うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#146 【残り1分】

2009-07-02 | #05 海南 選抜編
試合残り時間1分

山王 79
海南 74




雌雄が決するまで、残り68秒となっていた。



山王オフェンス。

河田、野辺が右側のローポストで位置を取る。

その前には、松本。

トップには、深津がボールをキープしている。

逆サイドには、ポツンと沢北一人。




「アイソレーション・・・ですか?」

「いいえ、そうでもないわね。ただ、沢北君の1on1を狙っているのは確かだと思うけど。」




深津が、ドリブルで松本による。

海南のディフェンスは、徐々に同じサイドに固められつつある。


(沢北勝負か!)

牧が思った瞬間、ボールは松本へ。

その松本から、大きくサイドチェンジ。

沢北にボールが渡った。

沢北の前には、オープンスペースがあいている。




「沢北で勝負だーー!!」

「神!とめろーー!!」




(俺では、沢北の高速ドライブはとめられない。一か八か狙ってみるしかない!)




(甘いよ。重心移動がバレバレだ。)


『キュン!』


沢北が高速ドライブを発動する。


「!!!」



沢北は、神の動きとは逆方向から、切れ込んだ。



だが。



『ドン!!』



「っつぅ!!」



『ピィーー!!』



「オフェーーンス!!」

主審が、チャージングのポーズを取る。




「高砂ーー!!」

叫ぶ魚住。

ガッツポーズをとる赤木。

「絶妙。」

と花形。




「沢北のチャージングだーー!!!」

「一瞬でコースに入ってたぞーー!!」

「あの#5、狙ってやがったーー!!」




「さすが、高砂さん。」

と倒れている高砂に手を貸す神。

「いや、お前の指示のおかげさ。」

高砂は立ち上がる。

「お前たち、初めから?」

「狙い通りさ。」

「ちくしょう。やられたぜっ。」

神は、後ろにいる高砂に、左側のコースを塞いでくださいと、指で合図を出していた。

それが、見事にはまったのであった。


沢北に裏をつかれ、抜かれてしまったという自然なシチュエーションを作った神。


神の気持ちに応え、沢北からチャージングをもぎ取った高砂。


どちらも、この終盤にして、最高のディフェンスであった。



「神は、ホントに冷静に物事を読んでいるな。」

「沢北とは間逆ダジョ。」

「俺は直感で動くタイプっすから。」

「しっかり、リベンジしろよ。」

「任せといてください。」にっ。




海南のオフェンス。

残り時間を考え、牧がアーリーオフェンスを展開。

深津を完璧に抜け切れないまま、オーバーハンドレイアップシュートを放つ。




「焦ったか!?」

心配そうに見つめる藤真。




『シュパ!』



気合でねじ込んだ。



「よしっ!まだいける!!」

牧が叫ぶ。




「牧さーん!!!」

海南ベンチは、総立ちである。


(やはり、お前は歴代最高のプレイヤーだ。)

高頭が思う。




「運も味方している。」

と赤木。

「いけるかもしれない。」

三井は拳を握る。




「3点差だーー!!」

「いけるぞ!海南!!」

「守りきれーー!!山王ーー!!」



山王 79
海南 76




第4Q開始時は、5点差。

序盤には、沢北の活躍により11点差と広げられ、試合時間残り1分を過ぎたところで、再び3点差まで盛り返してきた。

底力、粘り強さを兼ね備えた海南が、勝利をもぎ取りにいく。

だが、簡単には譲らない王者山王。




山王のオフェンス。

「何があっても、お前がエースダジョ。」

「わかってます。」

「次は、決めろよ。でなきゃ、敏と交代だ。」

「まぁ、任せといて下さい!」



『バス!』




「また、沢北だーー!!」

「深津のパスもすげーが、受け取る沢北もすげーー!!」




牧は沢北にパスが入らぬよう、沢北側を押さえながら、ディフェンスをしていた。

また、神もフェイスガード気味にしっかりと守っていた。

だが、ボールは沢北に渡った。


海南ガード陣のディフェンスの上をいく、山王ガード陣のパスワーク。


「さっきみたいにはいかないぜ!」



『キュ!』



連続レッグスルーから、神を抜きにかかる。



(!!)



踏ん張りの利かなくなりつつある足で懸命に沢北に食らいつく神。



「もう一回!」



『ダム!』



『クル!』



沢北はバックロールで鮮やかに抜き去った。



『キュッキュ!』



牧がカバー。

沢北は、ノーマークの深津にパスフェイク、牧のタイミングをずらす。


(フェイクか!)



そして・・・。



『ダン!』



この日一番の跳躍を見せた沢北は・・・。




『ドガァ!!!!』




ワンハンドダンクを決めた。




「高すぎるーー!!」

「沢北ーーーー!!!」

「山王の勝利だーー!!」




目をつぶる高頭。




拳を突き上げる堂本。




「決まっちまったか・・・。」

「いやまだだ!!海南は俺たちの想いも一緒に叶えるために、戦っているんだ。
最後まで海南を応援し、信じよう。」

藤真はコート上の牧を見つめるのであった。




試合残り時間 23秒

山王 81
海南 76







続く。