きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「東京バレエ団全国縦断公演2015 シルヴィ・ギエム〈ライフ・イン・プログレス〉 」

2015年12月16日 | バレエ・ダンス
「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」は
全然ダメだわ予想どおりに。
きっぱりしたカウントの中で綺麗に踊っている。
カウントとカウントの間の粘りが皆無。
身体もウネウネしていないし。
無機的な音で有機体が踊るワクワク感を感じられなかったのが寂しかった。
こんなもん?と思うのはギエムが基準だからなのかな。
特に水香ちゃんが作品世界から遠かった。
入野戸君が一番粘ってた。

「ドリームタイム」は
幕が開いて女性三人のポーズで見ていたことを思い出した。
こちらはとても美しい世界だった。
夢、まどろみ、現実と非現実の間に存在する時間、空間。
音楽がある安心感。

「テクネ」は木の周りに吹く風とも、その風と戯れる少女とも。
「ヒア・アンド・アフター」はよくわからなかったけど、大地?みたいな?
虚飾の世界から全てを削ぎ落とした人間の肉体、
その先の世界は息づく自然だったのかな、ギエムが表現したかったのは。
人間も地球に存在する生物の一員にすぎない。
全てが助け合う共同体なのだ、という道筋が見えた気がした。
彼女の肉体がまだ動けば、
この先がスピリチュアルか宇宙か、どちらになったのかなあ。
(宇宙←大地、地球より大きい存在、って意味です)

「デュオ2015」のおいちゃん二人は、
ほぼ無音の中、
時にはバラバラな動き、時にはピタっと揃う、
なかなか面白い作品だった。

「バイ」は映像を絡めた作品。
ニコラやジョゼもこんなのを作っていたな。
ギエムの身体能力は活かされていたけど、
私には面白味は感じなかったな。

諸権利クリアは難しいだろうけど
ウチのサイトーあたりを使って
今までの思い出深い役を連ねた
サヨナラショー的な作品を作ってくれたらな、と思った。

幕間の客席も
シシィだのルナだの思い出し大会絶賛開催中でした。

結局は15~20分押しでした。

ヌレエフが亡命しなかったら、とか、
ギエムに対してのIFがいくつも思い浮かぶ。
私はコンテより古典の方が好きなこともあり
最近のギエム出演作はあんまり好きじゃなかったんだけど、
彼女がいろんな世代のダンサーの指標となったのは揺るぎない事実で、
その功績は称えたい。

プリセツカヤが身体能力が高く足を上げすぎるマカロワを
「バレエではない」と評したけど、ギエムは認めていたという。
自分の世代ではないからかもしれないけれど、
ギエムによって「バレエ」の枠は変わったよね。


◆配役◆
「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」

振付:ウィリアム・フォーサイス 
 音楽:トム・ウィレムス(レスリー・スタックとの共同制作)
演出・照明・衣裳:ウィリアム・フォーサイス  
振付指導:キャサリン・ベネッツ

上野水香  奈良春夏  柄本 弾
河合眞里  川淵 瞳  入戸野伊織  二瓶加奈子  原田祥博  三雲友里加


「ドリーム・タイム」
振付・演出 :イリ・キリアン  振付助手:エルケ・シェパース  
音楽:武満徹 オーケストラのための「夢の時」(1981)
装置デザイン:ジョン・F. マクファーレン  
衣裳デザイン:ジョン・F. マクファーレン
照明デザイン:イリ・キリアン(コンセプト)、ヨープ・カボルト(製作)  
技術監督、装置・照明改訂:ケース・チェッベス

吉川留衣  川島麻実子  政本絵美
松野乃知  岸本秀雄


「テクネ」
振付:アクラム・カーン  
音楽:アリーズ・スルイター(マッシュルーム・ミュージック・パブリッシング/BMGクリサリス、
プラサップ・ラーマチャンドラ、グレイス・サヴェージとの共同制作)
照明デザイン:アダム・カレー、ルーシー・カーター  
衣裳デザイン: 中野希美江  リハーサル・ディレクター:ホセ・アグード

シルヴィ・ギエム
パーカッション:プラサップ・ラーマチャンドラ  
ビートボックス:グレイス・サヴェージ  
ヴァイオリン、ヴォイス、ラップトップ:アリーズ・スルイター


「デュオ2015」
振付:ウィリアム・フォーサイス 
音楽:トム・ウィレムス
照明:タニヤ・リュール ステージング:ブリーゲル・ジョカ、ライリー・ワッツ

ブリーゲル・ジョカ、ライリー・ワッツ


「ヒア・アンド・アフター」
振付・演出:ラッセル・マリファント  
照明デザイン:マイケル・ハルズ  
音楽:アンディ・カウトン  
衣裳デザイン:スティーヴィー・スチュワート

シルヴィ・ギエム、エマヌエラ・モンタナーリ


「バイ」

振付:マッツ・エック
音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン ピアノソナタ第32番 Op.111 第2楽章(演奏:イーヴォ・ポゴレリチ)
装置・衣裳デザイン:カトリン・ブランストローム 
照明デザイン:エリック・バーグランド 
映像:エリアス・ベンクソン 
共同プロデュース:ストックホルム・ダンセン・フス

シルヴィ・ギエム


◆上演時間◆
「イン・ザ・ミドル...」「ドリーム・タイム」 19:00 -19:50
「テクネ」「デュオ2015」「ヒア・アンド・アフター」 20:05 -21:10
「バイ」  21:30 -21:55
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« すけきよみち@ディズニーシー | トップ | 12月18日メモ »

コメントを投稿