ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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韓国史劇風小説「天皇の母」132(フィクションへようこそ)

2013-10-09 10:47:37 | 小説「天皇の母」121-140

皇太子妃の出産が秒読みになってきたのに、皇居の中はなぜかどんよりと

した空気が漂っていた。

日々、公務に忙しく余計な事に構っている暇がない。

皇太子妃が懐妊したといっても、それで天皇や皇后の公務に支障がでるわけではない。

殊更に喜びを表現するのもどうかと思い。それぞれに「体を大事に」とコメントを

発表させた。

それも宮内庁の判断で、「黙っていると皇太子妃バッシングしていると言われる」という

助言があったからだ。

しかし、そんなコメントを(異例にも)出しても、相変わらずマスコミは「両陛下は冷たい」と

報道し続けている。

先日の夕食会でのマサコの勝ち誇ったような態度。あれを思い出すだけでも天皇は

胸が痛くなる思いだった。

本音としては男子を産んで欲しい。皇統の危機を迎えている今、頼りは皇太子妃の

出産だった。

天皇はふと思う。亡き皇太后は自分が生まれるまでどのような思いで出産を

繰り返していたろうかと。

皇太后が産んだのは4人の皇女。確か誰かに「また女か。皇后は女腹なのだ」とまで

言われたとか。その時、どんなに辛い思いをしたろう。

今、自分が天皇になり、ひたすら世継ぎの誕生を願う立場になって、母の気持ちを思うと

やりきれなくなる一方で、それでも「世継ぎ」を望む自分に罪悪感を感じる。

なぜ皇室は男系男子でなければならないのか。

その理由はわかっている。それが「伝統」だからだ。もし、男系男子でなくなったら

それはもう「皇室」でも「天皇家」でもない。「天皇」の一番の価値はその血筋にある事。

天照大神以来の遺伝子にあるという事だ。

いくら世の中が民主主義になろうとも、ジェンダーフリーになろうとも、男系男子というのは

思想やイデオロギーに関係なく継がれていくべきものなのだ。

それはわかっている。わかっているが、その為にどれだけ多くの人が苦しみ、傷ついて

来た事か。皇后はたまたま大子が男子だったおかげで、そのようなものとは無縁だった。

それだけが救いだった。

しかし、孫の代になってまたも「世継ぎ不在」の苦しみがやってくるとは・・・・・

側室制度がない今、とにかく正妃が産まなくてはならない。そのプレッシャーは

戦前や明治以前より厳しいだろう。

皇太子妃は7年もの間、懐妊しなかった。今思えば、そういう事を踏まえて妃選びを

するべきだったと思う。

せめてマコが男だったら、こんなに大げさに苦しまなくてもよかったのかもしれない。

いや、どう考えたってアキシノノミヤの方が若いし、不妊でもないのだから、

こちらに希望を託するのが筋だと思う。

けれど・・・・

カコちゃん懐妊の時、キコは随分バッシングされました。可哀想でしたわ」

皇后はそう言った。

皇太子妃より弟宮妃の方が先に男子を産んだら、きっとマサコ妃は傷つきます。

そしたらマスコミは何を言いだすか。どのようなバッシングをするか。それを思うと」

だが、皇后の本音はそこにあるのではないような気がした。

「私がマサコの立場だったら・・・多分、傷つくと思います」

そこなのだ。皇后は常に人の立場になって物事を考える。それは素晴らしい事だ。

しかし、自分が民間初の皇太子妃だった事にどこかでコンプレックスを抱いている。

ゆえに今まで完璧なまでの自分を演出してきたのだ。

その昔の自分と今のマサコを写し絵のように感じているのではないか。

天皇にはそれがわかっているので、強い事が言えないのだった。

皇太子妃になった頃、皇后を始め、皇族や旧皇族、華族から散々苛められ、認めて

貰えなかった事。それは「血筋」という目に見えない、努力のしようがないものであった

事に彼女は大きく傷ついた。

アイデンテティを総崩れにされる程に。

しかし、アキシノノミヤ妃とても皇后にとっては同じな筈なのに。

どういうわけかキコにはそれほど気を遣うそぶりは見えない。

長居付き合いとして甘えているのか、それとも「皇太子妃」と「宮妃」では立場が違うと

思っているのか、はたまた学習院育ちのキコにどこか別な感情を持っているのか。

 

