つくすの折にふれ

旅の思い出などを

土日列車旅 ③

2015-09-05 07:54:11 | 旅行
 2日目の朝です。4時過ぎに目覚めました。起きるのにはちょっと早すぎるのですが、2度寝して寝坊するのも心配なので、そのまま起きて身支度を始めました。そして6時過ぎにホテルを出ました。ちょっと雨が強く降っているのですが、駅は目の前なので傘もささずに向かいました。駅前のコンビニでおにぎりを買って列車に乗り込みました。羽越本線の酒田行き普通列車がこの日のスタートです。
 日曜日ですので、高校生もそれほどいなくてかなり空いています。さっそくおにぎりで朝食です。食べているうちに6時16分の発車時刻になり、雨の中列車は出発しました。白鳥で有名な瓢湖のある水原駅、温泉が有名な月岡駅などなじみのある地名が過ぎていきます。そして坂町駅で乗り換えます。ここからは山形県の米沢とを結ぶ「米坂線」に乗り換えます。
 7時42分発の列車に乗り込みます。米坂線は初めて乗る線です。越後○○、という駅が続いたあと「小国」駅になります。ここからは山形県です。淡々と列車は進みます。「今泉」駅は山形鉄道フラワーラインとの乗り換え駅です。フラワーラインを見ると、前職のころの大昔、この線に乗って長井市を訪ね、再開発ビル「TAS」を見学させてもらったことが思い出されました。そして、米沢に10時前に着きました。
 ここでも乗り換えに40分ほどありますので、駅を出て周辺を歩いたのですが、自分が望むようなお店は見つからず駅へもどりました。そして、今度は、山形新幹線と同じ線を走る奥羽線に乗り換えます。10時41分発の電車で山形へ向かいます。さすがにこの地方の中心都市山形市・米沢市を結ぶ路線です。いままでの線とは違って乗客の数が違いました。11時26分に山形に着きました。ここでも乗り換えに30分ほどありましたので、駅ビルのなかを一回りしたのですがここにも自分に合うような店が見つからず、次の列車に向かいました。
 ここからは「仙山線」で仙台に向かいます。今回の旅行では、最北を移動する列車になります。11時59分発の列車です。山形駅でおにぎりを買って乗り込みます。出発して間もなくすると「山寺駅」になります。雨模様でしたが、山寺のがけの上のお堂が見えています。その山寺を参拝するのでしょう、この駅では外国人を含む乗客が降りていきました。自分は、山寺の方からこの鉄道を見下ろしたことは5回ほどあるのですが、この鉄道から山寺を見上げるのは初めてでした。
 そして、温泉で有名な作並駅を過ぎて、仙台へと下って行きます。だんだんと沿線の風景が変わってきて、都市的になり、高層建築物が見えて来て仙台中心部になります。13時15分に仙台駅へ着きました。これからは、東北本線を上って行くことになります。
 13時30分発の電車で福島に向かいます。名取駅あたりまでは乗客も多く首都圏の電車と同じ雰囲気です。でもこの駅を過ぎるころからローカル線の感じになり、席もガラガラ状態です。そして、終着の手前から少し混むようになり、福島駅へ14時55分に着きました。
