狼藉の地球振り向く九月尽
ろうぜきの ちきゅうふりむく くがつじん
八月の未曾有の酷暑の後の九月も予想外の月だった。酷暑引き継ぐ残暑から例年より早い驟雨への急転。列島を走った颱風禍。性急な安保法安の国会通過etc。一五夜と十六夜で希望を10月に繋ぐ。
十六夜や口あんぐりのヨガの衆
いざよいや くちあんぐりの よがのしゅう
北海道の秋は足早だ。大雪山系旭岳が初冠雪のニュース。地球が月に最接近の昨夜の月はやはり素晴らしかった。市の検診で引っ掛かった項目の精検が続いている身には続く大きな癒しだった。
甲斐盆地押上げ盛らん望の月
かいぼんち おしあげもらん ぼうのつき
大相撲秋場所(鶴竜優勝)が終わった午后6時過ぎ、東側家並の間に濃黄色の月が上がっていた。奇しくも往時故郷の甲斐の峡間に見た月を思い出した。今夜はスーパームーンが見られそうだ。
救命講座間間合いに裂ける柘榴かな
きゅうめいこうざ まあいにさける ざくろかな
今日は御嶽山が噴火して1年目。58人を亡くし未明5人。折しも自治会主催で当F市消防本部による救急救命講座があり3時間の講座と実技習得を受けて来た。戸外では熟した柘榴が裂けていた。
柿ひとつ提げるや明ける秋彼岸
かきひとつ さげるやあける あきひがん
彼岸中ぐずついていた天候が明けた今日は昨日より5℃も高く少し動くと暑いくらい。湿っている樹脂いた屋根の庇がピチピチとなり出す。供えてあったふゆ柿を下げていただく。
風無くば色で主を呼ぶ金木犀
かぜなくば いろでしゅをよぶ きんもくせい
続秋霖に籠城。居間から離れた我が家の木犀が色づいたが香は届かない。ゴミ捨て場の途中にあるのは近所人にその香を振る舞う。互いに親善大使を務める雨中の木犀である。
雨来るや夫も皮剝く栗の飯
あめくるや つまもかわむく くりのめし
台風は早や21号。今回は大陸に向いそうだが油断はならぬ。関東地方は入り込んだ湿気帯で昼より雨。安倍首相が自民党総裁にされ記者会見で3本の矢を発表した。①希望を生み出す経済活動②夢をつぐむ子育て支援③安心につながる社会保障。そうあって欲しいと心から思う。
秋ひがん死者悲します安保法
あきひがん ししゃかなします あんぽほう
「秋分の日」。暦上のシルバーWは終わる。10日振りにスポーツCで予後の体調整備をする。五体の歪をヨガでほぐしウォーキングマシンでの有酸素運動等で自信をつけて来た。
振り返りつ後にも付きて石叩
ふりかえりつ あとにもつきて いしたたき
「国民の休日」の日。日本列島何処もお日様マーク。気温も平年並み。風邪の残りを心配しつつ別府沼公園の日陰を選び3キロを歩く。人影が薄くなると鶺鴒が同伴してくれた。
木犀の先ずは薄香を靄の中
もくせいの まずはうすかを もやのなか
[敬老日」「シルバーW」。「彼岸入り」。風邪の完治しない身には「ダークW]だ。一昨日朝もやの中から現れた近所の金木犀が控えめな香りを放ち始めた。あやかりたい思いで仰ぐ。