きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「孤島の王」

2012年05月02日 | 映画
かつてノルウェーに実在した
不良少年用の更正施設が舞台。
お話は1900年代前半ぐらい?
孤島に建てられた施設は
キリスト教の理念に基づいて設立されているみたい。
今でいう公益法人のような形?
理事達がいて、理事達の選任のも元に院長がいて
院長がその下の職員を雇用しているのかな。
刑務所に送るほどでもない罪の少年達を
キリスト教の教えによって更正させるのが目的みたい。
そこを出る(卒院)には理事達の許可がいる。

船員だった少年が、おそらく戦場で暴力沙汰をおこし
この島に送られてくる。
反抗心に溢れる彼は、脱走を計画する。
6年この島にいて、そろそろ卒院の少年は
彼が騒ぎを起こさないで欲しいと願う。
そんなとき寮長の虐待が問題になり・・・

島の空気が映画館の中まで届くようだった。
寒い。凍てつく大気。
雪がちらつく中、あの服装って私なら死ぬわ。
ごくごく一部の職員以外は
「善意」に基づいて行動しているため
暴力行為が日常的というわけでは全くない。
それなのに、なんともいえない閉塞感があり、
少年達が勤労にいそしんでいるだけなのに
見ているこちらもジワジワ追いつめられていく。

ついにはその気持ちが爆発する。
やったれーーっ!!と喝采の気持ちが沸くけど
しょせんは子供の行動なんだよね。

そして、くだんの船員と卒院間近の少年は
手に手を取って・・・

絶望と希望が入り混じる。
そのものずばりの暴力場面は殆ど無い。
緊張感・緊迫感が常にあり
最後までぐいぐい引きつけられた。
陰鬱だけど良作。
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