 ここで電車を、郡山行きに乗り換えます。15時04分発です。そして15時52分に郡山に着きました。ここから水郡線に乗り換えるのですが、そのホームが分かりにくいのです。構内放送で間もなく発車ですと、盛んに急かしてくれるのですが2番4番ホームの先に3番の水郡線乗り場ホームがあるのです。ホームにはピンクの線で誘導してくれてはいるのですが、それに気づくのが遅れて、ダッシュして乗り場へ向かいました。どうやら無事に乗り込むとすぐに発車でした。
 2両編成のディーゼルカーです。この列車は車両そのものが新しく、また塗装は明るくきれいでした。車内はほぼ満席状態でしたが座ることができました。ここからはこの冬に続いて2回目の乗車です。駅名も、風景もなんとなく記憶に残っています。進むうちに車内が空いてきます。それから残っていたいいちこを飲みました。そして、遠くに灯りが集まって見えるようになります。水戸駅が近づいたということです。そして、19時05分に水戸駅へ着きました。ここから常磐線に乗り換えます。
 19時10分発の電車に乗り換えました。そのとき、ホームの表示に19時30分発小山行きがあったのですが、ぼんやりと見過ごしてしまい、そのまま友部へ向かいました。友部からは水戸線で小山へ向かいます。友部駅で24分の待ち合わせ時間があったのですが、駅構内にはなんのお店もありません。こんなことなら、水戸で小山行きの列車を待って、水戸で買い物するなり、駅そばを食べるなりすればよかったと後悔しました。この辺が調査不足でした。
 19時49分発の電車で小山駅へ向かいます。この電車には酔っ払って盛り上がっている老人2人組、ところかまわず動いて大声を出す外国人の子どもがいて、乗客の数にしてはにぎやかな車両でした。そして20時55分に小山に着きました。
 ここからは「宇都宮線」に乗り換えて上野へ向かいます。21時04分発の快速ラビットに乗り換えました。日曜夜の上りでしたがガラガラというほどではない乗客でした。そして、22時08分に上野へ着き、常磐線へ乗り換えます。ぎりぎり22時10分発の土浦行きに間に合い、22時40分ごろ柏駅にもどりました。
 2日目の行程688.8キロメートルの列車旅は無事完遂できました。2日間で1238.2キロメートルにわたる列車旅になりました。この間、食事場所でとれた食事は1日目の昼食のみでした。あとは列車のなかでいただいたおにぎりばかりでした。週末パスの値段は8,730円。この値段分よりは多くJR線に乗ることができたと思います。ただ、普通列車のみで移動するのは、地方ローカル線の運転本数が少なくなっておりなかなか大変でした。
 何がおもしろくてと、笑われそうというよりも笑われているのかも知れませんが、目標を見つけて安い費用でそれをやりきることに、すこしはおもしろさを感じているのです。
 次は、中国地方の在来線の走破を計画してみたいと思っています。
 (了)

