１０月２６日 鷹揚に己が風生む杜鵑草
１０月２７日 駆け込んで弾きとばさる台風かな
１０月２８日 台風過物干し竿に舞う手足
１０月２９日 撮りし途は少女でありし藤袴
１０月３０日 稲ロール古墳揺るがす耕作機
１０月３１日 あらかたの鉢を休ます１０月尽
昨日今日の列島は大方晴れ。半袖に着替えて、風船蔓と朝顔の簾を解体。大方の植木鉢を休ませた。草花には己が好みの風があるようだ。ホトトギス草も然り。生まれ損ね太平洋岸に消えた２０号台風。快晴だった日曜日は、終日スポーッ番組に明け暮れた。野球は、アメリカのWS、東京６大学、プロ日本S。ゴルフは、ABCチャンピオンS、久子のIDLと日本シニアオープン。競馬の天皇賞杯etc。６５才のエージシュートで優勝した青木、幸運続きの松坂、沢村賞のダルビッシュが印象に残る。
１０月２１日 木犀の零れる侭を刈りにけり
１０月２２日 天爾遠波（てにをは）の
漢字を習う文化の日
１０月２３日 サイレンの遠ざかりたる後の月
１０月２４日 寂寞の庭縁まもる弁慶草
１０月２５日 公園に落葉はく老コンペの日
エアコンが要らない時期。快晴が続いている。２２日の席題は「文化の日」。IT仲間から月の撮り方のメールを貰ったが私のデジカメでは駄目。十三夜の月には◎でも△でも無い風情がある。夕食後に救急車が近くに来た。去った後の十三夜を近所の皆で眺める。浦和レッズが韓国戦を制しアジア王者に王手をかけた。今日からW戦、日本シリーズは２８日からだ。
１０月１６日 柿色の草履の歩幅秋茶会
１０月１７日 吸ふ息にこくり頷く秋桜
１０月１８日 おさらいの折紙ならぶ夜長かな
１０月１９日 推敲のてにをは何処天高し
１０月２０日 競り買ふて大きな三つ富有柿
秋の楽しみの１つに、仲間うちでいく茶会がある。園にある４つの庵を違う家元が構える。一般客は複数の庵を訪問できる。秋晴れの昼中に庵前に並ぶ億劫さは無い。秋の果実の筆頭は私は柿である。生まれ育ちからの身近な存在でもあるが、柿色に深さや希望を覚える。クライマックスシリーズ。パは日ハムが勝抜き、セは昨晩中日が巨人に王手をかけた。ボランティアで折り紙担当の妻。チラシを使ったオサライが楽しそうだ。
１０月１１日 城壁に吹いて古代の芒かな
１０月１２日 役所事済ますロビーに烏瓜
１０月１３日 無造作に霊を捨てゆく鱗雲
１０月１４日 貰ひ遣りやがて渦巻く金木犀
１０月１５日 女郎花年ごと伸びる児等の背
武蔵野は、朝晩冷えこんできたが、日中は快適なこの頃。曇天の今朝に夜は雨もあるとの予報。北海道から東北にかけて例年より早い初冠雪便りがあれば、立山の室戸の紅葉は例年より遅いようだ。異常気象は続いているようだ。芒は辺りの景観を鮮やか誇張してくれる。古団地の木犀の香は昼は目で感じ、夜は全身で感じる。秋ですね！
10月４日 再会はあらき抱擁銀杏降る
10月５日 捥ぎたての棗（なつめ）味あふ懐古かな
10月６日 ヤンバンの庭にひともと木守柿
10月７日 エキスポ旗のはためく古墳秋茜
10月８日 異国妻卆寿を生きる巨峰かな
10月９日 斑鳩にかよふ秋風新羅（しら）の郷
10月10日 木犀の闇を割りたる旅帰り
15年ぶりの訪韓。実る稲や梨葡萄など山野と空は季節的に関東地方と同じだった。現役時代に師弟関係にあった方々が還暦を過ぎ夫々第2の人生を営んでいた。又、かっての家政婦は慶州の日本人妻養老院に卆寿を全うしておられた。首都の予想外の発展。変らぬ儒教のもてなしを受けた。久しぶりの我が家の朝寝坊だった。
１０月０１日 栗飯に土産話のおかずかな
１０月０２日 道野辺に親子見捨てる赤マンマ
１０月０３日 秋の蚊の賭する命に刺されけり
１年の3/4が過ぎて、早や３日目になる。これからはトロッコガ坂道を転げ落ちるようなものだ。この頃、ざくろや無花果など秋の果実を頂く機会が多い。単調な食卓に「土産話」の１品が嬉しい。ところで、防犯の為に近年は庭先や公園などで、道端でシゴイテ来た”赤マンマ”などの食材を使った「オママゴト遊び」が無くなった。玩具屋で、樹脂の食器に樹脂の食材のセットを見るたびに寂しい思いをする。プロ野球は、昨日、巨人が勝ち、パ・セの”クライマックスに続く日本シリーズが楽しい時期になった。
