みなさん、こんにちは。
製薬会社は「相対」リスク低下の数値をチラシなどによく使用する。
30%のイベントリスク低下です、というように。
もちろんそれは正しい。
しかし、担当医が行うべき作業は、これを絶対リスクに解釈し、個別医療を行うことなのだ。
一方、今回のケースのA子さんは、生来健康で、高血圧・喫煙・糖尿病なし、冠動脈疾患家族歴なしという低リスク群である。
一般に、リスクの連続値で集団の分布をみた場合には、正規分布することは少ない。
横軸をイベントのリスクとすると、向かって右がロングテールの左(陽性の歪度の)偏りの分布となる。
すなわち、実際の大部分の人々のリスクは平均(mean)より低く、3%未満となるのである(図1)。
図1:レイク・オベゴン(Lake Wobegon)効果
このように、実際の人々のリスク分布の偏りによるバイアスを、レイク・オベゴン(Lake Wobegon)効果と呼ぶ。
米国の中西部のLake Wobegon町の住民は「男性は強く、女性は美しく、子供たちの成績は全米平均以上」であり、平均で評価することのバイアスを示している。
式で示すと、
「median(順番で50%の値)<mean」
となる。
大部分の人々(>50%)は元々のリスク(3%)より低くなるのだ。
実際、文献1の研究での、LDL-コレステロール値の平均は160 (mg/dl)であり、A子さんの LDL-コレステロール値150 より高い。
群星沖縄臨床研修センターのホームページです。沖縄の基幹型8研修病院での研修医教育に貢献しています。
マンガ「群星沖縄臨床研修センターとは?」が出ました。これで群星沖縄のすべてがわかる。毎月更新されますので、是非ご覧下さい。
一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。
徳田安春・公式ツイッター
https://mobile.twitter.com/yasuharutokuda
健康や医学についてのファクトと徳田安春の個人的意見をお伝えします。
好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2019」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。
健康と平和について発信する英語版ブログをスタートしました。「Wellness and Peace and Okinawa」 長寿研究で有名なDavid Itokazu先生との共同作業ブログです。
徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。
科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。☆まぐまぐ大賞2018のジャンル別賞の健康部門5位に決定しました。
「こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。