この資料館を出て、幌延町の「観光トナカイ」牧場を訪ねることにしました。ここでも60キロほどのスピードで走っていたのですが、大型トラックが追い抜いていくので、そのトラックをペースメーカーにして走りました。ところどころ雪が少し厚く残っているところもありましたが、不安なく走ることができました。そしてトナカイ牧場へ着いたのですが、駐車場に止まっている車も少なく、やっているようではありません。ただ、レストランは開店しているようでした。ちょうどお昼どきでしたので、そこで昼食をとることにしました。辛味噌ラーメンをいただきました。ラードではなく合鴨の油を使って調理していると説明書きがありましたが、とてもおいしいラーメンでした。トナカイの姿を目にできませんでした。
そのあと、すぐとなりにある「ゆめ地創館」を見学しました。日本原子力研究開発機構が「高レベル放射性廃棄物」の地層処分について研究を行っているのだそうですが、その研究内容を紹介している施設がゆめ地創館なのです。原子力発電をしたあとに残る放射性廃棄物を深い安定した地層に保管する研究を行っているのです。この問題は、日本にとって避けては通れない大きな問題です。その概要を若い女性職員に説明してもらいながら見学出来ました。多少の知識はありましたのでとても興味深く見学することができました。
トナカイは見ることができませんでしたが、見たことのない施設を見学できて楽しめました。これで稚内へもどることにしました。稚内市街が近づいてきたところで自分のお腹の調子がおかしくなってしまいました。どうしようかハラハラしながら運転していましたが、市街地に入ったところで家電量販店などが見えてきました。申し訳なかったのですがケーズデンキさんのお店に飛び込んでトイレをお借りしてなんとかセーフでした。駐車場そばにトイレがありましたので助かりました。本当にありがとうございました。
ホッとしてホテルへもどりました。雪の降り方が激しくなってきていて、除雪車が活発に動いていましたが、少しずつ雪が溜まってきているようでした。ホテルで一服してからいつみさんへ出かけました。外へ出ると、昼ごろの風とは違ってますます強くなっていました。ちょっと油断すると身体が持っていかれます。建物のかげから出て、吹き抜けになっている通りを横断するときが一番大変でした。大した距離ではないのですが慎重に歩きました。また、こんな天気でお店を開けているのかとも心配しながら向かいました。
お店に入ると、自分が一番目のお客でした。昨夜と同じ席に座って、さっそくルイベを2種類と国稀を頼みました。この日は、1人用でも作ってくれるので、名物のタコしゃぶもいただきました。心配していましたが、こんな天気でも呑兵衛には関係ないようで、3組の方がその後来店されたのでホッとしました。大徳利3本を仕上げて、よくお礼を言ってお店をあとにしました。オーナーシェフと女将さんがとても丁寧に送り出してくれました。気持ちの良いおいしいお店でした。
ホテルへもどって、この夜もバーへ行きました。いま品薄になっている何年物ウィスキーを特別価格で提供してくれるサービスが行われていましたので、ニッカの「竹鶴17年」をまずいただきました。やはりおいしかったです。もう一組のお客さんしかいませんでした。昨日とは違うバーテンさんでしたが、暇そうでしたから、ウィスキーやお酒の話を聞かせてもらいました。そんな話の中でバーテンさんから欠航率第1位が稚内便なのですよ、明日は無理なのではないかなどと聞かされてしまいました。でも明るく部屋へもどって、明日の天気回復を祈りながら寝入りました。
31日の朝です。窓の外を見ても天気が回復している様子はありません。それでもいつものペースで支度して朝食をとりました。この日の朝食会場はガラガラでした。10時にチェックアウトしてクルマへ行きました。すると暴風と表現しても良い強風が吹いていたせいか、クルマについた雪はあまりありませんでした。
最後の日は、「丸源市場」と「副港市場」に行きました。丸源市場は、かつて通信販売でお世話になっていたお店です。お客は自分と数人しかいません。品定めをしてから隣の副港市場も覗きました。こちらは、開けているお店が少なくお客さんもいませんでした。でも格安の好物を見つけました。まだ時間があるからあとで買うことにしようと決めました。
外の様子を見ているとこの天候が収まる気配は感じられません。そこで、空港へ行ってみることにしました。空港のカウンターに行くと、欠航になったときの善後策の話になりました。外を見ても風が収まる気配は感じられません。稚内と旭川や札幌を結ぶJR宗谷本線の運休も決まっています。
唯一「都市間バス」、こちらのイメージとしては「高速バス」のことですが、これが運行するので、それで札幌へ出て千歳から帰られてはいかがですかと係員はいいます。ただ、バスが満席状態で席が取れるか分からないとのこと。そう言ってくれるので、ではバスの席の確保をお願いしました。そして、しばし待ちました。その結果席が取れたとのことで、これで帰ることにしました。
