遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国が、東シナ海ガス田(天外天)採掘開始

2005-09-23 23:54:31 | 東シナ海ガス田
 我が国の衆議院選挙、6カ国協議のなか、東シナ海では中国が着々と実績を積み重ねるべく、ガス田開発、それにともなう示威行為の空軍機の越境、艦隊の派遣が進められていましたが、春暁以外の天外天で採掘開始の兆候が見られたとのことです。
 
【日経 朝刊 (9/21)】中国、東シナ海ガス田採掘開始
日本抗議 対抗試掘、準備整わず 解けぬ対立見えぬ即効策


 中国が東シナ海の日中境界線(中間線)近くの「天.外天」と呼ばれるガス田で天然ガスなどの採掘作業を始めた。日本政府は二十日午後に外交ルートを通じて中国側に抗議した。しかし中国が作業中止要求に応じる可能性は低いとみられる。対抗措置として日本が中問線周辺で試掘する環境も整っておらず、即効策が打ち出せない状況だ。
 中国が中間線近くで開発を進めているガス田は天外天のほか「春暁」や「断橋」。春暁では中国がガスや石油を採掘する準備に着手したことが判明、中国海洋石油(CNOOC)が今月中にも天然ガスの生産を始める意向を表明している。日本政府の開発中止要請に中国側は応じていない。

 日本政府の地質調査では、春暁の地下鉱脈は中間線を越えて日本側海域につながっている可能性が高い。天外天は春暁より中間線から離れていることもあり、日本側まで鉱脈が続いているか確認できていない。だが日本政府は、天外天の開発が続けば春暁などの開発も既成事実化されかねないと判断、天外天の開発中止も強く求める構えだ。中間線付近のガス田の埋蔵量は試掘しないとはつきりしないが、春暁付近では一兆~二兆立方フィートとみる石油専門家もいる。ロシアで白欧三社が取り組むサハリン2の十七兆立方フィートなどに比べれば規模は小ざいものの、「エネルギー主権を考えれば放置できない」(経産省幹部)との立場だ。
北朝鮮の核問題を巡る六力国協議が閉幕したのを受け、日中両政府は五月以来中断しているガス田問題に関する局長級協議の再開に向けた調整を本格化する。

 五月の協議では、中国が共同開発の対象海域を中間線の日本側海域に限定する案を提示。日本は中国側海域も対象とすべきだと主張し、折り合わなかつた。今月末にも開く次回協議でも中国が共同開発海域で歩み寄らなければ、日本側は対抗措置として春暁などに近い海域での試掘に向けた作業を急ぐ方針だ。
七月に試掘権を付与された帝国石油ば試掘に必要な掘削船など機材調達の準備を開始したばかり。実際に試掘を実施するには海上保安庁による警備などが必要で、日本政府は中国側の対応をにらみながら、関係省、庁間の調整を進める。

「争いがない,近海の作業」 中国外務省
 中国外務省の秦剛副報道局長は二十日の記者会見で、中国が「天外天」で採掘作業を始めた可能性を日本政府が確認したことについで、「開発は日本と争いのない中国近海で進めている」と述べ、日本側の中止要請に応じない姿勢を示した。採掘を開始したかどうかなど事実関係については具体的な言及を避けた。一方で「日本側と対話を通じて処理を図り、安定を守りたいという立場に変わりはないと強調した。

 「衆院解散空白で、白樺(春暁)ガス田採掘に手が打てない!」で書いていましたが、6カ国会議も山を越し(?)、選挙も小泉自民党が圧勝で、外務省、経産省他閣僚も留任の新生政府には、素早い決断と、行動を期待しています。
 同じ日の日経の社説は、良いこと言ってます。
 
ガス田開発、政府は明確な対応示せ

 中川昭一経済産業相は20日、中国が日中の排他的経済水域(EEZ)の中間線付近の天外天ガス田での生産を開始した可能性が高いことを明らかにした。事実関係の確認を待つ必要があるが、事実とすれば遺憾である。中国は天外天ガス田と近い海域にある春暁ガス田の開発作業も着々と進めており、中国海洋石油(CNOOC)は今月中にも生産を始める意向を表明している。

 中国外務省スポークスマンは同日、「開発は日本側と争いのない中国近海で実施している」と述べた。だが、中間線付近での資源開発は、たとえ中国側海域であっても地下で資源構造が日本側まで延びている可能性があり、両国が納得したうえで進めるのが大原則である。

