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有志舎の日々

社長の永滝稔が、 日々の仕事や出版・学問などに関して思ったことを好き勝手に 書いていきます。

街頭で起こっていることと政治家について

2011-10-20 14:37:11 | 雑談

10月20日の「朝日新聞」朝刊の「オピニオン」欄に3つのインタビュー記事が載っていました。共通テーマは「街に出る人たち」で、世界中で同時多発的に起こっているデモについてです。

落合恵子(作家)が、「(6万人も集まった9月19日の脱原発ウォークの特徴について)一つには子ども、学生、女性、お年寄り、ご夫婦など初めて参加した方々がいたこと・・・もうひとつは組織による動員というよりも、自分で情報を集めて、自分で考えて参加した人が多かったこと・・・私は「自前参加」と読んでますが、参加者の意識がとても高かったと思います」と言っているのに対して、小川淳也(民主党衆議院議員)が「市民にはどんどん意思表示し、参画してほしい。・・・デモをする人たちも考え、判断してほしい。・・・インターネットのおかげで、組織されていない人たちの組織化も容易になりました」と言っているのが面白かったです。

この小川とかいう衆議院議員にとって、市民・民衆は所詮、政治家などの「誰か」によって組織される存在でしかないのでしょう。そして、「デモをする人たちも考え、判断してほしい」という言葉には、「デモをする人間などは、どうせ大したことを考えてはいないだろう」という先入観(愚民観)が露わです。結局、民主党も自民党も同じ穴のムジナってことですね。

ハンナ・アーレントやジャック・ランシエール曰く、「選挙とは、原理的にいって、下から意見をくみ上げる制度であるよりもむしろ、上からの意見を選挙民に承諾させるための制度なのである」「代表制とは、実際には、少数の特権階級が自分たちの支配を維持するための寡頭的なものなのである」(和田伸一郎『民衆にとって政治とは何か』人文書院、2009年)だそうなので、そんな選挙によって選ばれている民主党議員の心性などしれたものなのかもしれませんが。