きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「砂漠でサーモンフィッシング」

2012年12月18日 | 映画
英国漁業省に勤めるジョーンズ博士の元に
一通の届いた。
「イエメンの富豪が、
 国でサーモンフィッシングをしたいと望んでいる。
 この事業の成功の可能性は?」
差出人は投資コンサルタントのハリエット。
富豪の英国内の財産管理を請け負っている彼女は
依頼人の希望を叶えたいが
博士は不可能だと一蹴。

しかし「英国とアラブのグッドニュース」を必要とする英国政府は
この計画をバックアップすることになり、
政府広報官のパトリシアは漁業省に圧力をかける。
果たして、プロジェクトの行方は?


とても面白かった!
ちょいとブラックなブリティッシュジョークの切れ味がシャープ。
脚本も演出も良く、
話のテンポと映像の切り替え方がとても好み。

後半で
鮭がーっ!と、なったときは
心臓がバクバクしちゃったよ!

様々な人の思惑が交差する。
オイルダラーの気まぐれな遊びに見えて
実は次世代へのためのプロジェクトであること。
それが周囲に浸透しないどころか
西欧化を進める裏切り者だと責められる。
博士は最悪ではないが愛情からは離れた夫婦関係に悩み、
投資家は「付き合って3週間」の恋人の死にショックを受ける。
オイルダラーの言葉にもあるように
「イスラム教徒、キリスト教徒、無神論者」
いろんな立場を乗り越えた人の協力によるプロジェクトは
無惨な結果となった。
ように、思えたけど・・・。
最後に残る「希望」がとても良かった。
小さいことからコツコツと、じゃないけれど
「上からの強制」ではなく、
お互いの顔が見える位置で力を合わせていけば
今の地球上の争いも無くなるんじゃないかな、
と、そこまで見据えたメッセージに思えた。

と、しみじみしてたら
最後に小ネタ風味のオチが来た。
こういう終わり方、好きだわ!


役者陣も素晴らしく良い。
ユアンが、さえなくて不器用な学者が
とても似合ってウハウハだった。
それにも増してアラブの富豪がイケメンすぎてクラクラした。
出番の少ない大尉さんもハンサムで、
なんて俺得映画。
エミリー・ブラントも美人だけど
なんといっても、クリスティン・スコット・トーマスの
強烈キャラの政府広報官が秀逸。
目端が利く遣り手で行動力のあるおばさんは大好きだよ。
リアルに英国にああいう人がいたら
世界情勢は変わりそうだよなあ。

役所内と投資会社のインテリアの違いも面白かった。

まあ、なんだ。
趣味の繋がりは、思想も信仰も人種も越えられるんだな。


不倫カップルが結ばれることについて
批判がかなりあるようだけど、
片方はすでに恋愛は終わっているようなもので
(「これで当面は満足ね」って、
 もうすでに恋愛状態は終わっているんじゃないかなあ。
 相手には相談せずに一人で決めて
 でも相手には愛されていると思いこんで
 自分からは妥協しない人を
 異性としてあの先も愛していけたとは考えられない)
片方は知り合って3週間というのが
後ろめたさという足枷と
それを外してもいいんじゃないかなー、
という気持ちの両方を持たせていると思うな。
私が甘すぎ・夢見すぎなのかな。


それにしても、ユアンは今年4本だ。
なにゆえ~。
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