 日本政府は開発作業の一時中止と中国側海域の地質データを提供するよう一貫して求めてきた。資源の埋蔵が日本側まで続いていないか、確かめることは日本の正当な権利である。中国が日本の求めを無視し、一方的にガス生産に踏み切るとすれば、日本側も中国に対し、はっきりとした姿勢を示す必要がある。

 経産省はすでにEEZの日本側海域で帝国石油に対し、探査、試掘などの認可を出している。日本も開発に向けた動きを粛々と進めるべきだ。日中が東シナ海の資源をめぐって争い、対立がエスカレートすることは決して望ましいことではない。しかし、中国側が一方的に開発実績を積み上げ、日本が何の行動も起こさなければ、将来の中間線画定に際しても影響してくる懸念がある。

 中国は春暁ガス田の周辺に海軍艦艇数隻を遊弋(ゆうよく)させていることが確認されている。とすれば、日本側がこの海域で探査などに入れば、作業船を海上保安庁などが護衛する必要が出てくるかもしれない。日中両国の艦船が中間線付近で対峙(たいじ)するような事態は日中関係にとって大きなマイナスだ。だが、日本側が一方的に引き、無策であることは日中関係の将来により大きな禍根を残す。日本政府は大きなリスクを冷静に認識したうえで、必要な対応を検討すべき時だ。

 中国が開発を急ぐ背景には、国内のエネルギー需要の急増がある。天外天、春暁はじめ中間線付近のガス田が日中合意のもとで開発、生産され、日本企業が多数進出している中国沿海部のエネルギー需要をまかなえば、日中双方の利益となる。中国は立ち止まって真の利益を冷静に考慮すべきだ。日中の当局者間の協議を早急に開催し、事態の悪化を阻止してもらいたい。

 天外天は、日本側まで鉱脈が続いているか確認できていないのですが、既成事実造りの歯止めとして、強く抗議するという姿勢は頼もしいです。ただ、抗議の姿勢だけで、後は先送りと言うのではなく、予測通り無視する姿勢の中国に対し、具体的行動で抗議の意を示すことが必要です。
 麻生大臣は、帝国石油の開発を早めると言っていましたが、護衛艦をつけて、空からの哨戒も強化し、早急に開発実績をつけ、中国の一方的な覇権拡大の防衛姿勢を、国際世論にも認めて貰わねばなりません。

 米国で、台風被害の復旧に、イラクなどの派兵を削減し資源を廻すべきとの議論がなされ、日本でも、海上自衛隊のインド洋派遣の停止や、イラクからの撤退が議論され始めています。
 インド洋の派遣では、石油の高騰による費用の増大、少ない艦艇や人のやりくりでの疲弊という、自衛隊内の事情もあるのだとか...。
  

 今夜のTBSで、海上保安庁の方々の「防人」としての活躍が放映されていました。
 警告弾を人が手で投げつける。荒波の中を人が違反操業船に飛び移る。倍のスピードで逃げられ、追いつけないと解っていて追いかけるなど、海上保安庁の方々の熱意と頑張りに頼り切っている現状の国境警備の様子が、前線の映像で改めてクローズアップされていました。
 
 新生小泉政権の、圧倒的支持に支えられた素早い決断と行動に期待するのですが、
国防費の削減に活躍していた、片山さつき議員が、新生自民党の象徴の一つというのは気がかりです。
 インド洋、イラクからの撤退ではなく、日本を守るという見地から、海と空の守りへの軍備・装置の充実と増強は猶予出来ないところに来ていると考えます。

  

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2 コメント

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最近の台湾の教科書について 3 (グリーン・中山)
2006-05-18 13:55:21
清代勢力図



最近の、台湾の教科書には、4社4種類の教科書に

清代勢力図が記載されていました。



大まかには、以下の2種類にタイプが分かれている様です。



  琉球全体を清代の最大勢力範囲に含む教科書、  2冊

  宮古島?以西を清代の最大勢力範囲に含む教科書、2冊



以下に高級中學(学)や國中(9年一貫の7,8,9學年)の検定教科書の

内容を紹介しています。

(翻訳は大体ですので原文画像もご参考ください。)



  http://www2.ezbbs.net/36/underbranch/

   交流掲示板  4月9日
返信する
Re: 最近の台湾の教科書について (遊爺)
2006-05-20 17:38:30
グリーン・中山さん、貴重な資料をご紹介いただきありがとうございます。

 「交流掲示板」(http://www2.ezbbs.net/36/underbranch/)を拝見させていただきましたが、なにせ"爺"なもので、地図がよく見えません。拡大して見る方法か、内容が説明されている頁などありましたら、教えて下さい。
返信する

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