土日列車旅 ②

2015-09-04 10:09:41 | 旅行
 代行バスが来ました。この冬にお世話になった女性運転手のバスです。このパスには、旅行客ばかりでなく通学の高校生も乗ります。ほぼ30人ほどの乗客を乗せたバスは、15時35分に只見駅を目指し、駅ごとにお客を下ろしながら走ります。前回は大雪で見ることができなかった、ダム湖や川が見えています。また途中、福島のマッターホルンと称される「蒲生岳」(標高828メートル)が見えました。たしかに、そう思わせるような山の姿でした。そんな景色のなかバスは走ります。
 そして、只見駅に16時20分過ぎに着きました。20人ほどの人が乗っていました。ここからの只見線の発車時刻は18時35分です。2時間余りの待ち時間があります。ですから、インターネットで駅周辺のお店を探しておきました。このお店は、17時から再開となっていましたので、只見駅周辺をのんびり散策しました。
 C58の展示もありました。昭和漫画館の看板が出ていましたが休業中のようでした。店らしい店がほとんどないといっていい静かな町を一回りして時間調整して、17時過ぎにそのお店に行ったのですが、まだ「準備中」の札がかかっていました。たぶん声をかければ受け入れてくれたのでしょうが、なぜかその気にならず駅へもどりました。駅のベンチで、タブレットで遊びながら、いいちこを飲んで時間待ちをしました。
 代行バスの運転手さんに、この冬のことを話しましたら、そうそうそんなことがありましたねと思い出してくれました。そんな会話もしながら過ごしているうちに、越後川口へもどる代行バスは、乗客1人を乗せて走って行きました。18時を過ぎるとだれもいなかった駅にぽつぽつと乗客がもどってきました。そして18時30分前に折り返し小出行きとなる列車が只見駅に入ってきました。そして乗り込みます。
 7か月待った列車です。2両編成のディーゼルカーですが10人ほどの乗客です。そして定刻に発車しました。自分は駅の建物側の席にいて外を見ていたのですが、ほぼ日が暮れて真っ暗に近くなっています。すると、そこに女性3人と、駅員さん1人が並んで手を振って送ってくれていたのです。自分は手を振り返すことができたのですが、何人の乗客が気づけたのかと、ほのぼのと嬉しく思いながら申し訳ない気もしました。
 外の景色はもうまったく見えません。そんななかを淡々と列車は進みます。沿線にすこしずつ灯りが見えるようになってきます。駅の周辺が少しずつ明るくなってきます。乗客も乗り込んでくるようになります。そして、19時50分前に小出駅に着きました。ここからは上越線に乗り換えなのですが、その列車まで1時間20分ほどあります。
 駅を出て見ました。すると駅前にそばやさんがあります。近くに行くと「へぎそば」の文字が見えます。ただ、お客はだれも入っていません。どうしようかと迷いながら店を過ぎると反対側に「もつやき」の旗と赤ちょうちんが見えます。もつやきは苦手だがと思って近くまで行くと、お客さんの声が複数しています。では、まずここで一杯やって、仕上げはそばやでと決めてお店に入りました。
 メニューを見ると、お酒は230円です。おつまみの値段も1本何十円とか、1皿200円、300円です。なにかうれしくなりました。カウンターの中には女将さんが一人です。カウンターには自分も入れて6人のお客です。早速お酒をいただきました。すると、受け皿付きのコップにやかんからお酒をなみなみと注いでくれました。
 お通しは、キャベツ中心の漬物で、これがうまいのです。お酒の燗もいい具合で、するすると喉をとおります。お酒のお代わりと、漬物のお代わりもお願いして呑ませていただきました。モツ系のつまみが苦手なものですから、厚揚げを焼いてもらいました。この厚揚げが実にうまかったのです。外はしっかり焦げ目がついているのですが、中はトロトロといった感じで、自分がいつも食べている厚揚げとは別物でした。そのことを女将さんに話すと、東京の方から来た人は、みんなそういうよと言っていました。
 3杯4杯と呑むうちに、となりのお客さんとも喋るようになりました。地元の方でまつりの世話役を務めている人でした。人集めに苦労している話、まったく協力してくれない家も出てきた話など、地域をまとめていくことのむずかしさを、分かりあいながら話しました。そして、列車よりはちょっと早い時間に腰を上げました。会計は1,480円でした。安く楽しめました。このお店で一番高いのはビールで600円です。あとから入ってきた地元のお客さんがビールを頼んだのですが、そのときに、これがこの店では一番高いのだからとなんとなく盛り上がってしまいました。
 少し早目に出たのはそば屋が頭にあったからでしたが、残念ながら既に暖簾が下げられて暗くなっていました。仕方なく、駅へ入りつぎの列車を待ちました。21時11分の長岡行きに乗り込みました。さすがに上越線は幹線です。けっこう乗客が乗っていました。そして長岡で、22時04分発の新潟行きに乗り換えました。この電車もそこそこの乗客がいました。そして、いつのまにかウトウトしてしまい、ふと気付くと降りる駅の新見に着いていました。本当にすれすれで、なんとか無事降りることができました。
 この日の予定、549.4キロメートルの列車旅は完遂できました。
 駅前のホテル「美好」に無事チェックインできました。このホテルはこの冬も予約していたホテルで、大雪でドタキャンしてしまったホテルでした。その心残りを一応果たすことができました。そして、部屋へ入ると、街を探索する気力も残っておらず、素直に眠りに着きました。
 (つづく)