とにかく皇后にとって皇太子はアキレスのかかとのようなもの。

あの子が生まれなかったら、華やかな「ミチコ妃伝説」は生まれなかったのだ。

だから、男子を得るのはアキシノノミヤではない。皇太子でなくてはならないのだ。

しかし・・・・天皇はため息をついた。

何かというと「権利」「人権」を主張する皇太子夫妻に男子が生まれて、将来の天皇と

して教育できるのだろうか。

マサコは皇族をかつての王国の権力者程度にしか考えていない。いくら教え諭しても

「祭祀王」である事を理解しない。そのような所に皇子が生まれて、帝王学が授けられる

のだろうか。

天皇は祈った。天照大神よ。どうか男子を授けたまえ。皇太子夫妻がなんと言おうとも

代々続く祭祀王としての責務は必ず受け継がせよう。

 

11月27日。最後の健診に皇太子は付き添った。結果的に皇太子は全ての健診に

付き添った事になる。

東宮御所にはユミコが来ていた。出産のときには一緒に病院に入りたいと主張していた。

東宮職も宮内庁自体も、いい顔をせず。それゆえに、ユミコは嫌がらせのように毎日

東宮御所に詰めていたのだ。

11月30日。アキシノノミヤの誕生日。一斉に記者会見の様子が流れる。

まさにその日、皇太子妃は宮内庁病院に入院した。

陣痛が始まったのか、それとも大事をとってなのか、はたまた帝王切開による

分娩の為だったか、それはさだかではない。

しかし翌日12月1日、午後2時43分。内親王が誕生した。

陣痛が始まってから2時間後の事だった。

 

 

 


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19 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (主婦)
2013-10-09 14:19:19
次回は、あの剣の事件が、、、??

ふぶき様、いつも、ブログアップ
お疲れ様でございます。
読み応えのある、物語?!をありがとうございます。
御身体、御無理なさらなず、、、長く、続けて下さいませ。
登場人物の描写が、素晴らしいです。
漸く (千菊丸)
2013-10-09 14:49:38
愛子様ご誕生。
これから、雅子さまの暴走に拍車がかかりそうな気がいたします。

当たり屋? (はる)
2013-10-09 15:04:57
秋篠宮さまのお誕生日の日に入院とは、これも当たり屋? って思ってしまいます。

高齢初産なのに2時間の陣痛で出産とは…超安産ですよね。
なんか信じられない。
私は本当に雅子さんが出産したのかどうか、今でも疑っています。
確かに愛子さんは両親に似ているので、精子も卵子も親のものだと思います。
けれど、妊娠8ヶ月ぐらいの頃、東宮御所前に出てきた雅子さんのお腹…なんか不自然に見えたのです。
座布団を折りたたんでお腹に入れたような感じで、違和感を感じました。
そして、出産に先立ち入院する時も笑顔でお手振り。
初産の緊張感もない感じでした。そして上記の通り2時間の陣痛で出産。高齢初産でもこういう人もいるのかもしれませんが、雅子さんの場合はなんか疑わしい。
それに、こんなに安産ならもう一人すぐに産もうかな?とも思いそうなのに一人で終わり。
(男子の後継ぎが必要なのに)

こんなこと疑っているのは私だけでしょうか?
Unknown (パープルフラワー)
2013-10-09 15:56:05
ふぶき様 

初めてコメントさせていただきます。
「天皇の母」を知って以来、ほぼ毎日訪問しています。いろいろお忙しいでしょうに、更新お疲れ様です。
私はある地方都市に住んでいます。子どもの頃は皇室アルバムを母と一緒に見ていました。
この時の、悠々と流れる皇室の有り様が変わるなどと想像したこともありませんでした。

なかなか結婚が決まらなかった皇太子殿下。お妃候補の話題も地方にいては、関係ないことでした。
やっと決まった婚約内定会見で雅子さんを見た時「へぇ~ さすが皇室に入る人は違うね~」と思いました。何だか、紀子妃殿下をテレビで初めて拝見した時と違う感じがしました。

