遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ガス田「樫」 中国が単独開発・生産段階に移行

2012-02-02 23:53:00 | 東シナ海ガス田
 東シナ海のガス田の内、共同開発の合意に至らず、継続協議の扱いとなっていた「樫」の採掘施設から炎が出ていることを、NHKが先月26日に航空機から撮影していたのだそうです。
 中国外務省は 1日、NHKの取材に書面で回答し、ガス田の「樫」について、「争う余地のない中国が管轄する海域にある。活動は正当なもので、非難されるところはない」として、反論したのだそうです。
 政府も確認、抗議をしたとのことです。
 
ガス開発に口出し 中国「勝手な曲解」(写真)
 中国 ガス田の活動正当と反論 NHKニュース
 
ガス田「樫」開発確認 東シナ海 政府、中国側に抗議 (2/2 産経)  政府は東シナ海のガス田「樫(かし)(中国名・天外天)」で採掘施設から炎が出ているのを確認し、中国政府に抗議した。藤村修官房長官が1日の記者会見で明らかにした。樫は継続協議となっており、現状維持すべきガス田だが、中国側は単独開発を継続。生産段階に移行し、開発の既成事実化を進めているとみられる。 抗議は1月31日付で外交ルートを通じ行った。藤村氏は「境界画定の合意のない中、一方的な開発は認められない」と強調した。さらに、これまでも炎が確認されていることを挙げ「生産が行われている可能性が高い」との認識も示した。  日中中間線付近のガス田問題に関する平成20年6月の合意では、共同開発の協議対象となる4カ所のうち「翌檜(あすなろ)(同・龍井)」付近での共同開発と「白樺(しらかば)(同・春暁)」で日本の出資が決まった。樫と翌檜の本体、「楠(くすのき)(同・断橋)」については共同開発の合意に至らず、継続協議の扱いになった。 ところが、この合意直後の7月上旬ごろ、樫の採掘施設周辺の海域が茶色く濁っているのを海上自衛隊のP3C哨戒機が確認した。パイプやドリルを使い掘削を始めたため、汚泥が出て海面が濁ったとされる。10月にはパイプが撤去された。掘削を終え石油と天然ガスの採掘に入ったとみられている。


 このニュースでは気がかりな点として二つ挙げられます。
 一番は、HNKの発見と、政府の確認というところです。つまり、NKHが発見して政府がその情報を元に確認したと取れます。それが事実とすれば、海自など国防の担当部署での発見が民間機より遅れていることになります。
 勿論それは海自の怠慢や見過しではなく、警戒行動の頻度であろうと推測され、対中防衛力の増強を謳う政府の策が不足しているという証しになります。
 
 二番目は、日本政府の中国に対する姿勢です。
 先月、25, 26日は野田氏が訪中し胡錦濤主席と面談し、ガス田共同開発をめぐる交渉の早期再開を要請していたということです。そして、中国側からは無視され、回答を得ていません。
 念願の初訪問を実現し、要請するのに、現場の最新状況を確認していなかったのですから、中国は心の内ではあざ笑っていたことでしょう。当然、そんな相手に回答する必要はないとなめられてしまいます。

 今回も外交ルートを通じ抗議したと言いますが、単に口先だけの儀礼の抗議としか思えません。
 NHKの取材に対し、『平成20年の両政府間の合意について「一貫して重視しており、日中両国は、合意の実現に向けて話し合いを続けている」』との回答もしているので、特に荒立てる必要はないものの、野田氏の訪中での要請が、事実上は恥さらしの陳劇にされた訳で、在日大使を呼び抗議し、交渉再開が進まないのなら日本側にも独自調査・開発着手の検討を始めると匂わせるくらいは必要です。故中川氏は、経産相時代にそういう交渉をしていました。

 防衛大臣の個人攻撃が、野田氏の党内融和優先で輿石に配慮した国益無視の人事に対してであること。つまり、民主党政権の国防を無視した姿勢の象徴であること。そこに近隣諸国につけいられ、日々国益を損耗していることに、メディアはもっと報道の力点を置くべきです。今の報道は、三面記事的扱いで、いじめを面白おかしく取り上げて絵面を賑わすことに走っています。
 
 民主党や政府の有志の奮起を願っていますが、ないものねだりの無理なのでしょうか。




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