陋巷にさまよう (野を拓く 第2部)

プアなわが道とこの世を嗤笑するブログ

核兵器なき世界?

2009-09-26 17:35:35 | Weblog
国連安保理で「核兵器なき世界」を目指す決議を全会一致で採択したそうな。
悪い話ではないけれど、
核に限らず、軍縮のハナシや決議なんぞ、100年前から繰り返されているが、
なあ~んにも実行されておりませんがのう。

単純素朴な疑問。
オバマが核廃絶をリードしたいなら、先ず米国自身が持てる全ての核を廃棄したらどうなの?
- それは核保有国が話し合って? 現実的にボチボチと?
そんなことを言ってると、お題目で終わりますゾ。
勿論、お題目なんぞ承知の上なんだろうけど。

過日の国連で、カダフィが演説した様に、
安保理なんて、常任理事国が自身の権益を確保し、他国に制約を押しつけるだけの差別的な存在、
というのは一理ありますぞ。
いや、一理どころか、第二次世界大戦の戦勝国による戦勝国のための枠組みが、
その後何も変わっていないのだから、カダフィの主張が正しい。

オバマが、「平和利用目的の核開発」というイランに対し、
軍事行動を含め「すべての選択肢を排除しない」な~んて脅しをかけることがその典型。
ジブンの核開発は良いが、気に入らない国の開発は認めないという論理。
イラクやイランはダメで、イスラエルはいいんだって。
インドやパキスタンは核を持ってしまったから暗黙のうちに了解し、これからの開発はダメなんだって。

カダフィは、1時間半の演説の中で、
手にしていた国連憲章の小冊子を破って、ポイと捨てるパフォーマンス。
ハクシュ! わ~い、わ~い!
演説の内容も面白かったね。曰く、
「安保理は『テロ理事会』である」
「常任理事国5カ国が持つ拒否権は廃止すべき」

うん、この辺まではまっとう。

「ケネディ暗殺の黒幕はイスラエルだ」

あれ? だんだんと気配がおかしくなってきたぞ。

「タリバーンに、バチカン市国のような「イスラム首長国」の樹立が認められるべき」
「オバマ氏が永遠に米大統領に留まってくれたらうれしい」

らしいと言えば、あいつらしいねぇ。
途中で止めておけば、一定の支持は得られるだろうにねぇ。
しかし、カダフィもトシをとりましたなあ。
トシをとると、周囲の議論が青臭く見えるんでしょうなあ。
あの王政をひっくり返したときの、彼らなりの理想を追ったカダフィ。
政権を一手に握った後、狂人・狂犬と称されたカダフィ(今も同じ?)。
そして、トシをとって、グチるだけのカダフィ。

面白いものですのう。
長期の権力は、人間をダメにしますなあ。
やはり、人間、引き際が肝心ですゾ。
青年将校として王政をひっくり返したときに引くべきでありましたなあ。
さすれば、永遠の英雄になったものを。
ねぇ、カダフィさんや。
ワタシなんぞ、権力も財力も、何ぁ~んにも持たないプアだから、かえってよく見える。

ハナシが大きくそれた。
ムカシから思うのだが、
環境をテーゼとする環境省は、まさか、冷暖房や公用車を使っていないでしょうな?
原発反対を叫ぶ人は、まさか、自宅で電気を使ってはいないでしょうな?
他人や他国に要求する場合、まさかジブンのことを棚にあげて、
もっともらしいことを言ってるんじゃあないでしょうな?
自分はやらないで人に要求するのは、
偽善者か、何かふくむところがあるんだろうと疑われても仕方がない。
理想と現実を使いわけるヤカラには注意しないといけない。

オバマはホントウは何を考えているのか?
何を意図しているのか?
中国なんぞ、そう考えているのに相違ない。
中国は軍縮や核廃絶なんて全く考えていないんだから、
回りを見ながら、とりあえず口先だけあわせておこうと。
それはそうだよね。
言いだしっぺの意図が見えないんだから。
まさか、理想論で世界が動くと思ってんの? と。
力の論理、軍事力で世界を牛耳ってきたのが、正に米国じゃあないの? と。

ホントウに核廃絶を目指すなら、先ず米国がお手本を見せるべき。
できますか?
実行したら、米国はもはや米国でなくなってしまうけどね。
それを軍産複合体が許容しますかね?
軍産複合体を押さえ込み、米国のパワーの源泉を自ら放棄し、
その結果、米国の富が流出し、市民生活が疲弊する道を選択できますか?
パワーで成り立っている国が、自らパワーを放棄するのなら、
それは絶賛でござりまするよ。
コメント
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