きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「名探偵ポワロ(ブラックコーヒー)」

2010年10月06日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)
英国の屋敷にて、
金持ちの科学者が殺された。
ほぼ密室の中、部屋には、
彼に関係する数人がいた。
果たして犯人は誰なのか。
ポワロの「灰色の脳細胞」が動き出す。


推理劇は難しいもので、
小説だと、伏線を読み直して
「なるほど!」と思うけど
芝居は、元には戻れない。
かといって、伏線をあからさまにしすぎると
犯人がすぐにわかってしまう。
伏線を明示しつつ、
クライマックスで犯人を明かそうとなると
かなり緻密な演出が必要となる。
加えて、説明に聞こえない説明台詞を
観客の頭の中に入れるためには
明確な発音で演技することが役者に求められる。

そういった意味では、
この芝居はかなり成功している。
そうか!確かにそうだったよ!
と思うことが
すんなり甦ってくる。
犯人も、そうか!と思うけど
こじつけでもなんでもなく、
ちゃんと彼に辿り着く道は
後から考えればちゃんとあった。
見えているのに気が付かなかっただけだった。
やられたなあ。

ポワロは三波豊和。
ゆで卵ハゲではない。
ない、けど。
彼は確かにポワロだった。
私が小説で読んで想像していたポワロに
かなりかなり近かった。
そして、台詞回しが実に鮮やかだった。
開口法なんて不自然な発声じゃなくても
一音一音綺麗に聞こえる台詞術ってあるもんなんだよね。
聞いてて心地よく、
それでいて状況が頭にたたき込まれていく。

ヒロインはかしげちゃん。
美人だけど、、、ちょっと芝居のパターンが
固定されちゃったかなあ。
次にどういう演技をするのか想像できる。
リカちゃん、推理劇のストプレはどうだろう、
と妄想しながら見てました。

榛名さんは、やっぱり上手い。
おしゃべりでお節介の英国婆。
クリスティにはよく出てくるタイプ。
「マウストラップ」の時は威厳のある婦人とは
まったく違う人だった。
んで、今回気が付いたけど
やっぱり背が高いのかなあ。

内海くんは、カーテンコールの時のポーズのラインが
どえらく綺麗だった。
本編の芝居も上手い。


騙される快感。
いいねえ。
コメント
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