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お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

●五感俳句0242・冷感019・栗田やすし01・2015-08-31(月)

2015-08-31 04:56:00 | 五感俳句

●五感俳句0242・冷感019・栗田やすし01・2015-08-31(月)

○「花野来て冷たき石に腰おろす」(『海光』2009)(栗田やすし01)

○季語(花野・秋) 「はなのきてつめたきいしにこしおろす」

【鑑賞】:秋とはいえ残暑のある花野を散策してやや汗ばんでいます。腰かけた石から伝わる尻の冷たさは心地よいものに違いありません。 ※触覚の冷感ともとれますが、ここでは温度感の冷感としました。

 

栗田やすし(くりたやすし)

○好きな一句「流燈会われも流るゝ舟にゐて」(『伊吹嶺』1981)02

○季語(流燈会・秋) 「りゅうとうえわれもながるるふねにゐて」

【Profile】:1937年満州生まれ、名古屋市在住。「」の→沢木欣一に師事。1998年「伊吹嶺」創刊主宰。「河東碧梧桐の基礎的研究」で俳人協会評論賞受賞。第49回俳人協会賞受賞。俳人栗田せつ子は妻。


栗田やすし掲載句
03手に受けて象牙の艶の今年米(今年米・晩秋)〈色彩400・艶2〉2018/10/10

04山の湯の鉄錆色や茸汁(茸汁・晩秋)〈色彩553・鉄錆色1〉2021/10/21

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●五体俳句0242・骨06・柴田千晶01・2015-08-30(日)

2015-08-30 04:56:00 | 五体俳句

●五体俳句0242・骨06・柴田千晶01・2015-08-30(日)

○「遺骨との旅の終りの牡蠣フライ」(柴田千晶01)

○季語(牡蠣・秋)(「俳句201205」より引用)

【鑑賞】:この遺骨は作者の親族ではないかも知れません。葬儀場のマイクロバスで火葬場よりここまで小さな旅を一緒にしてきました。牡蠣フライのある会食にて、遺骨との旅も終りです。

 

柴田千晶(しばたちあき)

○好きな一句「女てふ鋳型ありけり白木槿」(『紅き毛布』2009)02

○季語(白木槿・秋) (「柴田千晶・赤き毛皮 ENGINE EYE 阿部嘉昭のブログ」より引用)

【Profile】:1960年、神奈川県横須賀市出身。1988年第5回現代詩ラ・メール新人賞、2008年詩集『セラフィタ氏』で第40回横浜詩人会賞受賞。→今井聖に師事。俳句誌「」同人。余白句会メンバー。2010年『超新撰21』に参加。


柴田千晶掲載句
03葡萄滲むシーツの裏に千の夜(葡萄・仲秋)〈色彩548・滲み2〉2021/9/15

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●特集俳句0241・言葉06=傘010・糸屋和恵01・2015-08-28(金)

2015-08-28 04:56:00 | 特集俳句

●特集俳句0241・言葉06=傘010・糸屋和恵01・2015-08-28(金)

【→特集俳句-索引 俳人一覧()】

 

○「忘れたる思ひ出す良夜かな」(糸屋和恵01)

季語(良夜・秋) 「わすれたるかさおもひだすりょうやかな」(「俳句201303」より引用)

【鑑賞】:あの傘はお気に入りの傘でした。どこに忘れてきたのかも、もはや覚えてはいません。こんな秋の夜には、きまってその傘の色やグリップの感触が思い出されるのです。

 

糸屋和恵(いとやかずえ)

○好きな一句「拭きとれぬ眼鏡のくもり一葉忌」02

季語(一葉忌・冬) 「ふきとれぬめがねのくもりいちようき」(「俳句201303」より引用)

【Profile】:1968年、埼玉県出身。1995年「藍生」入会。→黒田杏子に師事。2001年第5回「藍生」新人賞受賞。第1回→星野立子新人賞受賞。

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●方法俳句0241・幽体離脱011・木内怜子01・2015-08-27(木)

2015-08-27 04:56:00 | 方法俳句

方法俳句0241・幽体離脱011・木内怜子01・2015-08-27(木)

○「かなかなやはなればなれの身と心」(木内怜子01)

季語(かなかな・初秋) 「かなかなやはなればなれのみとこころ」

【鑑賞】:心ここにあらず。放心状態です。その心の中に、かなかなのさびしげな鳴き声が聞こえています。

 

木内怜子(きうちれいこ)

○好きな一句「邯鄲や生涯といふ涯にゐて」02

季語(邯鄲・初秋) 「かんたんやしょうがいといふはてにゐて」

【Profile】:1935年、神奈川県厚木市出身。→渡辺桂子、→秋元不死男、→鷹羽狩行に師事。海原俳句会副主宰より主宰(2013年終刊)。第8回俳人協会新人賞受賞。


木内怜子掲載句
03点描の一点となり草を摘む(草摘み・三春)(次元608・点〈空間〉2)2023/2/19

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●色彩俳句0241・金07・小林貴子01・2015-08-26(水)

2015-08-26 04:56:00 | 色彩俳句

色彩俳句0241・金07・小林貴子01・2015-08-26(水)

○「月は金色我が身は小さき楽器なり」(小林貴子01)

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季語(月・三秋) 「つきはこんじきわがみはちさきがっきなり」(「俳句201308俳句手帖」より引用)

【鑑賞】:金色の秋の月が揚がります。月と交信した身体は共鳴をして小さな楽器となります。管だらけの人間の身体ですから、さしずめ管楽器でしょう。

 

小林貴子(こばやしたかこ)

○好きな一句「堰跳んで少女は蓼となりにけり」02

季語(蓼の花・初秋) 「せきとんでしょうじょはたでとなりにけり」

【Profile】:1959年、長野県飯田市出身、松本市在住。1981年信州大学学生俳句入会。「」入会。→宮坂静生に師事。1982年から1997年まで「」に在籍。2003第58回現代俳句協会賞受賞。「岳」編集長、俳文学会会員。現代俳句協会会員。

小林貴子掲載句
03葛引くと遠くが動く晴子の忌(晴子の忌・仲夏)〈次元623・忌日(時間)23飯島晴子忌1〉2023/6/6

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