やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】39 ~⑽ 「神道」をどう描いている(いない)のか?<その2>~

2016年12月25日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

現在の状況

 

・日本の神社と寺の数

 神社は8万8000社以上で、有人神社(神職者が常駐している神社)は2万社ほど、寺は7万7000寺ほどらしい。ちなみに、キリスト教の教会は7000ほど。
 明治維新時の神社集約後は、神社と寺の数がほぼ同じになったようだ。


・初詣(はつもうで)の数

 成21(2009)年の警察発表で、「9939万人」。
 ※それほど厳密な調査ではなく、かつ、複数の神社を巡る人々もいるので、実数は減るだろうが、すごい人数。この年の総人口は1億2750万人ほど。

 つまり、現代日本人の半数をかなり超える人々が、《自分が神道の信者と意識している、いないにかかわらず》、また、《その濃淡にかかわらず》、「神社(神道)信仰」を行動で(事実で)表しているわけだ。

 仏教はいわゆる「葬式仏教」化の傾向が色濃くなりつつあるが、神道は生活化している(=結婚式、初詣、お宮参り・七五三、お祓い、いろいろな祈願、祭り・・・)と言える。

 

・国外の神社

 アメリカ合衆国のハワイ州に8社、ワシントン州に1社、パラオに2社、台湾に1社、サンマリノ共和国(欧州)に1社あるようだ。

・外国人観光客の「日本の歴史・伝統文化体験」

 <外国人観光客が日本を訪れる前に期待していること

 <日本の神社ってなんでこんなに美しいの!? 海外の反応

 

 欧米人の8~14%ほど、アジア人の2~3%ほどが「日本の歴史・伝統文化体験」をもっとも期待している、というデータがある。
 平均で3.2%。平成27(2015)年の外国人観光客の総数は約2千万人、その3%は60万人。この中のかなりの人々が神社や寺を訪れただろう。また、ツアーなどの一般的観光の場合も有名な神社仏閣がコースに入っているのでさらに多くなる。

 なお、私の地元の唐津神社(唐津くんちの主宰神社)の戸川宮司さんによると、近年外国人参拝者がとても増えてきたので、外国語説明書や通訳などが必要になっているそうだ。

 日本独自のあり方により、世界中の《歴史や伝統文化:人間の精神性や知性を大事に思う人々》を魅了している神社(や寺)。この傾向は年々増える観光客などによってさらに世界に広がっていくだろう。

 

 

 調べるほどに、日本人と日本文明にとって神道・神社信仰がいかに重要な存在であるかが分かってくる。

 日本人が外国人に《日本にしかない独特のもの》を教える場合、世界で一番長い歴史をもつ国なので実にたくさんの物事がある。
 そのなかでも、「神道」「神社」「祭祀王としての天皇制」は、絶対に欠かせない、第一にあげるべき精神的伝統文化であり、「日本の大黒柱」だと言える。

(※日本人のほんの一部や、中国・朝鮮・アメリカ人などの一部には、これらのことを忌み嫌っている人々もいるようだが、”客観的”には決して否定できない特質だ。)

 

~中学歴史教科書全体では、神道が直接・間接に言及されるのは、「文明と宗教」「飛鳥時代の仏教導入」「鎌倉時代の宗教」「江戸時代の国学・心学」「明治維新」「GHQによる日本占領時代(7年間)」のところ。
 また、調査の過程で、各社の巻末索引の掲載見出し語などが大きく違っていることに気づいた。
 そこで、それぞれについて比較と考察をおこなうことにする。~

 

<全リンク⇒> 神道< 3839/巻末索引40/文明と宗教414243/飛鳥4445/鎌倉・江戸4647/明治4849/・50/GHQ占領期51525354(神道の項:完)>