きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「マラーホフの贈り物」Aプロ

2010年05月19日 | バレエ・ダンス
‐第1部‐
「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」
振付:クリスティアン・シュプック、音楽:ジョアッキーノ・ロッシーニ
エリサ・カリッロ・カブレラ、ミハイル・カニスキン

この作品は好きだけど、
ガラのAプロのトップに持ってくるべきなのか?
真面目に踊っているとこをちゃんと見てないと
ギャップに面白味が出ないと思うんだなー。
まあ、あとの作品を見るとここにいれるしかなかったんだろうけど。

二人ともいいんだけど、
ロパートキナ&コルプで見た後だとなあ・・・

振り回されるカブレラは
声も出していた。(悲鳴みたいなかんじで)
潔い。
最後は紙吹雪じゃなくて、紙笛ピーヒョロロ。
カニスキンは端正な踊り。


「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン、音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ、ウラジーミル・マラーホフ

白い白い世界。
美しかった。
ポリーナの衣装はゴテゴテしすぎじゃないかな。
もっとすっきりさせてもいい気がする。
マラーホフは持ち味発揮。


「ボリショイに捧ぐ」
振付:ジョン・クランコ、音楽:アレクサンドル・グラズノフ
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメイカー

「ボリショイのアクロバット的なリフト」がメインらしい。
この場合のボリショイはグリゴロってことだね。
二人とも、難しい技を見事に決めていました。
アイシュヴァルトはこういう技術系のイメージはあまり無いんだけど
無理なく美しく決めていました。
ラドメイカーは、だいぶごつくなった。
前はさらさらの美少年風味が残っていたのになあ・・・
でも、できあがった身体の線は適度に強く、
なおかつ綺麗なラインだった。
いい育ち方だ。


「アレクサンダー大王」
振付:ロナルド・ザコヴィッチ、音楽:ハンス・ジマー
エリサ・カリッロ・カブレラ、レオナルド・ヤコヴィーナ

バレフェスでポリーナ&フォーゲルで見たときは
女将軍と小姓のようでもあり
(健康的すぎて)カルバン・クラインあたりの下着の広告のようでもあった。
今回の二人は、覇王とその恋人にちゃんと見えた。
濃厚で官能的だった。


「コッペリア」よりパ・ド・ドゥ
振付:アルチュール・サン=レオン、音楽:レオ・ドリーブ
ヤーナ・サレンコ、ディヌ・タマズラカル

サレンコは地味だなあ・・・
タマズラカルは、ジャンプしても足音が殆ど無いけど
キレがものすごくあって良い。



‐第2部‐
「仮面舞踏会」より"四季"
振付:ウラジーミル・マラーホフ 音楽:ジュゼッペ・ヴェルディ
冬:上野水香
  長瀬直義、宮本祐宜、梅澤紘貴、柄本弾
春:吉岡美佳、柄本武尊
夏:ポリーナ・セミオノワ、ウラジーミル・マラーホフ
秋:田中結子、松下裕次
ほか東京バレエ団

(マラーホフへ)、君は踊るだけでいいんだ。
と、心の中で語りかける。
もしかして、全幕で見れば、面白いのかなあ。

水香ちゃんは、サバサバしているところが魅力だと思うのに
なんで「可愛い」とか「コケティッシュ」とか
そっち系を踊らせるのかなあ。

男4人の踊り(の振付)は、
さすが見せ方が上手いと思ったけど
あとは、あんまり・・・

田中さんの踊りは好きだな。
松下くんは、すごくいい。
彼独特の「間」とか「タメ」が出てきたと思う。

しかし、衣装が東バに似合わなすぎ・・・。



‐第3部‐
「カラヴァッジオ」よりパ・ド・ドゥ(第2幕より)
振付:マウロ・ビゴンゼッティ、音楽:ブルーノ・モレッティ(クラウディオ・モンテヴェルディより)
ウラジーミル・マラーホフ、レオナルド・ヤコヴィーナ

「カラヴァッジオ」の絵のどれかをモチーフにしているらしいけど
よくわからない。
見たかんじは、
 
 欠けている魂を補い合おうとする二人

かな。
埋め合おうとするけれど、
それは融合ではなく、
同一にはなれない二人、かな。

マラーホフが、こういう男二人の踊りってのは
ありそうで無かったな。
チュチュを着た女性と踊るより合っているかも。
プルーストとか踊ったら面白そうだな。


「ゼンツァーノの花祭り」
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル、音楽:エドヴァルド・ヘルステッド
ヤーナ・サレンコ、ディヌ・タマズラカル

サレンコはやっぱり地味。
でもタマズラカルが素晴らしかった。
これぞブルノンヴィル!って動きだった。
堪能した。


「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー、音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメイカー

さすがシュツットガルト・バレエ団。
とてもドラマティックだった。
なにがいいって、
アルマンが若造なところだ。
ノイマイヤー版にしろアシュトン版にしろ
リアルでこんなに若いアルマンを見たのは初めてかも。
若い男の真っ直ぐな情熱(と、若さ故の冷酷さとか潔癖さとか)って
こんなかんじなのかー、と思いながら見てました。
アイシュヴァルトって、パッと見は地味なのに
踊り出すと艶やかなんだよねえ。


「トランスパレンテ」
振付:ロナルド・ザコヴィッチ、音楽:アルシャク・ガルミヤン、マリーザ
ベアトリス・クノップ、ミハイル・カニスキン

ポルトガルの音楽らしい。
俗っぽい言い方をすると、
スパニッシュなメロドラマ風味。
でも、それゆえ、わかりやすく、面白い。


「瀕死の白鳥」
振付:マウロ・デ・キャンディア、音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウラジーミル・マラーホフ

手首をキュッと曲げて、など、
本人が白鳥になるのではなく
身体や動きで白鳥を表現していた。
これはこれでいいけれど。
フォーキンって天才なんだなあ、としみじみ。


カーテンコールは、バヤ幻影の場の最後の方の音楽で。
マラーホフの連続ジュテが素晴らしかった。
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