きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「夜会Vol.11 ウィンター・ガーデン」中島みゆき

2000年12月07日 | ライブ・コンサート・音楽・トークショー
 コンサートというよりは、まさに朗読劇。朗読する詩に、たまにメロディーがつくというカンジ?しかも主演は谷山浩子。みゆきのコンサートを期待していったらハズレかも。
 しかし、朗読用の詩の方が、みゆきの言いたいことが伝わってきたような気がした。この数年の夜会の中ではかなり良い。当たり。やっぱ歌にすると難しい部分があるじゃないですか?詩の長さ揃えるとか。メロディーも普通起承転結にしなきゃいけないでしょ。2フレーズ繰り返して、転調してとか。その規制がないぶん、素直に伝えたいことが伝わってくる。最涯ての土地の物語が浮かび上がってくる。詩もみゆきらしい。初心者にはキツいかもしれないけど。「かたりのいえでかたりのおんなが」の「かたり」を「語り」でなく「騙り」という文字が思い浮かぶ?「はくとから手紙を書きます」の「はくと」。ちゃんと「白都」と当てはめられますか?これができないとわかりづらいかも。ま、この道十数年の私と友人はバッチリだったがね。
 そして浩子さん!もう浩子さんってば声が若い!演技もメチャクチャうまい!!最近の夜会が今ひとつだったのは、みゆきの言いたいことが、みゆきの芝居方法や技術では伝わらなかったんだと実感した。なんというのかな、透明感のある声で一途な女(でもドロドロの情念込み)の気持ちが伝わってくるの。女は姉の夫をずっと好きで、北の涯てに家を買って彼を待つの。みゆきだと姉を裏切って不倫して、堕胎も1回や2回やってそうな女になるけど、浩子さんだと逆に自分の思い込みだけでやってそう。それがかわいくて切ないの。でもバカとは思えないのよ。これは会場で見たから「良かったわ~」ですんだが、家でビデオで見たら泣くかもな。
 しかし、北の国という設定でなんとなく宮沢賢治の「どっどど どどうど」を思い出すし、最後のオチは「ヤコブの階段」。空から差し込む光。こ、これはもしかして「光のオルガン」?私(達)の好きなミュージシャンは結局同じところを目指しているのか。みゆきと卓治。一見何の繋がりがないのにね。
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