書籍「図解わかる税金」でおなじみの 税理士法人 元(GEN)のブログ

会計・税金・経営情報について「わかりやすい」を合言葉に現場の声を発信しています。

消費税率引上げ直後の課税期間の中間申告は8%で計算するから確定申告時の納付額の急増に注意

2019-08-16 13:49:15 | Weblog
消費税率引上げ直後の課税期間の中間申告は8%で計算するから確定申告時の納付額の急増に注意

消費税(地方消費税を含む)の中間申告は直前の課税期間の確定消費税額をベースに納付税額を計算し、

直前の課税期間の確定消費税額に応じた回数(不要、1回、3回、11回のいずれか)で納付する。

この仕組みは10月の消費税率の引上げ後も変わりがないため、税率引上げ直後の課税期間では、

確定申告時に10%の税率で計算される部分のある年税額と8%の税率で計算される部分のある中間申告額との差額を納付する必要が生じ、

確定申告時に納める消費税額が急増する可能性がある。


消費税の中間申告は、直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下なら原則不要、

48万円超400万円以下で年1回、

400万円超4800万円以下で年3回、

4800万円超で年11回となっている。

中間申告が年に3回の企業であれば、中間申告で直前の課税期間の確定消費税額の12分の3をそれぞれ納付。

その後、確定申告時にその年の年税額から中間申告額を控除し、

残りを納める。控除しきれない場合には還付も行われる。


直前の課税期間の確定消費税額をベースとする方法に代えて、

中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行い、

納付すべき消費税額を計算することもできるが、

その場合は計算した税額がマイナスになっても還付を受けることはできない。


このうち、直前の課税期間の確定消費税額をベースとした中間申告では、

消費税率の10%への引上げ後、引上げ後の期間に係る年税額は10%で計算することになるが、

税率引上げ直後の課税期間は直前の課税期間の確定消費税額の税率が8%で計算されている関係で、

確定申告の際に納める年税額と中間申告額との差額が大きくなりやすい。

例えば令和元年9月期の年税額が1600万円、

中間申告による納付額が1200万円(400万円×3回)、

確定申告による納付額が400万円の9月決算法人の場合、

仮に税率引上げ後の期である令和2年9月期の決算内容が直前の期と同様であったとしても、

年税額は2000万円となり、確定申告の際に納める税額は跳ね上がるので注意が必要。


(税のしるべ)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第69回税理士試験

2019-08-06 09:03:56 | 消費税のポイント
頑張れ 受験生!!

本日より第69回税理士試験です。

猛暑の中、ご健闘をお祈り申し上げます。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポーランド、若者の所得税を免除

2019-08-05 16:14:48 | Weblog
税金も一国で課税が難しくなっている例ですね。


(CNN) ポーランドで8月1日から、

一定の条件を満たした26歳未満の若者の

所得税を免除する法律が施行される。

若者の頭脳流出防止を図るための措置で、

およそ200万人が対象となる。

ポーランドでは、

15年前に欧州連合(EU)に加盟して以来、

頭脳の大量流出が続いていた。

モラウィエツキ首相は今回の非課税措置について、

西側に匹敵する機会を若者に与えると強調した。



対象となるのは、

26歳未満で年間所得が8万5528ズロチ(約240万円)に満たない若者。

18%の所得税が8月1日から非課税となる。

ポーランド人の給与の年間平均は6万ズロチなので、

かなり寛大な措置といえる。政府によると、

200万人に対して非課税措置が適用される。


ポーランドが2004年にEUに加盟して以来、

国民は就労許可や就労ビザがなくても

EU域内の国で就労できるようになった。


モラウィエツキ首相は法案の審議に際して

議会で行った演説の中で、

過去15年で170万人がポーランドを去ったと述べ、

「これはワルシャワの全人口に相当する。とてつもない損失だ」と嘆き、

「これは終わらせなければならない。

若者はポーランドにとどまるべきだ」と訴えていた。









  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

軽減税率制度の「Q&A集」が改訂されました

2019-08-02 17:00:13 | Weblog
軽減税率制度導入まで2カ月 「複雑すぎる」の声

10月の消費税増税を円滑に迎えるため国税庁が5度目の改定を行った軽減税率制度の「Q&A集」

国税庁の担当者は同制度について「理解は進んでいる」とするが、

Q&A集の「問い」は200問を超えている。

それだけ複雑な制度であることの表れで、商店街などを取材すると

「複雑すぎる」「現場を知らずに作ったルールだ」といった声が聞こえ、

混乱も予想される。(蕎麦谷里志 産経新聞)


「おばあちゃんの原宿」としても知られる東京・巣鴨。巣鴨地蔵通り商店街では和菓子店や茶屋などが数多く並び、

お年寄りが小休止できるよう、店内に椅子を置いている店も少なくない。

軽減税率制度では、持ち帰ったり食べ歩きしたりする場合は軽減税率が適用され税率は8%に据え置かれる。

しかし、店内の椅子に座って食べると「外食」と同じ扱いになり10%の税率になる。

「うちの場合、3個入りのパック菓子を買って、1つだけ店内で食べて残りを持ち帰る人も多い。この場合の税率はどうなるの?」


軽減税率制度への対応を取材していたら、ある菓子店の男性店主(48)から逆質問を受けた。

この場合、セット販売なので「一体」の商品とみなされ、1つを店内で食べるなら3個とも10%の税率になる。

ただ、バラ売りのものを3個買えば、店内で食べる1つだけが10%で、

持ち帰る2つは8%となる。そのことを伝えると男性は「お客さんにそんな説明できない。複雑すぎる」と苦笑した。



国税庁の担当者は「説明会などを開いても実務的で細かな質問が増えており、

それだけ軽減税率への理解が広がってきている証拠だ」と前向きにとらえる。

ただ、自身が販売する商品でも軽減税率の対象になるかどうかを知らない店主もおり、

制度への理解は個人差が大きいのが実情だ。


事業者ですら理解が十分に進んでいない中、一般人がこれだけ複雑な制度を理解するのは至難の業といえる。

和菓子店の女性(46)も「ちょっと休憩したいというくらいの感覚で座ったお年寄りに、

店内で食べたら『外食』扱いで10%になるという説明はしにくい」と語る。制度についての理解が不十分な中、

厳格に運用すれば客とのトラブルにもなりかねない。

他にも、持ち帰る客が増えれば、客と会話する機会が減ったり、

周辺の公園などで飲食する人が増えてゴミを放置するなど、

新たな問題が生じたりすることを懸念する声も聞かれた。


軽減税率制度の導入まで残り2カ月。レジの入れ替えや価格表示の見直しだけでなく、

客への周知や店員の教育など、取り組まなければならない課題は多い。



(産経新聞)


参考 軽減税率制度の「Q&A集」
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_03.htm

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする