しんみりと するのが
秋の季節の 特有の雰囲気なのなら
互いのあいだに
冷ややかな空気が
流れ込むことがあっても
あたたかい飲みなれた茶を淹れて
その湯気のたゆとうあいだは
黙って瞳の奥の
物思いのたねを見つけ出すかのように
見つめ合って
それから
庭のはずれの小さな畑に
トマトの花が また 咲いたと告げる
それから
紫蘇の実を摘んだことをはなし
あったかいお茶が一番の
季節になった と
うなづき合う
真夏の恋のように
激しくはなく
ひたひたと おしよせる
愛おしさを
告げることさえしない
そんなかたちが
似合う季節が 秋です
トマトの花
花言葉 完成美