このバスは稚内駅から出ます。自分のレンタカーは空港営業所へ帰すことになっています。航空便が欠航になると空港連絡バスも運休になります。この辺のところをレンタカー事務所へ行って相談すると、駅まで送りますとのこと。これでレンタカーを返却しました。そして駅まで送ってもらいました。このため、先ほど市場で買おうと決めていた水産物は買えないことになってしまいました。
駅前でバスに乗る前に昼食をとることにしました。前回もいただいた「たからや」さんへ入りました。塩ラーメンをいただきました。相変わらず、おいしい塩ラーメンでした。そしてバスに乗り込みました。なんと、3列シートでトイレ付、音声サービスがイヤホンで聞けるという、高速バス、高速夜行バス仕様のバスでした。これで6時間半の移動となりました。最初は、昨日通った幌延への国道を通ります。そのうちに、日本海側へ出ました。以前何度かドライブした道を進みます。
バスは、日本海沿いを、特徴的な風力発電機の林立した地域を通って進みます。羽幌の町営ホテルがある「サンセットプラザ」で1回目の休憩、留萌を経由して深川から道央道に入り砂川サービスエリアで2回目の休憩をして、JR苗穂駅を経て、札幌駅前へ着きました。
ここから鉄道に乗り換え、快速エアポートライナーで千歳空港へ向かいます。空港には20時ちょうどに着きました。手続きを済ませて、空弁を買って機上の人となりました。この便はほぼ満席状態でした。このあといつものように乗り継いで、ぎりぎり1月中に家にもどりました。本来は、18時ごろには家にもどれる予定だったのでしたが。
ちょっと疲れた、得難い体験をした、バス代6,200円などの余計な出費も伴った真冬の稚内旅行でした。
昨年秋に思い切って買ったダウンコートが役に立ちました。なお、この旅行でもいわゆるももひきというかズボン下の類を着ないで過ごしてきました。それほど寒くは感じませんでした。だからなにと言われそうですが。
そして気づいたこと一つ。欠航などの心配がある旅行のときは、旅行保険で欠航等の費用補償保険に入っておく必要があるということです。保険関係の仕事をしていながら、このことに気づかず、恥ずかしいことでした。
今度の場合のようなときは、空席がある限り同じ会社の航空便ならばどの区間でも差額の心配なく乗ることができます。しかし、その便の出発地までの移動費用は自分持ちになります。また、宿泊して翌日以降の便にも振り返られます。ですが、宿泊費用は自分持ちです。こんなルールになっています。
でも、これにこりず旅行をしようと思います。今度はどこへ行きましょうか。
(了)
そのあと、すぐとなりにある「ゆめ地創館」を見学しました。日本原子力研究開発機構が「高レベル放射性廃棄物」の地層処分について研究を行っているのだそうですが、その研究内容を紹介している施設がゆめ地創館なのです。原子力発電をしたあとに残る放射性廃棄物を深い安定した地層に保管する研究を行っているのです。この問題は、日本にとって避けては通れない大きな問題です。その概要を若い女性職員に説明してもらいながら見学出来ました。多少の知識はありましたのでとても興味深く見学することができました。
トナカイは見ることができませんでしたが、見たことのない施設を見学できて楽しめました。これで稚内へもどることにしました。稚内市街が近づいてきたところで自分のお腹の調子がおかしくなってしまいました。どうしようかハラハラしながら運転していましたが、市街地に入ったところで家電量販店などが見えてきました。申し訳なかったのですがケーズデンキさんのお店に飛び込んでトイレをお借りしてなんとかセーフでした。駐車場そばにトイレがありましたので助かりました。本当にありがとうございました。
ホッとしてホテルへもどりました。雪の降り方が激しくなってきていて、除雪車が活発に動いていましたが、少しずつ雪が溜まってきているようでした。ホテルで一服してからいつみさんへ出かけました。外へ出ると、昼ごろの風とは違ってますます強くなっていました。ちょっと油断すると身体が持っていかれます。建物のかげから出て、吹き抜けになっている通りを横断するときが一番大変でした。大した距離ではないのですが慎重に歩きました。また、こんな天気でお店を開けているのかとも心配しながら向かいました。
お店に入ると、自分が一番目のお客でした。昨夜と同じ席に座って、さっそくルイベを2種類と国稀を頼みました。この日は、1人用でも作ってくれるので、名物のタコしゃぶもいただきました。心配していましたが、こんな天気でも呑兵衛には関係ないようで、3組の方がその後来店されたのでホッとしました。大徳利3本を仕上げて、よくお礼を言ってお店をあとにしました。オーナーシェフと女将さんがとても丁寧に送り出してくれました。気持ちの良いおいしいお店でした。
