つくすの折にふれ

旅の思い出などを

隠岐の島旅行 ②

2021-05-19 03:56:35 | 旅行
 このあとは、宿泊するホテル方向へ向かいながら神社を訪ねることにしました。国指定重要文化財の玉若酢命(たまわかすみこと)神社へお詣りしました。この神社は隠岐造の神社で、神社そのものの造りが重厚でなかなか雰囲気のある神社でした。また、この神社の鳥居わきには「八尾(やお)杉」があります。天然記念物の指定を受けている大杉で、樹齢2千年といわれ、樹高は38メートルという巨大な杉でした。島後(どうご)には、かぶら杉、乳房(ちち)杉などの有名な杉がありますが、今回は、時間と道路事情の関係で見ることができませんでしたので、この杉で、その片鱗を見学したことにしました。これでこの日の宿に向けて進みます。
 途中「屋那の松原」と「舟小屋群」に立ち寄りました。なかなかいい景観でした。そして、ホテル海音里(うねり)へ向かいました。このホテルは、ローソク島遊覧船の出る重栖港がある湾の奥にあります。クルマを降りるとかなり強い風が吹いています。海も風波が立っていました。これでは遊覧船は厳しいのではということが分かりました。でも、チェックインしてから、念のため運航するか確認してみましたが、運休とのことでした。
 この日の島後観光では、飛行機の1時間遅れと最終日の午後便運休もあり、山の中の景勝地や「牛突き」、博物館施設などを回ることができませんでした。ちょっと残念な気持ちが残りました。
 このホテルには自分たちのほかは、もう一組のお客のようでした。静かなホテルでゆったりと過ごさせてもらいました。お風呂も、食事場所もゆったりです。夕食は、海の幸が食べきれないほど出てきました。お酒は「隠岐誉」の純米大吟醸や純米酒を冷やと常温で、また、通称「タカマサ」の燗酒もいただきました。この日は、この旅行の会計幹事をしてくれる人が誕生日でしたので、最初にささやかにお祝いをしました。隠岐の島でのハッピーバースデイはいい思い出になったのではないでしょうか。のんびりと銘酒をいただきながら食事を楽しみました。
 部屋にもどっての二次会も準備していたのですが、だれも参加してくれず、幹事二人で少しだけ呑み直して寝入りました。さすがに早朝出発でしたので、あっという間に寝ついたようでした。
 2日目の朝です。いい天気です。この日は、船に乗るためにチェックアウトが7時20分と早めに予定されています。6時45分から朝食をいただきました。ドライバーの自分以外の人にはモーニングビールをやっていただきながら朝食をいただきました。この朝食も好評でしたが、必ず出る付け合わせが「アラメ」という海藻です。ワカメのような昆布のようなものですが、さっぱりしてなかなか美味でした。
 この日は本土と隠岐を結ぶ大型フェリーに乗船して移動します。西郷港フェリーターミナルに向かいます。フェリーターミナルで乗船手続きをして、クルマとドライバーと、同乗者5人に分かれて別々に乗船しました。この手続き用の書類も、隠岐旅工舎で用意してくれていて、書類への記入の必要もなくスムースに進みました。この日乗船したのは「しらしま」で、2,300トンで全長100メートル弱の船でした。この船と同規模のフェリーが3隻あり、これらが本土と隠岐の島を結んで運行しています。
 8時30分に出航した船は、9時40分に中ノ島の菱浦港に入港しました。この中ノ島は「海士(あま)町」と呼ばれます。さっそく観光に出発です。まず隠岐一宮である「隠岐神社」に参拝です。ご祭神は後鳥羽上皇です。参道わきには立派な土俵もあります。参拝後、すぐそばにある「後鳥羽院資料館」を見学しました。学芸員さんが簡単にご説明しますと案内してくれました。ここがわがグループのいいところなのですが、きちんと説明耳を傾けるものですから、より詳しい説明をしてもらえることになります。
 見学のあとは、お隣の観光案内所でお土産を物色しました。それから島の南端にある木路ヶ崎(きろがさき)灯台に向かいます。この灯台の名前を正確に読めなかったものでカーナビに入力できずにウロウロ仕掛けました。そこで、ガソリンスタンドで道を確認して進みました。ここへの道が「中ノ島スカイライン」と呼ばれる道で、両側の海の景観がきれいです。
