを考えたり
冬期通行止めも検討すべきではないのか。

むしろ「公共交通機関」として鉄道こそ
今の高速時代に合った路盤整備やシカ対策など
疎かにしてきた投資を廻すべき時がきたと思います。

名寄市長さんのお言葉にも賛同します。
北海道は「国境の島」なので、
防衛費で稚内~旭川~帯広~根室間を維持強化しないで
本土防衛なんてできないでしょう。

(もちろん、富良野~新得間も含まれます)



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