ホテルへもどって、この夜もバーへ行きました。いま品薄になっている何年物ウィスキーを特別価格で提供してくれるサービスが行われていましたので、ニッカの「竹鶴17年」をまずいただきました。やはりおいしかったです。もう一組のお客さんしかいませんでした。昨日とは違うバーテンさんでしたが、暇そうでしたから、ウィスキーやお酒の話を聞かせてもらいました。そんな話の中でバーテンさんから欠航率第1位が稚内便なのですよ、明日は無理なのではないかなどと聞かされてしまいました。でも明るく部屋へもどって、明日の天気回復を祈りながら寝入りました。
31日の朝です。窓の外を見ても天気が回復している様子はありません。それでもいつものペースで支度して朝食をとりました。この日の朝食会場はガラガラでした。10時にチェックアウトしてクルマへ行きました。すると暴風と表現しても良い強風が吹いていたせいか、クルマについた雪はあまりありませんでした。
最後の日は、「丸源市場」と「副港市場」に行きました。丸源市場は、かつて通信販売でお世話になっていたお店です。お客は自分と数人しかいません。品定めをしてから隣の副港市場も覗きました。こちらは、開けているお店が少なくお客さんもいませんでした。でも格安の好物を見つけました。まだ時間があるからあとで買うことにしようと決めました。
外の様子を見ているとこの天候が収まる気配は感じられません。そこで、空港へ行ってみることにしました。空港のカウンターに行くと、欠航になったときの善後策の話になりました。外を見ても風が収まる気配は感じられません。稚内と旭川や札幌を結ぶJR宗谷本線の運休も決まっています。
唯一「都市間バス」、こちらのイメージとしては「高速バス」のことですが、これが運行するので、それで札幌へ出て千歳から帰られてはいかがですかと係員はいいます。ただ、バスが満席状態で席が取れるか分からないとのこと。そう言ってくれるので、ではバスの席の確保をお願いしました。そして、しばし待ちました。その結果席が取れたとのことで、これで帰ることにしました。
このバスは稚内駅から出ます。自分のレンタカーは空港営業所へ帰すことになっています。航空便が欠航になると空港連絡バスも運休になります。この辺のところをレンタカー事務所へ行って相談すると、駅まで送りますとのこと。これでレンタカーを返却しました。そして駅まで送ってもらいました。このため、先ほど市場で買おうと決めていた水産物は買えないことになってしまいました。
駅前でバスに乗る前に昼食をとることにしました。前回もいただいた「たからや」さんへ入りました。塩ラーメンをいただきました。相変わらず、おいしい塩ラーメンでした。そしてバスに乗り込みました。なんと、3列シートでトイレ付、音声サービスがイヤホンで聞けるという、高速バス、高速夜行バス仕様のバスでした。これで6時間半の移動となりました。最初は、昨日通った幌延への国道を通ります。そのうちに、日本海側へ出ました。以前何度かドライブした道を進みます。
バスは、日本海沿いを、特徴的な風力発電機の林立した地域を通って進みます。羽幌の町営ホテルがある「サンセットプラザ」で1回目の休憩、留萌を経由して深川から道央道に入り砂川サービスエリアで2回目の休憩をして、JR苗穂駅を経て、札幌駅前へ着きました。
ここから鉄道に乗り換え、快速エアポートライナーで千歳空港へ向かいます。空港には20時ちょうどに着きました。手続きを済ませて、空弁を買って機上の人となりました。この便はほぼ満席状態でした。このあといつものように乗り継いで、ぎりぎり1月中に家にもどりました。本来は、18時ごろには家にもどれる予定だったのでしたが。
ちょっと疲れた、得難い体験をした、バス代6,200円などの余計な出費も伴った真冬の稚内旅行でした。
昨年秋に思い切って買ったダウンコートが役に立ちました。なお、この旅行でもいわゆるももひきというかズボン下の類を着ないで過ごしてきました。それほど寒くは感じませんでした。だからなにと言われそうですが。
そして気づいたこと一つ。欠航などの心配がある旅行のときは、旅行保険で欠航等の費用補償保険に入っておく必要があるということです。保険関係の仕事をしていながら、このことに気づかず、恥ずかしいことでした。
今度の場合のようなときは、空席がある限り同じ会社の航空便ならばどの区間でも差額の心配なく乗ることができます。しかし、その便の出発地までの移動費用は自分持ちになります。また、宿泊して翌日以降の便にも振り返られます。ですが、宿泊費用は自分持ちです。こんなルールになっています。
でも、これにこりず旅行をしようと思います。今度はどこへ行きましょうか。
(了)