馬事公苑と工事

2020年12月30日 10時04分41秒 | コメディのかけら
東京五輪のために、
馬事公苑が閉鎖され、
巨大な馬術競技場が建設された。

発表では、
東京五輪後に競技場は解体され、
再び市民の憩いの場に戻るという話だ。

もし五輪が中止になった場合、
建設し、未使用のまま、解体することになる。

解体するために建設する。

その行為は、
不条理小説のようであり、
アートのようでもある。

そこに巨額の税金が投入されていることを除けば、
もっと楽しむことができるのだが。

何かが来た

2020年12月29日 08時58分41秒 | ホラーのかけら
午前4時、
ふと目を覚ますと、
隣のベッドで眠っている家人が、
唸り声を上げている。
そしてその直後、
なにやらぶつぶつと呟く声がしばらく続いた。

寝言か。

翌朝、
「寝言を言っていたよ」
と指摘すると、

「何かが来たの」

あの呟きは、その何かを祓っていたらしい。

というか、何かってなんだよ!

我が家、大変なことになっています。

市場のギャンブル

2020年12月28日 08時23分17秒 | コメディのかけら
「俺が若い頃は、
 市場で働いている人には博打好きが多くてね」

顔なじみの居酒屋の店主が思い出話を始めた。

「昼前には仕事が終わるだろ。
 そうすると酒を飲みながら博打を始める」

「中には市場に出入りする車のナンバーで、
 オイチョカブをやっている連中もいたよ」

どうやってやるんだろうか?

もう何十年も前の話。
昭和の話だ。

賞味期限とはなんぞや

2020年12月27日 08時33分35秒 | アイデアのかけら
冷凍庫の奥の隙間から、
薄茶色の板状の物体を見つけた。

生麩だった。
くるみ入りの生麩。

京都のある店の生麩が好きで、
京都に行くたびに買って帰るのだが、
少なくとも今年、京都には行っていない。

賞味期限を見ると、2019年4月。
1年半も前に切れている。

普通なら有無を言わさず廃棄するところだが。

一応真空パックされている、
そしてずっと冷凍されている、
という条件を考えると、
味はさておき、
衛生上の観点でいえば、
食べたところで問題ないのでは?

とりあえず解凍し、パックから取り出してみる。

見た目や匂いなどに異常はない。
薄く切り、口に含んでみる。特に変わった味もしない。

調理してみるか。

1センチ幅ぐらいに切り、
バターでソテーする。
こうやって生麩を食べるのが好きなのだ。

食べてみる。

表面はカリっ、中はふわっトロっ。
いつもの生麩だ。
くるみの風味もちゃんとする。

少なくとも僕の舌の精度では、
賞味期限内のものと変わりない。
『芸能人格付けチェック』の問題として、
出題してほしいぐらいだ。

賞味期限ってなんなんだろう?
そう考えた出来事でした。

ヒゲとマスク

2020年12月25日 08時29分58秒 | コメディのかけら
「マスクをするようになってから、
 ヒゲが伸びるのが早くなったんですよ」

と、行きつけの店の店主。

彼はヒゲが薄く、
以前は3日に一度剃れば十分だったが、
今は2日に一度剃っているという。

「マスクで温度と湿度が保たれているからですかねえ」

ヒゲの温室栽培。

あんまりうれしくないなあ。

協力金について

2020年12月17日 08時21分51秒 | アイデアのかけら
東京都では、
酒類を出す店が夜10時以降の営業を自粛すると、
協力金が支給される。

11月28日~12月17日実施分に関しては、
一律40万円。
1日あたり2万円。

この金額は妥当なのかどうか。

テレビのニュースでは、
繁華街の飲食店の店主が、
この程度の金額をもらっても…
と嘆いている姿をよく見かける。

その一方で、
店主ひとりでやっている行きつけのラーメン店曰く、

「普段、夜10時以降に店を開けていても、
 1日2万円も売上はない。
 しかも今回の2万円は、
 売上ではなく純粋な利益」

そう、中には1日2万円支給されると、
普段よりも儲かる店もある。

要は売上の大小に関わらず、
「一律」というところが、
いろいろな摩擦を生んでいるわけだが、
かといって「売上に応じて」となると、
申請も支給も複雑になり、
実施まで時間がかかってしまうのもわかる。

