tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

ひとつの実銃/エアーガン雑誌の休刊におもうこと

2015年03月08日 13時39分06秒 | エアーガン/実銃
先日,本屋でGun Professsional(以下“GP”)を買い求めた際,Gun Magazine(以下“GM”)がないことに気づいた。そして,この日が来たかとも思った。もとい,私はこれまで本屋の棚の前でGMをパラパラめくって内容を少し見るだけで,GMの創刊以来一度も購入したことがない。それゆえ,この雑誌について語ることはできないと思う。しかし,一方でGPはこれまで欠かさず買い続けている。そして,GMやGPの前身雑誌ともいえる月刊Gunもまたよほどのことが起こらないかぎり,買い続けてきた。つまり,月刊GunとGPのつながりという点では,すこしばかり語ることができるのかも知れない。

1 私と雑誌購入
かつて本が売れなくても,雑誌は売れるという通説であった。それが通じなくなってきたのは,2000年代初めからという話だ。
じっさい,雑誌を買い続けるというのは,結構な負担である。毎月決まった日に本屋に出向く必要がある。定期購読という方法もあるが,選んで買う癖がついているから,基本的に本屋に出向かなければならない。
私は安月給にも関わらず,2004年頃,最大で3誌を購入していた。その内訳は,

月刊 Gun(1962年12月号創刊 2011年11月号で休刊)
DTPWORLD (創刊年不明 2009年5月号で休刊)
ガンダムエース(2001年6月創刊 発行継続中)

といった具合である。毎月,2700円くらいを消費していたと思う。「DTPWORLD」は仕事上の知識を得るというものだったし,「ガンダムエース」の存在を知ったのは,なんと朝日新聞の文化欄で取り上げられたことであった。いったいこの3誌を買い続けるというのがいつまで続いたのかよくわからないけど,2年くらいはあったと思う。「DTPWORLD」は,面白い特集を組んだ時だけ買うという方針に変え,「ガンダムエース」はたしか,ジオンのジャブロー攻撃の直前だったと思う。ひと月に買う雑誌の数が3誌になると,マジメに読まなくなる。買ってきて関心のある所だけを読むようになる。そんな付き合い方に変化してきたと思う。
長くなるだけなので,「月刊Gun」だけに限ろう。
私が「月刊Gun」を買いはじめたのは1987年である。当時は7か800円位だったと思う。今にして思えば,中学生だった私にしても,当時は結構な負担だった。消費税増税などの影響を受けてジワジワと上がってきたけど,いまの1200円くらいの値段が,当時から示されていれば,おそらくこの雑誌とは永遠に付き合うことはなかったと思う。92,3,4年くらいも買っていなかった。大学進学の時期に当たったからだ。それ以降はずっと毎月買い続けている。

2 月刊Gunの休刊と2誌の創刊
バブルがはじけ,業界は倒産や事業撤退で縮小し,ユーザは高齢化で先細くなる一方。自分の中で残した「月刊Gun」だけが,これから先も永遠とは考えられなかった。いつかなくなるかも知れないとも考えていた。それが起こったのは,2011年11月号だった。
しかし,起こってみればそれほどの衝撃とも思えなかった。確かに1980年代や1990年代の初めは,こうした雑誌が,エアーガンの発売予定や性能を知る上での重要なソースであったが,少なくとも前者に置いては,ある時期からネットの方が早いと知った。そのころから「ニューモデル」の情報は,重視しなくなって,掲載されても「もう知ってるよ」という反応だったし,業界も縮小して情報も取りやすくなったというのがある。
この,2011年から12年初頭にかけて,「月刊Gun」の復刊がライターの間で必死になって行われ,海外リポータの多くは,ホビージャパンに移籍する形で集まっていた。
当時の私にしてみれば,国内の(ひどい状態にある)業界の縮小をみると,エアーガンの記事はそれほど重要なものでもなくなり,実銃記事に価値を見出していた。そのため,実銃を中心とするGPの当初の編集方針は,わりとあっていた。たしかに簡単なエアーガンの商品紹介はあった方が良かったし,実際この方面でも時間が経つにつれて充実してきた。
GPは2012年4月号で「創刊」,GMはそれに遅れること2012年9月号で「復刊」。後者に関心がなかったのは,同じようなスタイルの雑誌を2誌も買う必要がなかったというのもある。でも,「月刊Gun」の連載でGMに引き継がれたものは,ある程度魅力的なものもあった。
一時期,GPとGMで取り上げるモデルが,同じ月にも関わらず,重なることもあった。レポータで何らかの情報交換があったのかもしれないし,あっても別段かまわないのだが,それならば,なおさらGP一誌を買い続ける理由が成立する。

3 GPとGMの置かれた状況
しかし,見方を変えれば,GPとGMの置かれた状況はかなり異なって見える。
むしろ,前者は後者に比べて,かなり不利な状況にあったと私は考える。
そう考えるのは,広告収入の差である。ただし,各誌の台所事情など詳しく知らないし,私自身の基本的認識も間違っているかも知れないので,これはあくまで「話のひとつ」として読んでほしい。
そもそも,雑誌の収入の大半は「広告収入」と聞かされたことがある。つまり,書店で私のような読者が出した購入金はたしかに収入の一つであるが,それは多くを占めず,結局のところ,雑誌に掲載される広告による収入が多くを占めるというのである。
なんども言うが,私はGPをすべて持っているのに対し,GMは一冊も持っていない。持っているひとは,目次などを見て,広告が掲載されたページの目次を比べてほしい。おそらく,GPよりもGMの方が多いはずである。たしかにあちらの方がWAやKSC,マルイなどの広告で賑わっている印象がある。一方GPは広告がほとんど存在しない。これが,不利な点である。たしかに,GPの母体は,ホビージャパンという結構大手の組織で,資金的バックボーンもしっかりしていると考えがちだが,「アームズマガジン」や「ホビージャパン」の収入を,GPに転用し続けられるほど,企業の考えも甘くないと思う。つまり,広告収入が少ない雑誌をこの先も残しておくとは考えられないし,アームズとGPを合併することも模索されるのかもしれない。でも,それはもっと前に行われていてもおかしくなかった。

4 おわりに
ひとつの事実として,GMが休刊したということである。
ここ数日,大阪や京都の大手の書店へ行くが,そういった場所の雑誌コーナーでは,明らかにGPの在庫が払底しているように見える。そもそも,その本屋へ何冊配本されたのかは不明だが,私の狭く中途半端な市場状況の把握でも,読者が確実に移動し,GPを購入していったのだろう。