草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

『両親をしつけよう!』ピート・ジョンソン:作、岡本浜江:訳

2010年03月22日 | おすすめ本
ママ友が、お嬢さんが読まれていてがーん!
とブログに書いていらしたので
読んでみました。

タイトル、どっきり。

  『両親をしつけよう!』
  作:ピート・ジョンソン
  訳:岡本浜江
  絵:ささめやゆき
  文研じゅにべーる、2006年9月


イギリスのある街を舞台にしたお話です。

出版元から、あらすじを引用します。

 * * *

引っ越してきたところはルーイにとって最悪のところだった。学校にはへんな校長と先生がいて、家の近所は教育熱心な親ばかり。おかげでルーイの両親も「ガリ勉方式」にはまって、ルーイの生活に異常に干渉しはじめる!

 * * *

主人公の少年、ルーイは、お笑いタレントになりたいと
真剣に思っていて、
その夢を実現するために、あの手この手で
両親に反抗します。

やれやれ!ルーイ!!
両親のいうことをきいていると、勉強バカに
なっちゃうぞ!

・・・と、すっかり子どもの目線になって
読んでしまいました。

ルーイの夢を応援する立場の大人も、
事情を分かりつつ、子どもにだまされたフリをして
上手くまとまるよう、配慮するところがステキ。

この、子どもが大きくなる段階で
自分の意志で冒険をしでかして周りをハラハラさせる構図、
川端裕人さんの『川の名前』
にも通じるかも。これも大好きな小説です。


      


なんで子どもの目線で読んでしまったかって!?

だって、佐々木正美先生によると

  過干渉は虐待の一種

  早期教育は虐待


なんですもの。


拙ブログで紹介した
『知らずに子どもを傷つける親たち
-チャイルド・マルトリートメントの恐怖 』
伊藤 芳朗:著


では
親の過剰期待から教育熱心になりすぎて
当のお子さんが「燃え尽き」、
不登校から援助交際に走った事例があるのです。

高校生くらいまで
絵に描いたような完璧な優等生だったお嬢さん。
眉目秀麗、成績優秀、スポーツ万能。
でも、それを小学1年生からずっとつづけるのは
精神的に、相当しんどいそうです。


      



『両親をしつけよう!』にも、
ルーイの友達に、成績優秀で、ご両親が
大変に自慢にしているお子さんが出てきます。

そのご両親の過干渉ぶりと来たら、大変なもの!!
お子さんは1分たりとも、気が休まる暇がないのでは??
と思うくらいです。

作中で、この子、やはり、「燃え尽き」を起こして
成績がガクッと落ちた描写がありました。

ここを拾える読者はどのくらいいらっしゃるでしょうか?


3/23追記です:
主人公のルーイも、
両親の過干渉と価値観の一方的な押しつけという、
チャイルドマルトリートメントを受けています。

その部分の心理描写が秀逸。
子どもは、こんなにも、つらく、苦しいものなんだ・・!

「ありのまんま」の自分自身を、認めてもらえない
つまり、「承認」されない、苦しさ。
存在をも否定されているのに近い感覚。

そんな状況にあったら、誰だって
「生きる力」なんて、湧いてきっこない。

そういう意味でも、オトナたちにも
読んで欲しいな~・・。


この本、

■第53回青少年読書感想文コンクール課題図書
■全国学校図書館協議会選定図書
に指定されています。

指定なさった、日本のオトナも、素敵です♪


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
タイトルが秀逸 (TRK)
2010-03-23 15:36:01
こんにちは。私も前に読んだことがあります。面白い本ですよね^^
タイトルが秀逸!
これ、読んだその日の晩に怖い夢を見まして・・・実家の親が追いかけてくるので怖くて逃げるという・・。うちの親はずいぶんと干渉するヒトだったので、本の世界に浸りすぎてその頃のことを思い出しちゃったようです。


> 不登校から援助交際に走った事例があるのです

私は学生結婚したのですが、今思えば親に対する「必死の反抗」でした。ははは^^
Re:タイトルが秀逸 (猫紫紺)
2010-03-23 23:07:39
>TRKさん
コメントありがとうございます!
きっと、親なら誰もがどきっとする、タイトルですよね~!
TRKさんも主人公同様、干渉されていらしたのですか。夢でご覧になるとは、本の描写がよほど真に迫っていたのでしょうか。わたしも一時期、過干渉は経験あります。ヤ~ですよね。学生にもなって家出しましたもん。結婚も比較的早いほうでした。わははは^^;

「ははは^^」って笑い飛ばしていらっしゃるので、お幸せな結婚生活をなさっていらっしゃることと思います。
(酷い親になると、子どもの結婚生活にまで口を出すそうですから・・!くわばら、くわばら)

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