花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

もしも

2016年05月07日 11時29分34秒 | 日記
少し以前のことです
小雨の降る日我が家のチャイムが鳴りました
「みよこさん~」とその方は玄関に入って来て呼ばれました
私がその名の方は我が家にはいませんのでといいますとその方は怪訝そうな
顔をして傘をさして出ていかれましたが
直ぐに今度は裏庭から枝折戸をあけて飛び石を通って縁側に立って同じように
「みよこさん~」と呼ばれます
お買い物した包みも重そうですし私も少し困りました
「変だね 此処なのに」とその方は言われます

後日 甥にあたられる方がご挨拶されましたが少し認知症が進んきていて
白い塀壁が似ているから自分の家だと勘違いされたようでした
雨は降るしお買い物の荷物は重いし我が家と思って入って行くと他人が住んでいるし
どんなに悲しかったことでしょう
その後暫くしてその方老人の養護施設に入られたそうです

私は主人に言いました
もしも私が認知症になって夕方大きな荷物を提げて
「これからロシアに行きます」と言ったならばお願いだから
「おお!そうかわしもロシアには行ったことがないので一緒に行ってみるか」
と言って下さい
そして少し遠くまで一緒に歩いてください
私が疲れてきたころ「ロシアは遠かったね」と言っていただければ私も
ロシアは遠いけど行くことが出来てよかったと得心する筈です

間違っても「ロシアのような遠い処へは行かれない つまらんことを言わずに
家の中に入れ」とは言わないで下さい
認知症になると一端は受け入れないとパニック状態になるとよく聞いていますよ
これから人生の夕暮れの道のり
大変かもしれないけど
どうぞ よろしくね



ハマナシ咲いています