横学 27
白金 39
第2Q中盤、横学大のタイムアウトがあけた。
先にコートに足を入れたのは、横学大。
三井を先頭に、気合のこもった表情をしている。
「横学大が選手交代だーー!!」
「PGを下げて、#39を入れてきたぞ!!」
「あいつは、大栄の黒木だろ!!」
「ってことは、PGは仙道か!!」
-----------------------------------------------
PG…#18 峯浦 幸 180cm/2年/神保大附属
→
SF…#39 黒木 歩 188cm/1年/大栄学園
-----------------------------------------------
「おー。歩か。懐かしいやっちゃな。」
「ん?知り合いか?」
「大栄のときの後輩や。ディフェンスのいいうちの中でも、頭一つ抜けておったで。」
「ということは、お前を止めるために投入してきたか。」
「まぁ。そういうことになるかな。せやけど、本当の目的は・・・。」
「仙道が牧さんをマークするためでしょうね。」
と神が微笑みながら、会話に参加した。
「ふっ。面白い。だが・・・、まだ甘い。」
牧が微笑む先には。
胸板の厚い#43の男。
「いくぞ。」
「トゥース!」
コートに踏み入る白金の5人。
「うぉぉーーー!!!」
「白金も選手交代だーーー!!!」
「梅沢の粕谷だーーー!!」
「粕谷を入れてきたーー!!」
-----------------------------------------------
C…#26 村松 忠文 195cm/2年/浜ノ森
→
PF…#43 粕谷 力 192cm/1年/梅沢
-----------------------------------------------
「なに!!」
と驚く三井。
「いい体つきだな。」
と苦笑う仙道。
「・・・。三井さん。マークマンはどないしましょうか?」
「得体の知れないやつだな。ちっ。作戦変更だ。秋田はあいつを頼む。
ここで投入されたということは、できる男かもしれない。油断するな!」
「あぁ。」
「黒木は土屋から眼を離すな。先輩に成長の証を見せてやれ。」
「はい。」
「仙道、どう思う。」
「なかなかパワーのありそうな感じですね。」
「インサイドのディフェンス強化か?」
「いや、オフェンスの強化でしょうね。」
(常に先手を取ってきますね。牧さん・・・。)
白金のオフェンスを止めるべく手を打った横学大。
PG峯浦を下げ、SFの黒木を投入。
表の目的は、チームのサイズアップと土屋への徹底ディフェンス。
真の目的は、牧に仙道を当たらせるものだった。
だが、白金は、更にオフェンスに磨きをかける。
横学大の作戦の裏をかき、オフェンス参加の少ないC村松を下げ、PFに埼玉県梅沢高校出身の粕谷を投入した。
粕谷は、自信に溢れた表情をしている。
横学大のオフェンスからスタート。
仙道は、PGの位置につく。
当たり前のように、目の前には牧。
神は三井を、土屋は黒木を、粕谷は秋田を、荻野は品川を抑える。
「わぁぁーーー!!」
「牧対仙道!!」
「神奈川を知っているやつなら、この対決は永久保存版だぜ!!」
「今日、観戦に来れてよかった!!」
「盛り上がってきたな。」
と河田。
「この対決は、深津も興味があるんじゃないか?」
「PGの道は、1日にしてならずケロ。」
「なるほど。その考えよくわかるよ。」
博多商大時代にPG経験のある牧瀬がうなずく。
『ダムダム。』
リズムよくドリブルをしているのは、仙道。
鋭い視線が、パスの供給場所を狙っている。
(1発で仕留められるほど、うちは甘くないぞ。)
インサイドでは、品川が荻野と激しいポジション争い。
『キュ!』
その攻防を利用し、秋田がアウトサイドへ。
粕谷が連れられて外に出る。
その一瞬を見逃さない鋭い眼光。
「!!!」
『ビィ!!』
仙道は、ぽっかりと空いたスペースに、バウンドを投げつけた。
「なに!!」
凄まじい速さで、牧の足元すれすれを通り抜けるボール。
『パシ!!』
振り返る牧の視線の先では、三井がボールを受け取っていた。
三井の瞬発力が、神を振り切る。
(くらえ!!)
