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有志舎の日々

社長の永滝稔が、 日々の仕事や出版・学問などに関して思ったことを好き勝手に 書いていきます。

5月27日(土)・28日(日)の歴史学研究会大会、書籍展示に出展します

2017-05-16 06:40:39 | 販売情報
5月27日(土)・28日(日)は歴史学研究会大会(於・学習院大学)です。
有志舎も例年通り、書籍展示に参加します。
新刊は2点です。
『天皇墓の政治民俗史』(岩田重則さん著、本体3400円)
『近代ドイツの歴史とナショナリズム・マイノリティ』(伊藤定良さん著、本体2400円)
その他、既刊書もドドーンと持って行きますよ(といっても、全部ではありませんが)。
皆さん、ぜひお越し下さい。

あと、以下の本に一文「歴史学・学術書・読者の新たな関係を考える―編集者の立場から―」を寄稿させていただいたので、もしよかったらお買い求め下さい。
まだ出来ていないみたいで、私も中味はみていませんが、当日までには出来てくるのでしょう。
『歴史学を社会に活かす-楽しむ・学ぶ・伝える・観る-』 
(編集・歴史学研究会/発行:東京大学出版会、本体3200円)
よろしくお願いします。




有志舎の5月新刊は、岩田重則さん著 『天皇墓の政治民俗史』(本体3400円)です

2017-04-17 18:00:34 | 販売情報
明日の事務所移転を前に、新刊情報です。

有志舎の5月新刊は、
岩田重則さん(中央大学教授、歴史学・民俗学専攻)著
『天皇墓の政治民俗史』(本体3400円)
です。

天皇の陵墓についての研究はたくさんありますが、古代だけ・近代だけのように一定の時代だけの分析が多かったのではないかと思います。しかも、歴史学だけ、宗教学だけからの分析でした。
それに対して、この本は古代から現代まで通史として描いており、しかも歴史学と民俗学の研究成果をともに参照し、武士墓・庶民墓と祭祀についての自らの詳細な調査・比較もまじえて、天皇墓とその祭祀について新しい歴史像を提示しています。
明仁天皇の生前退位問題が議論されているなか、「天皇の死」と神道的な祭祀の問題を改めて考えないといけないと思うのです。

また、本書には陵墓以外も含めてたくさんのお墓の写真を掲載しています(殆ど著者撮影の写真です)。なかには、荒涼としたオドロオドロしい「死の風景」を感じさせる写真もあります。カバー裏の写真もそうです。

さらに、A5判でページ数は500ページを超えます!
持ってみると結構な厚みでズッシリ重い(足の上に落とすとケガしますので要注意)。
それなのに本体価格3400円の大出血サービスの価格です(これで売れてくれないと困る・・・)。
なお、内容については、こちらをご参照下さい。
5月下旬の刊行予定です。

有志舎3月の新刊、水羽信男さん編『アジアから考える-日本人が「アジアの世紀」を生きるために-』(本体2800円)

2017-02-21 09:15:10 | 販売情報
有志舎3月の新刊は、水羽信男さん編『アジアから考える-日本人が「アジアの世紀」を生きるために-』(本体2800円)です。

この本は、広島大学の水羽信男さん(中国近代思想史)を中心に、広島大学総合科学部で開講された「「アジア」学」講座を基礎として、改めて一書にまとめるにあたって執筆者を広げて編集したものです。
もともとが大学の講義なので、とても分かりやすく書かれています。
内容は、国際政治学・歴史学・文学・人類学など様々な視点から、日本人のアジア認識にはどのような問題点があり、また新たな関係を構築するうえでの可能性はどこにあるのかなどを考えるためのヒントや、現状を冷静にみつめるために必要な基礎知識などを読者に提示しようとするものです。
そして、アジアと共にこの世紀を歩みたい人びとのための「アジア学」入門となっております。

ただ、当初はサブタイトルに「日本人」という言葉を使うことに異論も出ました。たしかに「日本人」を強調することで、他国民との対立を煽る議論が横行していることは否定できません。しかし、その「日本人」という概念を多様な「アジア」のなかで根本から考え直して欲しいという思いがあって、あえてサブタイトルに入れました。
編者の水羽さんはじめ執筆者の皆さんにはご理解をいただき、感謝です。
そして、目次は以下の通り(カッコ内は執筆者名、敬称略)。
3月下旬に刊行予定。
                              
