有志舎の日々

社長の永滝稔が、 日々の仕事や出版・学問などに関して思ったことを好き勝手に 書いていきます。

道場親信さんを悼む

2016-09-15 11:12:36 | 日記
道場親信さん(日本現代史・社会運動研究)が昨日逝去されました。

道場さんと初めて会ったのは12年くらい前、ある本の書評会があって、そのあとの懇親会でした。
たしか道場さんは書評会自体にはいなくて、懇親会から来られ、私の隣に座られました。
そして、「来ようかどうか迷ったんですよ。明日、電気代払わないと電気止められちゃうんだけど、懇親会に来るとそれでお金なくなっちゃうから」と笑っていた事を憶えています。
まだ非常勤講師と予備校講師を掛け持ちしていて貧乏だったんだと思います。
でも、そこでの議論はものすごく鋭くて「アタマのいい人だなあ」と思いました。

その後、「帝国と思想」研究会にも誘ってもらい参加させていただくなかでさらに親しくなり、数年前には「思想の科学」についての共同研究書出版のお話をいただきました。
その本の編者は道場さんと天野正子さん。残念な事に、お二人ともに亡くなってしまいましたが、本は別の研究者の方々が編集を引き継いでくれています。
何とか天野さん・道場さんの思いを遂げて刊行まで到達したいと思います。
それに加えて、私が「思想の科学」研究会に入会したいと言ったときにも、天野さんと一緒に道場さんが推薦人をその場で引き受けてくれて、すんなりと入会することができました。
本当に有り難かった。

ただ、残念なのは数年前に引き受けていただいた『小田実論』がついに成らなかった事です。
他にも、まだ数冊の自著刊行予定があったとも聞きました。そういう意味で、色々と心残りだったろうと思います。
今年の初めくらいに、ご本人から「ガンが進行していて、余命宣告をされてしまった」とうかがい、愕然としましたが、それでも「すぐに死ぬ気はないので」と猛然と仕事を進めておられました。

本当に残念です。49歳で逝くとは若すぎますよ。



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