 市街地を離れると放牧されている牛さんたちに遭遇することが多くなりました。そして灯台に着きました。ここからの景観が素晴らしいものでした。また、設置されているガイド板によると、島前(どうぜん)と呼ばれる中ノ島、西ノ島、知夫里島の3島に囲まれた内海が、「島前カルデラ」といわれる火山の火口跡だというのです。自分たちのいる島が外輪山にあたるというわけです。いわれてみると、なんとなくそんなことが納得できる景観でした。
 島の中心部の菱浦港へもどります。このフェリーターミナルは「キンニャモニャセンター」と名付けられている新しい施設です。この中にある「船渡来流(せんとらる)亭」で昼食の予約をしています。ちょっと予約時間より遅れてしまいましたが無事いただくことができました。ピカピカの施設にあるレストランで「寒シマメイカ漬け丼と岩ガキ春香の特別ランチ」をいただきました。大変おいしくいただきました。ちなみに、この島で養殖されている岩ガキを「春香」と名付けているのだそうです。
 今度はフェリー「どうぜん」に乗ります。これは島と島を結ぶ小型のフェリーで、西ノ島に渡ります。12時55分発で13時10分には別府港に着きました。隠岐の有名な景観である摩天崖などがある島です。島の南端に近いところの「鬼舞展望所」へ向かいます。いい天気ですから景観がきれいです。ただ風がとても強く吹いていました。集落を離れると、広々とした草原に牛が放牧されています。馬もいました。そんな中を走っていきます。
 鬼舞展望所の小高い丘の上にも四阿(あずまや)が見えます。自分だけならば登りたいところでしたが、強風というコンディションもあり無理はしませんでした。ここからは島前カルデラ全体が眺められました。次に「赤尾展望所」へ行きました。ここからは、摩天崖などの景勝地がある「国賀海岸」が一望できます。同時に牛や馬をとてもたくさん見ることができました。
 次に、岩に穴が空いて橋のようになっている「通天橋」に行きました。この周辺は小さな浜辺になっています。「国賀浜」です。この水際を歩く遊歩道があり、国賀海岸の「摩天崖」へと続いています。さぞかし眺めのいい遊歩道だろうなとは思いましたが、そこへ下りるのは、体力と時間を考え割愛しました。そして最後に摩天崖に行きました。高さ257メートルという岸壁の頂上部分です。摩天崖そのものを見ることはできませんが、それに連なる海岸美を眺め、牛さん馬さんを見てこの日の宿泊ホテル方向へともどりました。
 この日最後の見学場所として「黒木御所址」へと行きました。後醍醐天皇の行在所址です。そこにある「碧風館」を見学してこの日の観光を終えました。別府港には昨日からいただいているお酒「隠岐誉」の醸造元である隠岐酒造の蔵があります。そこへ寄ってお土産を買いました。けっこう買い物が進んだようで、宅急便も使って注文したようでした。
 そしてこの日のホテル「隠岐シーサイドホテル・鶴丸」へチェックインしました。このホテルを運営している会社は、大型クルーザーなどを持っていて観光船の営業、食事場所の営業など幅広く活動しているようで、ホテル自体も手造り感が見えるいい雰囲気のホテルでした。この食事場所であるレストランは、自分が見た隠岐が舞台の青春映画で披露宴会場となっていたのを思い出しました。大浴場は舟型の浴槽で、もちろん手づくりだそうですが、なかなかいい雰囲気のお風呂でした。また、近所に新しいレストランを建設していました。
 この日の夕食も海の幸満載で楽しめました。中でも立派な鯛のお造りが出ましたが、社長さんが釣った鯛とのこと、大いに盛り上がりました。そこにプラスして牛肉の陶板焼きを特別注文しました。隠岐牛ではありませんがとの正直な説明にも気持ちよいものがありました。お酒やビールも進んでとても和やかに食事を楽しみました。食事後女性2人が付き合ってくれたので、部屋で軽く飲み直して休みました。
 (つづく)

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