総 論 開かれたアジア論の深化のために(水羽信男)
第1部 アジア認識の再構築のために──「外」からみる日本・アジア
  第1章 アフリカでビジネスと紛争にかかわる日本人たち(大池真知子)       
 第2章 ラテンアメリカの植民地支配と独立の経験 (青木利夫)
 第3章 雑誌『島嶼邊縁』と一九九〇年代前半期台湾の文化論(三木直大)
 第4章 日本における「台湾」/台湾における「日本」(川口隆行)
 第5章 ライシャワーのアジア認識と日本(布川 弘)
 第6章「放射能とともに生きる」(西 佳代)
第2部 日本とアジアとの交流・比較──「アジア」の実相
 第7章 中国の憲法制定事業と日本(金子 肇)
 第8章 大正期東京の中国人留学生(水羽信男)
 第9章 竈神と毛沢東像(丸田孝志)
 第10章 和解への道(黄自進)
 第11章 アジアの中を移動する女性たち(長坂 格)
 第12章 近現代ベトナムへの日本人の関与(八尾隆生)
あとがき

大阪大学からこんな文書がきました

2017-02-08 15:45:58 | 販売情報
大阪大学から「物品調達システム利用についてのご案内」なる文書が届きました。
要は、研究費不正使用の再発防止策として、大学教員からの物品の発注および取引業者における受注をWeb上で行うシステムを導入したので利用登録をしろ、というものです(事務当局が不正がないかどうか監視するって事ですね)。

でも、こちらからすると本当に面倒です。
今までは電話とか学会販売の場で注文を受けて、本と伝票を発送すれば良かっただけなのに、何でこんな内部のシステムにまで巻き込まれないといけないのだろう。
こういう手間もコストなんですけど・・・。
それに、不正の本丸は本の購入費なんかじゃないでしょう。これはもう「巻き込まれ事故」ですし、不正などしていない企業に対しても失礼だと思います。

そもそも、研究費不正使用なんて大学内部の問題なのに、その防止のために関係ない外部の企業まで煩雑なシステムに勝手に巻き込んで平然としている感覚が理解出来ません。
「国立大学が決めたんだから、お前ら民間業者は言うとおりにしろ」ってことですかね。
まあ何とも「親方日の丸」そのものですなあ。
これに登録するかどうか、ちょっと考えよう。
登録しないと取引しないとは書いてないし(事務部門が対応すると書いてある)。

それに、今後、各大学でバラバラにシステムを構築して登録しろ、って言ってこられたら、何十というシステムに巻き込まれ、全部マニュアルも対応方法も違ってくるだろうから、こっちは収拾つかなくなるんですけど。
考えただけでも恐ろしい。
どうせやるなら、国公立大学統一のシステムを作って欲しい。それならこちらも楽になります。今は、公費購入にあたっての伝票記載方法も大学ごとに違って、何度も作り直させられたりするので。

でも、こうやって文句言ってたら阪大からイジメられちゃうかなあ。

サントリー学芸賞と編集者

2016-11-11 19:32:21 | 販売情報
沖本幸子さん(青山学院大学准教授)の『乱舞の中世-白拍子・乱拍子・猿楽-』(吉川弘文館)がサントリー学芸賞を受賞しました。
この本の編集者は岡庭由佳さん。私も吉川勤務時代に一緒に働いた後輩です。
岡庭さんは私と違ってゴタクを並べたりするわけではなく、コツコツと仕事を積み上げ、誠実に著者に向き合うタイプの編集者。それに、本づくりの力量に関しては私などはとても及びません。
そういう彼女にこそ、この受賞はふさわしい。もっとも、賞は著者に与えられるものですが、それをサポートし続けた編集者も共に栄誉にあずかるべきだと私は思います。
岡庭さんの企画・編集した本の受賞は、小野沢あかねさんの『近代日本社会と公娼制度』(女性史学賞受賞)に続いて2作目だと思います(他にもあったらごめんなさい、岡庭さん)。
なお、私がこの賞をとった作品の編集者を評価するのは、この賞が一種の新人賞的な意味合いがあるからで、それ程有名ではないが優秀な研究者を見つけ出し、それに伴走して賞をとるまでに至ったのは編集者の目利きと努力があったに違いないからです。
岡庭さん、本当におめでとう。
受賞式は胸を張って行って来て下さい。そして、そのあとの祝賀パーティー(立食形式)は飲み放題・食べ放題なので、いっぱい食べて飲んできて下さい。もちろん、並べられるウィスキーは全部サントリーです(笑)。