『シュパ。』
華麗なレイアップシュートが決まった。
「わぁぁーーー!!!」
「仙道が一本で決めてきたーー!!」
「すげーーパス!!」
「三井もいい動きだ!!」
「仙道!!」
「ナイスラン。」
「さぁ、逆転だ!!」
『コク。』
三井の3Pを警戒しすぎたあまり、カットインを許してしまった神。
「牧さん。すいません。」
「いや。あのパスをさせてしまった俺のミスだ。だが、次はないぞ。」
「えぇ。俺もです。」
仙道、三井のたった一つのプレーが、横学大を、観客を、そして白金を燃えさせた。
横学 29
白金 39
続く。
白金 39
第2Q中盤、横学大のタイムアウトがあけた。
先にコートに足を入れたのは、横学大。
三井を先頭に、気合のこもった表情をしている。
「横学大が選手交代だーー!!」
「PGを下げて、#39を入れてきたぞ!!」
「あいつは、大栄の黒木だろ!!」
「ってことは、PGは仙道か!!」
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PG…#18 峯浦 幸 180cm/2年/神保大附属
→
SF…#39 黒木 歩 188cm/1年/大栄学園
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「おー。歩か。懐かしいやっちゃな。」
「ん?知り合いか?」
「大栄のときの後輩や。ディフェンスのいいうちの中でも、頭一つ抜けておったで。」
「ということは、お前を止めるために投入してきたか。」
「まぁ。そういうことになるかな。せやけど、本当の目的は・・・。」
「仙道が牧さんをマークするためでしょうね。」
と神が微笑みながら、会話に参加した。
「ふっ。面白い。だが・・・、まだ甘い。」
牧が微笑む先には。
胸板の厚い#43の男。
「いくぞ。」
「トゥース!」
コートに踏み入る白金の5人。
「うぉぉーーー!!!」
「白金も選手交代だーーー!!!」
「梅沢の粕谷だーーー!!」
「粕谷を入れてきたーー!!」
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C…#26 村松 忠文 195cm/2年/浜ノ森
→
PF…#43 粕谷 力 192cm/1年/梅沢
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「なに!!」
と驚く三井。
「いい体つきだな。」
と苦笑う仙道。
「・・・。三井さん。マークマンはどないしましょうか?」
「得体の知れないやつだな。ちっ。作戦変更だ。秋田はあいつを頼む。
ここで投入されたということは、できる男かもしれない。油断するな!」
「あぁ。」
「黒木は土屋から眼を離すな。先輩に成長の証を見せてやれ。」
「はい。」
「仙道、どう思う。」
「なかなかパワーのありそうな感じですね。」
「インサイドのディフェンス強化か?」
「いや、オフェンスの強化でしょうね。」
(常に先手を取ってきますね。牧さん・・・。)
白金のオフェンスを止めるべく手を打った横学大。
PG峯浦を下げ、SFの黒木を投入。
表の目的は、チームのサイズアップと土屋への徹底ディフェンス。
真の目的は、牧に仙道を当たらせるものだった。
だが、白金は、更にオフェンスに磨きをかける。
横学大の作戦の裏をかき、オフェンス参加の少ないC村松を下げ、PFに埼玉県梅沢高校出身の粕谷を投入した。
粕谷は、自信に溢れた表情をしている。
横学大のオフェンスからスタート。
仙道は、PGの位置につく。
当たり前のように、目の前には牧。
神は三井を、土屋は黒木を、粕谷は秋田を、荻野は品川を抑える。
「わぁぁーーー!!」
「牧対仙道!!」
「神奈川を知っているやつなら、この対決は永久保存版だぜ!!」
「今日、観戦に来れてよかった!!」
「盛り上がってきたな。」
と河田。
「この対決は、深津も興味があるんじゃないか?」
「PGの道は、1日にしてならずケロ。」
「なるほど。その考えよくわかるよ。」
博多商大時代にPG経験のある牧瀬がうなずく。
『ダムダム。』
リズムよくドリブルをしているのは、仙道。
鋭い視線が、パスの供給場所を狙っている。
(1発で仕留められるほど、うちは甘くないぞ。)
インサイドでは、品川が荻野と激しいポジション争い。
『キュ!』
その攻防を利用し、秋田がアウトサイドへ。
粕谷が連れられて外に出る。
その一瞬を見逃さない鋭い眼光。
「!!!」
『ビィ!!』
仙道は、ぽっかりと空いたスペースに、バウンドを投げつけた。
「なに!!」
凄まじい速さで、牧の足元すれすれを通り抜けるボール。
『パシ!!』
振り返る牧の視線の先では、三井がボールを受け取っていた。
三井の瞬発力が、神を振り切る。
(くらえ!!)
『シュパ。』
華麗なレイアップシュートが決まった。
「わぁぁーーー!!!」
「仙道が一本で決めてきたーー!!」
「すげーーパス!!」
「三井もいい動きだ!!」
「仙道!!」
「ナイスラン。」
「さぁ、逆転だ!!」
『コク。』
三井の3Pを警戒しすぎたあまり、カットインを許してしまった神。
「牧さん。すいません。」
「いや。あのパスをさせてしまった俺のミスだ。だが、次はないぞ。」
「えぇ。俺もです。」
仙道、三井のたった一つのプレーが、横学大を、観客を、そして白金を燃えさせた。
横学 29
白金 39
続く。