さんまは目黒に限らなくても美味いもんは美味いけどね。

今日は午後から大雨が降り、その中をずぶ濡れになりつつ選挙の投票に行き、帰ったら雨が止むというベタな展開の一日だったわけであるが、そんな中、「目黒のさんま祭り」というイベントが執り行われたらしい。落語をちょっとかじった人ならみんな知っている「目黒のさんま」。

ある大名(松平出羽守)が馬の早駆けに目黒へ行った時、あまりの空腹に近所の百姓家に飛び込んだところ、焼きたてのさんまを出された。脂の乗ったさんまのおいしさが忘れられない出羽守だが、屋敷の御膳に庶民の食べ物であるさんまが出る訳もなし。そこで親戚へ食事のお呼ばれをして「何でもお好きなものを」と言ってきたので、ここぞとばかりにさんまを注文。しかし、親戚の家来たちが体を気遣い、さんまを蒸して骨も抜いて団子状にし、お吸い物の具にしてしまった。ひと口食べたが、脂が抜けてしまっておいしくも何ともない。そこで
「このさんまはいずれより取り寄せた？」
「日本橋魚河岸にてございます」
「ふうむ、それでいかん。さんまは目黒に限る！」

初めて聞いたのは小学生の頃だが、当初はこのオチのどこが面白いのかさっぱり理解出来なかった。まぁ「目黒のさんま」を聞いて爆笑する小学生というのも何だか薄気味悪いが。
それはともかく、目黒といえばさんまである。区立図書館の貸出カードにはさんまの絵が書いてあるし、図書館備え付けの利用者端末機の名前は、その名もズバリ「さんまくん」だ。本とさんまなんて関係ないんじゃ…という気もしないでもないが、せっかくそういうキャラ(？)があるんだから何かに使おう、ということなのだろう。

さて、このさんま祭りでは毎年さんまがタダで食べられる。炭焼き食べ放題＆生さんま無料プレゼントの超太っ腹！最近の世知辛い世の中からは考えられないようなおいしい話である。おまけに、「目黒のさんまキティ」グッズなんてものも売っているらしい。初めて聞いたぞそんなの。面白いけど売れるのかそれは？

ここまで書くと「終わったお祭りの話なんかしやがって、やる前に言ってくれればタダでさんま食べに行ったのに」という声がちらほら聞こえてくるような気がするが、実は「さんま祭り」は１年に２回ある。今日行った「さんま祭り」は、品川区の「目黒駅前商店街振興組合青年部」による開催で、来週の18日(日)には目黒区主催の「第29回・目黒のＳＵＮまつり」というイベントがあり、その中でやはり「目黒のさんま祭」が行われるのだ。こちらでも炭焼きのさんまが食べられるので、食欲旺盛な皆様は、ぜひ目黒にお越し下さいませ。

…いつから私は目黒の広報マンになったのだ…？