土日列車旅 ①

2015-09-03 10:41:05 | 旅行
 JRのおトクな切符に「週末パス」があります。南東北までの路線を、土日の2日間、普通列車に乗り放題という切符です。これを使って、8月の最終土日に列車旅をしてきました。
 今年1月にも実行したのですが、そのときは、大雪で「只見線」が不通になり、計画を完遂できなかった列車旅の再挑戦でもありました。
 この日は午前3時過ぎに目覚めましたので、2度寝して遅れることを心配してそのまま起きだして準備を始めました。時間がありましたので、朝食も用意して食べて、洗濯サイクルに合った洗濯ものは洗濯して部屋干しするなど、日ごろやっていることを片付けて野田市駅へ向かいました。残念ながら小雨模様です。折り畳み傘をさして歩いて行きました。
 この傘、バーバリー風がらの傘で、娘たちには、モドキそのものと笑われてしまう傘なのですが、最近の自分の旅行にはよくお供してもらっている傘なのです。
 駅へ着くと、ちょうど1本前の始発電車が出発するところでした。5時9分発の2番電車が予定の電車です。余裕をもって乗り込めました。多分、このあとは傘を使うこともないので、ガラガラの車内ですので、傘を干しながら柏へ向かいます。ほぼ乾いた、傘を折りたたんで、バッグのホルダーへ納めて柏で乗り換えます。
 今度の旅行は、ほぼずっと小雨模様でしたが、結局、傘を2度と使わなくて済みました。
 柏から、5時38分の勝田行きに乗り込みます。列車はガラガラです。ボックス席のついている列車後部に乗り、持ってきた文庫本に目を通しているうちに、水戸につきました。ここで、7時02分発のいわき行きに乗り換えます。ここからは、ベンチシートです。学生や生徒がけっこう乗っています。
 いつも不思議に思うのですが、水戸・勝田間が重複しているのはなぜなのでしょうか。車両基地と県庁所在地のためなのでしょうか。
 そして、いわきで8時41分発の磐越東線郡山駅行きに乗り換えます。ここからはディーゼルカーです。新しい型の車両で、一人掛けのボックス席に乗りました。車内はそれほど混んでいませんので、ここで、いつもの「いいちこ・シルエット」を空けました。愛用していた錫製のぐい飲みを昨年の北海道列車旅で紛失していましたので、今回は、青い切り子のものを使います。ちびりちびりいただきながら進みます。
 この路線の山越えのところなどは、小枝が車両に当たってシュッシュッと音を立てています。景色が見通せるところでは、よくある墨絵のような山あいから霧が立ち上るような景観で、なかなかきれいです。そして、郡山に10時20分に着きました。
 今度は、10時45分発の磐越西線・会津若松行き快速会津に乗り換えます。もう列車はホームに入っていて待っています。この日は土曜日のせいなのでしょうか、すでに車内は混み始めています。自分は、最後部の2人掛けベンチシートに座りました。すこし立っている乗客もいるのですが、自分の隣の席は終点まで空いていました。
 右手には磐梯山の稜線の一部が雨雲の途切れたところから見えています。左手には猪苗代湖のはずなのですが、窓が曇っていて見ることができませんでした。そして、11時48分に会津若松駅へ着きました。
 前回は、ここから喜多方まで往復したのですが、今回はそれはやめて昼食をとることにしました。外は雨模様です。駅に隣接してあるラーメン屋さんに入りました。ちょっとラーメン屋さんらしからぬ店構えです。まわりを見回してもラーメン屋さんらしいお店は見当たりませんので、このお店に入りました。メニューの品数が豊富です。でも、平凡に中華そばにしました。ちょうどお昼時ですから次々とお客さんが入ってきます。大して待つこともなく中華そばが来ました。
 ちょっと太めのちぢれ麺、チャーシューが3枚入っています。スープは魚貝系も入っています。とてもおいしい中華そばで、選んで正解でした。「めでたいや」という名のお店でした。家へもどってから調べたら、「めでたいや」という人気店の第2号店で店の名前も正確には「COCOめでたいや」というのだそうです。今度行くことがあったら、バジルなどが使われたイタリアン風のラーメンにでも挑戦してみましょうか。
 しばし駅で休憩して、13時07分発の只見線越後川口行きに乗りました。さすがに土曜日、席がほぼ埋まるくらいの混みようです。2両連結のディーゼールカーでしたが、自分の乗った車両は冷房がなく扇風機が回っていました。久しぶりに窓を開けて風に当たりながら乗りました。隣には少し先輩ぐらいの年の男性2人組、けっこういろいろ食べながらおしゃべりしています。ウィスキーの小瓶が出てきて飲んでもいます。自分はラーメンを食べたばかりでしたので、文庫本を読んだり、景色をぼんやり眺めたりしていきました。
 その内に車内がだんだんと空いてきます。すると2人組は別の車両へと移って行きましたので、自分もぐい呑みを出して少しずついただきました。樹の間から只見湖が見えています。緑濃いいい景色です。そして、約2時間15時02分に越後川口に着きました。このころ、ここは青空が見えてすこし暑くなっていました。
 ここからは、鉄道が不通のため、バス代行区間になります。
 (つづく)