まず、まだ皇族でもないのにあの格好はないですね。それに長くしゃべって。違和感はそこにあったのかもしれません。

女性週刊誌も読む機会もありませんでした。まさか皇室がこんなに破壊されているとは思いもしませんでした。
私が「皇太子、変じゃない?」と気がついたのは、いじめ会見でした。
それから、東宮一家に関心が高くなりました。
今でも私の周りで皇室の話題があがることはありません。

これまで、フィクションといえども数々のオワダ一家のはしたなさに辟易していましたが、今回の132話のユミコのずうずうしさに、思わず出てきてしまいました。

他の皆様が賞賛されていますように、本当にふぶき様の文章はすばらしいと思います。
これからも期待しています。

最後に、季節の変わり目です。お身体を大切になさってくださいね。
恐れながら陛下、こんなときになんでございますが (ゆきんこ)
2013-10-09 16:10:30
「天照大神以来」でなく、「神武天皇以来」でございませんでしょうか?

天照大神は女神でございます。

>11月30日。アキシノノミヤの誕生日。一斉に記者会見の様子が流れる。
まさにその日、皇太子妃は宮内庁病院に入院した。
(略)それはさだかではない

まさか、こんなとき(初産)に、
アキシノミヤ殿下のお誕生日を目立たないようにさせてやる、
などとというお考えは、いくら何でもなさらない
と思いますが。
2時間後? (ひろこ)
2013-10-09 16:42:25
毎週、いつUPされるのかと心待ちにしております。

フィクションとはいえ、とても現実感に溢れ、時々、我が身も宮廷に引き込まれます。

「内親王が誕生した。陣痛が始まってから2時間後の事だった」

あのーーたった2時間後ですか?

皇太子妃にとって初産ですよね?

下々の私など初産は半日、二人目が二時間位でした。

何か納得いきませんが、人それぞれですし、兎に角元来丈夫な方だと思う事にします。



私も??? (mituba)
2013-10-09 17:40:03
まだ超~なんて言葉は使わなかったけどあの頃はーー。
私もママともたち(けっこう高齢で時間かかった方ほとんどなんです。そうそう2回目からならわかるんですけど、よくいうでしょ障子のーーが見えなくなるとかーー。深く同意です。あり得んとおもうております。女達は知ってるよーー。あのお手振り入院はあり得ないって。妹さん替え玉説は都市伝説としてあります。帝王切開ならありえる??
きこさまに制限をかけたとか、一転してやれ望みたいーー。ひどいっておもいました。ひさひとさまの警備を厚くして欲しいです。
出産は命にかかわることもあるのです。きこさま帝王切開
決断されましたがそれに対しても非難があったとか、ひどいものです。
Unknown (ふぶき)
2013-10-09 19:18:40
>主婦様
はい。次回はいよいよ・・・ここが彼女にとって絶頂だったかも。

>千菊丸さま
はい。いよいよ暴走状態に。スピードアップしますよ。

>パープルフラワーさま
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
私もまさか、こんな風になるとは思ってもいませんでした。「いじめ会見」の時なんて唖然茫然でしたもの。ひどい世の中になったものですね。これからもよろしくお願います。

>ゆきんこさま
すみません。神武天皇と書き直した方がいいかしら?アマテラスの子孫という意味だったのですが。
わかりにくいかな?
考えてみると30日に笑顔で入院したんですよねーー

>ひろこさま
本当に自然分娩だったのかというのは、当時の週刊誌でも疑問を呈されていましたね。

>mitubaさま
帝王切開が一番納得できるかも。
失礼しました (ゆきんこ)
2013-10-09 19:53:04
そういう意味ならわかります。

30日に笑顔で入院、
予定帝王切開だったと思います。
それは、全然問題ない、硬膜外麻酔とか帝王切開にあれこれいうのは日本人の数少ない短所だと思います。

問題はもっと他にあります。嫌がらせユミコとか。
私も (どん)
2013-10-09 20:37:56
私もひろこさま同様いつも楽しみに待っております。

確かに初産にしてはおなか小さいしマタ二テイも着てませんでしたよね。おそらく帝王切開でしょう。

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