東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

2020オリンピック・パラリンピックについて

2019年11月08日 | 日記

 大きな話題となった、来夏のオリンピック、マラソン・競歩の開催地が札幌に決定しました。

  今夏の東京の異常な暑さの中での選手・役員、また観客のことをを考えれば、当然のことかもしれません。

 マスコミなどに取り上げられていないので、あまり話題にはなっていませんが、学校現場ではオリンピック・パラリンピックが大きな問題となっています。それは、児童・生徒の観戦問題です。

 2018年の10月、都教委は「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における子供の競技観戦について」を報道発表しました。その後予備調査を学校に下ろし、今年の5月には最終意向調査が行われました。そして9月、申し込みを行った学校に対して、「オリンピック・パラリンピック2020東京大会」の児童・生徒の観戦チケットの割り当てが通知されました。これにより、東京都のほとんどの学校が何らかの競技を観戦できることになりました。

 私は、前回の東京オリンピック・パラリンピックの時は小学生。学校全体でサッカーの試合を見に行きました。当時は野球全盛の時代で、サッカーはほとんどルールも知りませんでしたが、目の前で行われる試合を見て楽しかったことを覚えています。今回も観戦することによって、子どもたちにはいい経験ができると思います。

 しかし、前回のオリパラは55年前の10月。当時と交通条件・気象条件が全く違います。猛暑の中、子どもたちを引率して行って、熱中症対策はどのようになっているのでしょうか、大きな不安があります。

 当日の流れを推測してみます。まずは学校から最寄り駅まで。特別支援を除いては、バスは控えるように求められていますので徒歩移動です。数百人の団体が徒歩で駅に着いたとして、待機場所は、トイレは確保できるでしょうか。時間によっては、通勤ラッシュの電車に全員が乗れるのでしょうか。仮に観戦がお昼を挟む場合、会場内に弁当などを持ち込むことは許されておりませんので、帰校まで、場合によっては帰宅まで何も食べることはできません。いったい何時間になるのでしょうか。このように問題は山積みです。

 また都教委は、学校全体もしくは学年全体で参加する場合「授業」として設定することとしています。この場合、夏季休業中であるにもかかわらず、さまざまな事情で参加できない子は「欠席」扱いとなってしまいます。参加は希望制とし、一律の授業扱いとしないで、不参加の自由を認めることが必要です。

 学校には、いろいろな国をルーツとする子が増えています。様々な国を応援することが許される環境を作る必要があります。強制的に旗を持たせ、振らせるなどは避けなければなりません。

 東京教組は、今後、子どものオリパラ観戦・引率の問題について、特に子ども安全の問題について、都教委・地教委との交渉を強めていきます。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