この文章には結論も提案もない。

ただ上記のような話を、
ラーメン店のカウンターで聴いたので、
記録しておくだけです。

店主はこんなふうにも言っていた。

「ま、ウチにとってはボーナスみたいなものです」

旅先の生牡蠣

2020年12月16日 08時53分05秒 | 旅のかけら
「旅の牡蠣は食べすて」

という言葉に倣って、
僕も某所で生牡蠣を食べた。

生牡蠣は僕がもっとも避ける食べ物の1つだが、
今は旅先、
しかも東京では絶対に体験できないシチュエーションだ。

1個100円。
基本、ノー調味料。

食べる。

生牡蠣好きにはたまらんのだろなあ。

それはさておき。

こういう新しい体験そのものは、
僕にとっては貴重だ。

脳内HDに保存しておいて、
手持ちの生牡蠣ネタとして、
自分で語ることもできるし、
以前携わっていたバーを舞台にした番組が、
今も続いていたら、

「この前、ちょっとおもしろい場所で牡蠣を食べましてねえ」

などと登場人物に語らせることもできる。

その場所のことはネットで検索すればたくさん出てくるけど、
実際に行くと、自分だけのディテールができる。

「味はつけないんですか?」
「一応、テーブルの上にポン酢はあったんですが、
 他の人を見ると、誰も使っていないんですよ。
 だから私も使わなかったんですが、
 ホントは途中でちょっと使ってみたかったですねえ。
 まわりの雰囲気に流されました」
   

良い体験でした。

「生牡蠣食うとも自由は死なず」

歌舞伎町22時

2020年12月13日 09時51分48秒 | その他のかけら
昨夜、新宿LOFTを出たのは10時半だった。
東京都の営業自粛要請の時間は過ぎている。
歌舞伎町はどんな感じなのだろうか。

何も変わっていなかった。

LOFTのビルの隣にあるパブは、
通りから店内が丸見えなのだが、
満員で大賑わい。

路上で飲んでいる若者が大勢いる。
次の店を探している人たちも大勢いる。

居酒屋やカラオケの客引きも目立つ。

看板の灯りだけはついているが、
実際はもう閉店している店もあるのかもしれないが、
大型のチェーン店は、どこも通常営業をしているようだ。

しかし、なぜ営業を自粛しないのか!
と責める気にはなれない。
あの程度の金額を補償されたところで、
何の足しにもならないだろうし、
自粛を要請する都知事は、
レベルの低いあいうえお作文に夢中だ。

そして店が開いていれば、
若者たちも集まるだろう。
昔ながらの三世帯同居で、
家に老人がいれば、
まだ思いとどまるかもしれないが、
一人暮らしならば、
その足を引き止めるものはなにもない。
「勝負の三週間」
そんなことは知ったことではないだろう。

都知事よ、首相よ、
これが歌舞伎町の灯だ!

そしてこれはなにも歌舞伎町に限ったことではない。

Go TO…と私

2020年12月11日 15時42分15秒 | アイデアのかけら
「GoToトラベル」「GoToイート」
賛成、条件付き賛成、反対…いろいろな見解があるが、
別位相で気になっていることがある。

