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うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#245 【俺の力で!!!】

2009-12-18 | #09 湘北 県予選編
試合残り時間12秒

陵南 98
湘北 97




仙道のボールを流川、桜木のダブルチームが奪った。


そして、湘北の勝利は、宮城に託された。


左右から詰め寄る陵南の波。


山岡と上杉が、宮城をとらえる。




「良く戻った!!絶対に抜かれるな!!」

田岡の額から汗が流れる。


「拓真!!空斗!!宮城さんを止めるんや!!」

彦一の絶叫がコートに響く。


陵南ベンチは、焦りの表情を見せる。




「リョータ!!これを決めれば、勝利よ!!!」

「リョータ!!」

「宮城さん!!」

「キャプテン!!」

湘北の控えメンバー達は立ち上がり、声援を送り続ける。




福田、黒川が、必死に戻る。


柳、角田が、駆け上がる。


流川は、倒れこんだまま、起き上がることはできない。

足をつっていた。


(どあほうは俺だ!)



仙道は踏ん張り、進行方向を宮城へ向けている。


(間に合うか!?)



倒れこんだ桜木は、立ち上がり、リングに向かう。


(リョーちん!!今、いくぜ!)

膝は青くなっていた。



『ダムダム!!』


宮城の低いドリブルが、ボールを陵南ゴールへと近づける。

だが、山岡と上杉のディフェンスが、突破を許さない。

両サイドから、囲みにかかる。



『ダム!』


(ちきしょう!!抜けねぇー!!)



『キュ!!』


「上杉ちゃんは、そっちだ!!」


「はい!!」


陵南の次世代が宮城に攻め込む隙を与えない。



そのとき。




「リョータ!!」

宮城の耳に届いた彩子の声。


(アヤちゃん・・・。)

言葉が、頭の中に映像として一瞬浮かぶ。



(アヤちゃん・・・。

 アヤちゃん。

 俺は、アヤちゃんだけが笑ってくれればいいと思っていた。

 アヤちゃんのために、バスケをしてきたといっても、過言ではない。

 俺が試合で活躍して、チームが勝って、アヤちゃんが笑ってくれれば、それだけで俺は本当に幸せだった。

 今もその気持ちは、変わらない。

 アヤちゃんの笑顔を俺はいつまでもみていてぇんだ。

 ただ・・・。

 いまは・・・。
  
 ・・・・・・。

 あいつらの笑顔も見てみてぇ。 

 ヤスやカクやシオの泣き笑う顔も。 

 きつい練習にも耐えている1年の笑顔も。 

 クソ生意気な花道の高笑いも。

 大声で笑う流川も見てみてぇ。

 先生の顔も笑いじわでいっぱいにしてぇ。  

 そして・・・。

 アヤちゃん。

 アヤちゃんの最高の笑顔を・・・。

 俺は、ずっと見ていてぇんだ。

 だから・・・。

 だから、この試合・・・。

 ぜってー・・・。

 ぜってー勝つんだ!!!

 俺の力で!!!)




『グワッ!』


宮城の眼に力が入る。


山岡は感じた。



(来る!!!)



『ダム!!』



『ビュン!!』



『キュッ!!』



『ダム!』



宮城の前に立ちふさがる影が一つ。



(けっ、やるな!)


(ふっ、さすがっすね!)




宮城の初歩。


上杉の横から突破を図る宮城。


腰が沈みつつある上杉に並ぶ。


宮城のスピードが、上杉を超えた。


山岡は、足首を半回転させ、力を膝にため、宮城の爆発に備えた。



二歩め。


上杉が気付いたときには、宮城は目の前にはいなかった。


山岡は、溜めた力を解き放ち、上杉の後ろを通るサイドステップを繰り出していた。



三歩め。


宮城が放った殺気にも似た気合。


それを感じ取った山岡は、宮城の動きを咄嗟に察知、突破に対応した。


感じ取れなかった上杉は、宮城に完璧に抜かれていた。



(速い・・・。)




「山岡君が止めた!凄いディフェンスセンス!!」

「いや、経験よ。経験が、宮城君の突破を読んだのよ。上杉君にはまだ足りなかった・・・。」

「宮城君のスピードも尋常じゃない。」




「宮城が1人抜いたーーー!!」

「宮城も速いが、山岡も速い!!」

「よく追いついた!!!」

「いけーー!!宮城ーーー!!」

「守れーー!!山岡ーー!!」




宮城と山岡の1on1。


更に速さを増す宮城のスピード。



『ダムダム!!』


『キュ!』


並走する山岡。


足の回転が速くなる両者。


『チラッ。』


宮城の視界が、残り時間を映し出す。



(8秒・・・。どうする?)

(来るか?待つか?)



3Pラインを超えた瞬間。


『スッ。』


宮城の上半身が一度上がる。



(打つか!いや、来る!!)


山岡の推測は当たっていた。



『ザッ!!』



『ダム!』



宮城の稲妻ステップ。



『キュ!!』



確実に、対応する山岡。



(ビンゴ!)


(・・・。)




だが。



『キュッ!』


宮城がさらに急ストップ。

突っ込んで、引いて、突っ込んで、止まった。

その反動で、宮城の体は、大きく前方へ押し出される。

前かがみになる宮城、背筋と膝にありったけの力を込めて、踏みとどまる。


かたや、山岡。



(まじかよぉ!!)



『キュ!』



「ぐっ!!」



つま先、足首、膝に神経を集中させ、必死に止まった。

だが、勢いづいた上半身を止めることは出来なかった。

倒れ掛かる山岡。



『ガクッ!』



手からコートに倒れる山岡。



(やばい!!!)


(よし!!)



宮城の軋む関節が上体を引き起こす。

そして、フロントチェンジ。




「うぉぉぉーーー!!!」

「キャプテーーーン!!!」

「宮城先輩!!!!」

湘北の歓喜の声。




「リョーーータ!!!」

気の強い彩子の眼にもうっすら涙が溜まっている。


『グッ!!!』

安西は、軋むほどの拳を握り締めていた。




「宮城が抜いたーー!!!」

「うぉぉぉーー!!!」

「湘北が逆転かーー!!!」

「なにぃぃぃーーー!!!」

「すげぇーーーー!!!」




眼の前で、山岡が倒れたのを確認した宮城の瞳。


そして、ゆっくりと視線をあげる。


前に宮城の進行を妨げるものはない。


そこには、リングにしか映っていなかった。



試合残り時間5秒

陵南 98
湘北 97






続く。


3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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キャプテン! (名無し)
2009-12-18 13:41:18
こうしてリョータの試合への意気込みを読むと、タイプもポジションも違えど、仙道くんとのキャプテン対決も見たかったなぁ、なんて今更ですが思いました。
同じ学年、キャプテン同士ですから、通じるものがあったんじゃないかな…なんて感じました。

まだ試合は分からないですね~!
次で決着でしょうか。
更新、楽しみにしています!
返信する
Unknown (リョー)
2009-12-18 14:58:38
久々のコメです

更新お疲れっす
宮城は意地でも負けられないですね

あと練習試合みたいに最後仙道にやられて逆転負けは嫌ですね
返信する
おはようございます (うまだんく)
2009-12-21 07:21:17
名無しさん

コメントありがとうございます。
宮城対仙道の対決、見たいですよね。俺も見たいです。
なので、続きは・・・、お楽しみに!
ちなみに、陵南のキャプテンは、越野だったりします(笑)


リョーさん

コメントありがとうございます。
IHの敗戦や高校最後の大会だけに、宮城は負けられない想いが一際強いですね。
仙道無双発動なるか・・・。
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