日本政府は8月31日に、「朝鮮学校無償化除外を取りやめる」という結論を先送りしました。全く何を考えているのでしょうか。そもそも朝鮮学校を無償化から外したり、「朝鮮学校は北朝鮮の工作員を養成する学校」などという都市伝説ばりのバカげた発言をしている府知事が存在している事自体が恥ずかしいことなのですが、日本政府のレベルも知れたものです。私は社民連時代の菅直人は好きだったのですが、今の権力ボケした姿に怒りを感じています。
そういうなか、詩人の河津聖恵さんの呼びかけによって多くの詩人・歌人の方々が集まり、朝鮮学校無償化除外に反対する作品集『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』が発刊されました。河津さんは、朝鮮学校や在日朝鮮人への偏見や差別に反対することは日本人としての矜持だと以前からおっしゃっていますが、私もそのとおりだと思います。
ご購入希望の方は、河津さんのブログ
http://reliance.blog.eonet.jp/default/2010/08/post-2153.html
をご覧下さい。
雑誌『インパクション』174号(2010年5月)の特集で「現代排外主義批判」が組まれたように、現代日本には普通の若者が排外主義と走るケースが増えているという事です。近隣国への植民地支配責任を真摯に受け止めようともしない人が、自分の事は棚に上げてルサンチマン意識だけを高揚させている姿はいやなものです。
それに比べ、河津さんたちの詩歌は怒りと悲しみをたたえていながらもキラキラ輝くようで何と美しいことか。そこには人を信じ、人とつながっていく心があるからなのでしょう。同じ「反対」を訴えかけるのにも、朝鮮学校生徒に投げつけられる排外主義者の醜悪なシュプレキコールとは全然ちがいます。