「ハゲーーーー!バカヤロー!!!何やってんだーーーー!」汚い言葉で罵倒する声がテレビを通して日本中の茶の間に響いた。声の主は自民党の豊田真由子代議士である。相手は自分の政策秘書兼運転手である。何回も繰り返し聞いているうちに、私は、女代議士に哀れさを思った。かわいそうになってきた。テレビが拾った街の声で、中年の女性が「普通は、言えないわ」と言ったが、その通りであって、女代議士は普通ではないのである。頭の中に虫がいるのである。虫の名を自己虫(ジコチュウ)と言う。彼女は桜蔭高校を経て東大法科を出ている。母親は教育ママだっただろう。教育ママは、自己中心思考の権化である。頭の中は、自己虫でいっぱいだ。それが娘に伝染しないはずがない。自己中心人間は友達ができにくい。遊びにも誘ってもらえない。だから、自己虫は増殖する。普通でなくなってしまう。それが、「ハゲーーーー!」につながっている。友人がいない哀しさにつながっている。
禿頭をトクトウと読むのとハゲアタマと読むのとでは大きな差がある。前者には中身のある頭の印象がある。たとえば将棋の大山康晴さんである。大山さんのツルツル頭は、いかにも中身がありそうだった。聡明に見えた。事実その通りだった。話も上手だった。勝負師と紳士を足し合わせたような人物だった。
私は、トクトウではなく単なるハゲ老人である。もし我が家に幼い子がいたら、ハゲドンとかハルマゲドンといった呼び名を、私のために考え出したであろう。家には幼児の代わりに可愛い猫がいる。ViViちゃんがいる。ViViも時々私の顔を覗きに来る。無毛の頭を眺める。しかし、「ハゲ!」とは言わない。ViViは礼儀正しい。血統も一流である。ハゲ老人に敬老の精神で接してくれている。
禿頭をトクトウと読むのとハゲアタマと読むのとでは大きな差がある。前者には中身のある頭の印象がある。たとえば将棋の大山康晴さんである。大山さんのツルツル頭は、いかにも中身がありそうだった。聡明に見えた。事実その通りだった。話も上手だった。勝負師と紳士を足し合わせたような人物だった。
私は、トクトウではなく単なるハゲ老人である。もし我が家に幼い子がいたら、ハゲドンとかハルマゲドンといった呼び名を、私のために考え出したであろう。家には幼児の代わりに可愛い猫がいる。ViViちゃんがいる。ViViも時々私の顔を覗きに来る。無毛の頭を眺める。しかし、「ハゲ!」とは言わない。ViViは礼儀正しい。血統も一流である。ハゲ老人に敬老の精神で接してくれている。