「GoTo」があるから、
普段は行かない旅行や外食に行く、
普段よりランクの高い旅館や店を利用する、
という人の気持ちがわかるけど、
共感できないのだ。

それは今、
お前が、経済的に余裕があるからだろう、
と思われるかもしれないが、
僕は学生の頃からそうだった。

バーゲンセールには興味がない。
食べ放題にも興味がない。

その時の自分の経済力で賄える範囲で十分。
というか、賄うことができない部分に意識が向かない。

それは昔も今も変わらない。

もちろん、溜まったポイントで、
買い物をする時に値段が安くなるのは嬉しい。
たまたま入った店が、
サービス期間中で割引になれば、
ラッキーだと思う。

でもあくまで受け身であって、
自分から積極的に求めていくことはない。

無欲とかそういうことではなく、
単にそういう性分なのだと思う。

それで損していることもあるかもしれないが、
それすらも気にならないからこその「性分」だ。

ちょっと時間が空いたので、
最近考えていること、自分語りですが、
記してみました。

新しい会議様式、その軋み

2020年12月09日 15時25分22秒 | 業界のかけら
オンラインで行われている全体会議で、
ある番組の総合演出氏が、

「この形に慣れていかないといけないのだけれど」

と前置きした後、

「対面で会議をしていた時は、
 同席している若いスタッフの反応も見ていた。
 発言はしなくても、
 彼らの反応は参考になった」
「今は発言している一部の人たちだけで、
 物事を決めてしまうことになる」
「番組にその影響が出はじめていると思う」

優秀な総合演出氏は、
そんなふうに会議を見ていたのか。

僕がよく感じるのは、
オンラインになってから、
会議からグルーヴ感のようなものが失われたということだ。
そんなものは会議に必要はないという場もあるだろうが、
テレビ番組の会議には必要だ。

と、思ってしまうのも、
古い会議形式を引きずっているのか。
オンライン会議しか知らない世代は、
そんなこと気にしないのかなあ。

海苔鍋つゆ

2020年12月08日 08時13分00秒 | アイデアのかけら
カルディで『海苔鍋つゆ』を買った。
家人が、テレビで紹介しているのを見たからだ。

さて、何を入れたものか。

袋に書かれた調理例には、鶏肉とある。

困った。

今我が家の食卓は、肉断ちしているのだ。

いったい家人は何を入れるのか?

完成した鍋を見て、ちょっと驚いた。

タラやホタテは想像通りだったが・・・

薄切りにして焼いて焦げ目をつけた山芋
出来合いのちくわ天

食べてみる。

どちらも美味かった。

海苔鍋のつゆの味とよく合う。

山芋は焦げ目をつけるのがポイント。
ちくわもただのちくわじゃダメだろうなあ。
ちくわ天の衣が、いい感じでつゆを吸って美味い。

よろしければ、お試し下さい。

メイキング『トーキングブルース/やっかいな生き物』

2020年12月07日 10時47分39秒 | エンタメのかけら
『古舘伊知郎トーキングブルース/やっかいな生き物』の公演が終わりました。
ご来場頂いたみなさま、ありがとうございました。

あのトークライブがいかにして出来上がったのか。
そのメイキングを少しだけ記しておきます。

9月上旬。
古舘さんと僕で最初の打ち合わせをしました。
ここでいくつかあったテーマ案から、次の公演のテーマを選びました。

9月下旬。
山本、樋口、鮫肌、そして僕という4人が集められました。
古舘さんから前回決めたテーマと、そこから考えたことが語られ、
それに沿ってブレストを行いました。
『講談:愛の不時着』というアイデアもここで生まれました。

10月半ば。
古舘さんと僕で2回目の打ち合わせ。
前回のブレストでネタ、その後に古舘さんが考えたネタ、合わせて取捨選択し、整理しました。

ここから2週続けて、打ち合わせをしました。

1週目は、前回整理したネタを元に僕が仮構成を作り、
それを叩きました。
ここまで未定だったエンディングのプランが古舘さんから出てきたのも、
この時です。ただし、この時点では、実際に上演したものとかなり異なっていました。

『講談:愛の不時着』に関しては、別日に打ち合わせが行われていました。
僕はそこには関わっていません。
古舘さんに柳沢という作家がつき、一緒にドラマを観ながら、古舘さんが口立てで作る内容を、柳沢がまとめるといった進め方だったようです。

ある程度まとまったものを初めて僕が聞いたのは、この時の打ち合わせだった
と思います。

その翌週、どんな打ち合わせをしたのか、はっきりとは覚えていません。
確か、当初の予定にはなかった打ち合わせ。時間も珍しく短時間でした。
手元のノートにも、その時のことはほとんど書いてありません。ただこの頃、一度カットしたネタをやはり入れたいと思うのだが…と相談されたことは覚えています。

