陋巷にさまよう (野を拓く 第2部)

プアなわが道とこの世を嗤笑するブログ

プア7-(2) 用語の使い方

2009-09-12 16:20:34 | Weblog
ひょんなことで、著作権に関するあるブログを見た。
『さる新聞の著作権侵害に関する記事に「無断引用」という用語が使われていたが、
新聞社が「無断引用」なんて用語を使うのはもってのほか』、という内容。

おっしゃるとおり。
法的には、「引用」とは要件を満たした使い方を指し、要件を満たしていないものは引用とは言わない。
従って、「無断引用」は矛盾した表現であり、そんな用語はない。
ただ、その世界の人を除くと、そうした区別をしている者はいないのが現実。
結果として、おかしな、しかし一般的に理解をえやすい用語を用いたのだろう。
そうだとすれば、上の新聞の場合は許容範囲だと思うけどね。
(記者も校正担当も、それを承知で敢えてそう表現したワケではないと思うけど。)
誰でも、自分の専門以外の世界では、似た様な状態だと思いますよ。
この辺りが面白い反面、変な理解や誤解を生むことにも繋がる。

しかし、専門分野ではない、一般常識や日常の世界の用語となると、話は別。
キチンとした用語を使うか、さもなくば註釈をつけて欲しいもの。
ワタシは、プア+アホ+能(脳?)ナシだが、
新聞などを読んで、いつも感じることを例にあげる。

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【例1】 中国の外務大臣が@@@した。
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中国でも、韓国でも、ロシアでも、フランスでも同じことだが、
え? 中国に「大臣」がいるの? とドキッとする。
そりゃあ、Minister に相当する人物はいる。中国の場合は「外交部長」がそれ。
けれど、それは 大臣 ではない。
大臣とは、皇帝なり、王様の家来の中の大いなる者をいう。
元々は字のとおり「おおおみ」。
日本には、天皇がいるから大臣だけれど、
そういう者がいない国(共和国など)に、大臣がいるハズがない。

「バカだね。それは閣僚の意味で使っているんだよ」との指摘があるだろう。
じゃあ、同じ新聞でも、米国の場合だと「長官」と表現している。国務長官、財務長官など。
Minister を「大臣」と訳すなら、米国も大臣と表現すべきでは?
それがてんでバラバラだからおかしくなる。

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【例2】 中国の@@首相が@@@した。
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例1と同じだが、「首相」も同様。
首相とは、日本では内閣の首席の大臣。内閣総理大臣。
しかし、「相」も本来、家来の意。
皇帝や王の家来のトップが首相。
皇帝や王がいない国の首座の人を首相というのはおかしい。
中国現地では何と表現するか?
- 確か、国務院「総理」

国ごとに制度や呼び名は違うから、様々な表現が飛び交うため、
通称なり普通名詞として使う用語が必要であることは理解できるが、
共和国などに対して「首相」は適当ではない。
というより、用語として間違っている。


これらの用語は、世間で、特に新聞などのマスコミで使われていると慣れてしまい、
また新聞で使っているから正しいんだと思ってしまう。
つまり、言葉の感覚がマヒし、狂ってしまう。
言葉は時代と共に変化するとはいえ、
日常使う用語に対しては、マスコミは厳格に臨んでもらいたいもの。
記者も校正者も編集者も、もっと一般常識を踏まえないといけないね。
そうでないと、国民がアホになってしまいますぞ。
ワタシの様に。
何? もうなってしまっているから、今さら無意味だって?
え? アホの方がゴタゴタ言われないから都合がいいんだって?
コメント
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