11月半ば。
まだ手元にメモを持った状態ですが、初めての通しを行いました。
(現在の『トーキングブルース』には台本はありません。
 打ち合わせをまとめたものに、古舘さんが手書きで加筆したメモが
 台本代わり。これはすごい代物です。他人が見ても絶対にわかりません)

この日の前に、他の作家やブレーンである田中さんなどにも内容をすべて
聞いてもらい、受けたアドバイスを反映したものを通しました。
以前考えたエンディング、古舘さんはどうもしっくりいっていなかったようなのですが、この時に新たな案が出てきました。多少の違いはありますが、この時に出た案が、本番に活かされています。

11月下旬。
本番の一週間前に、最初で最後の通し稽古を行いました。
台本代わりのメモも持たず、マイクを持って立つ、通し稽古です。
そこでちょっと困った事態が起こりました。想定している上演時間をかなりオーバーしてしまったのです。本番は、アドリブも増えるので、今日よりさらに長くなるはずです。
悩んだ末、結局、あるブロックをまるまる落とすことにしました。幸い腐るネタではないので、今後どこかで披露する機会があると思います。

そして、初日を迎えたのです。

と、ここに記したのは、あくまで僕が立ち会っていた部分のみ。
個別に他の作家に相談したり、講談の稽古をつけてもらったり、
そして打ち合わせした時間の何倍もの時間、古舘さんがひとりで考え、練り、覚え、稽古をしています。

その成果が、あのステージだったのです。

ペットボトルを片付けながら

2020年12月05日 08時50分20秒 | アイデアのかけら

ペットボトルをリサイクルに出すようになり、
気づいたことがある。

ラベルを剥がしやすいものと剥がしにくいものがある。

僕の経験した範囲では、
大手メーカーのものは概ね剥がしやすく
PB商品など、安価なものの方が剥がしやすい。

ラベルが剥がしやすくなっている、
それだけでも、コストがかかるということなんだろうなあ。

ブルーライト

2020年12月03日 09時56分19秒 | コメディのかけら
「ブルーライト」

という言葉を聞くと、
僕が最初に頭に浮かぶのは、
いしだあゆみさんの『ブルー・ライト・ヨコハマ』だ。

しかし、
ある世代以降、
というか、
今や一般的には、
「ブルーライト」で最初に思い出すのは、
スマホなどの画面の光のことだろう。

夜明け前のまだ暗い寝室で、
眠れぬ家人がスマホを見ている姿を観た時、
唐突にそんなことを思った。

♪スマホの灯りがとてもきれいね
 ヨコハマ ブルー・ライト・ヨコハマ

あるコントを観て考える

2020年12月02日 08時59分46秒 | コメディのかけら
ある特番で観たコントが、
頭の中に居残っている。

録画したものを消してしまったので、
細部はあやしいのだが、
概要としては以下のような内容だ。

設定は生放送のワイドショー。
3人のコメンテーターが並ぶが、
そのうち2人がなぜか動物園の飼育係。
残りの1人はIT関係の専門家(だったはず)。

最初の話題はパンダについてなので、
飼育係で問題はないが、
次からの話題は飼育係に適した話題ではない。
IT関係の専門家がコメントした後、
フロアディレクターの指示で司会者が飼育員に話をふる。
話題とは関係のない動物の話を始める飼育員。
しかし最終的に、話題に適した感じに話が落ち着く。
それが2~3回繰り返される、という内容だ。

実は、今、記した以外にも、登場人物がいる。
サブにいるプロデューサーとディレクターだ。
スタジオを観て、彼らが言う。
「なんで飼育係を2人も読んでいるんだよ!」
「あ~あ、動物の話を始めちゃったよ」
「なんとかなるもんだな」

なぜこのサブの2人が出てくるのか、
その意味合いはよくわかるのだが、
(あった方が親切。親切っていうのも、妙な感じだけど)
僕の好みではない。

あの2人を出さなくても成立させる方法があるんじゃないのかなあ。

などと考えるのは久しぶりだし、楽しいですね。