つくすの折にふれ

旅の思い出などを

八ッ場ダムの空っぽを見てきた旅行

2019-11-23 03:51:55 | 旅行
 今年も中学時代の同級会旅行ができました。
 自分たちは野田市立第二中学校の十一回生です。卒業時は3年4組でした。その同級会がいまも続いています。担任の先生がクラスの歌として指導してくれたのが「あすなろの歌」でした。これはシューベルトの菩提樹の曲で先生が作った「あすなろ」の詞を歌ったものです。朝夕のホームルームで歌いました。それで同級会を「あすなろ会」と称しています。
 今年も9月の第4日曜日と月曜日の1泊2日の行程で旅行をしてきました。今年は参加者が若干減って男6人、女3人の9人で草津温泉へ行きました。
 参加者は野田市から8人、東京から1人です。大宮駅で全員集合になります。
草津ですので新幹線では早く着きすぎてしまいます。在来線の特急「草津1号」で行くことにしています。大宮駅で全員そろってホームに行きます。ホームには予約しておいたお弁当が届いていました。ドリンク類も購入しました。
 10時26分発の特急「草津1号」に乗り込みました。そして早めのお昼を広げながら飲み物をいただきます。自分は氷結ストロングの500缶をいただきます。それぞれの席で話が弾みました。中でも同級生の一人が間もなく父親になるのです。父親です。そんなことにも話が弾みました。そのうちに、列車は上越線から吾妻線に入っていきます。車窓は山の景色です。ほんの少し色づいていましたが、紅葉はもう少しあとになります。
 12時18分に「長野原草津口」に着きました。ここで路線バスに乗り換えて草津温泉へ向かいます。5台のパスが待っていました。急ぐ旅ではありませんので、自分たちは最後の5台目に乗りました。13時過ぎに草津温泉バスターミナルに着きました。この日の予定は温泉街の散策です。まず、ホテルへ荷物を預けに行きます。この日の宿はホテル「櫻井」です。老舗の大型ホテルです。荷物をお願いして散策に出ます。
 まずは「湯畑」です。歩き始めて思ったのですが、街並みがいい雰囲気になっていることです。セブンイレブンも緑と赤の配色ではなく、茶色の配色になっています。そんなことに代表されるように街全体の景観を大事にしていることに気づきました。また、客層も若い人たちがとても多いように感じました。
 湯畑周辺はたくさんの観光客がいました。湯畑を囲んでイベント広場や小劇場、「湯もみ」を披露する「熱の湯」や足湯の「湯けむり亭」などか整備されています。食堂や土産物店などにもたくさんの観光客がいて賑わっています。それも自分たちのような年寄りグループではなく、若いカップルやお子さんを連れた若夫婦たちなど現役世代の観光客がたくさん来ていました。何十年ぶりかで訪れた自分にはちょっとした驚きでした。
 さらに歩いて「西の河原公園」に向かいました。この通りの両側もお土産品店、お蕎麦屋さんなどが並んでいます。この旅行には女性3人が参加していますので、お店を覗いて買い物を楽しみながら進みます。のんびり歩いて公園に着きました。湯の川が流れていると言っていいのでしょう。公園周辺の河原からは湯気が立っています。一番奥には有料の「露天風呂」があります。その手前には足湯があります。
 買い物を楽しんだのんびり組と少し距離が空きました。そこで自分は、列車で呑もうと思って持っていたお酒がありましたので、マイぐい吞みを取り出してちびりちびり楽しみました。追いついてきた仲間にも飲んでもらいました。そしてホテルへもどりました。ホテルは見えていて、距離はないのですが、かなり登っていくことになります。ゆっくりと歩いて帰りました。
 今回はJTBの、交通機関とホテルがセットのパッケージプランを使いました。ホテル櫻井の6階の広い部屋で3人ずつの部屋割りです。ホテルの売店でビールなどを購入して各部屋に届けて冷蔵庫に入れてもらいました。そして三々五々入浴しました。とても大きなお風呂です。自分は露天風呂も楽しみました。そして部屋で冷たいビールをいただきました。おしゃべりしているうちに夕食の時間となり食事場所へと移動しました。
 食事会場は、畳敷きでしたがテーブル席をお願いしています。ほぼ2時間、おしゃべりして食事を楽しみました。この会では食事場所にカラオケをセットしません。多分毎回同じような話をしているのだと思いますが、いつの間にか時間が過ぎてしまいます。食事会を終わらせて、ホールでの従業員によるショータイムを楽しみました。草津の湯もみ体験を希望者がして、盆踊りがあり、最後は太鼓ショーです。この太鼓は人数も多くて、とても迫力があります。一生懸命演じられるショーを楽しみました。
 続いてカラオケボックスで歌を楽しみました。とても和やかに盛り上がりましたので、時間延長をお願いに行きますと、2時間制ですからまだ時間がありますよとのことで、さらに歌を楽しみました。参加者9人全員が歌を披露してくれてとても盛り上がりました。部屋へもどって、三次会をしてから休みました。
 2日目です。早朝からお風呂に楽しんだりしたのち朝食に行きました。今回の旅行では時間がゆっくりとってあります。モーニングビールもいただきながらバイキングの朝食を楽しみました。
 今回の旅行では、この日の行程に頭を悩ましました。列車を使っての旅行では、列車の時間はもちろん路線バスの時間にも気を使わなくてはなりません。そんなことから、最終的にまとめたのは「八ッ場(やんば)ダム」の見学を入れることでした。その移動にはジャンボタクシーを用意しました。9時にホテルへの迎えをお願いしてあります。そのタクシーで2日目の行程をスタートしました。
 まず、「八ッ場ふるさと館」と名付けられた道の駅に行きました。新しい道の駅でたくさんのお客が入っていました。ここで買い物などを楽しみました。それから「川原湯湖畔公園」に向かいました。ここが八ッ場ダムの工事現場見学の出発点なのです。自分たちが着くと、もうすでにたくさんの人がいました。予定人員が決まっているというので、受け付けてもらえるのか少し心配でしたが、無事済みました。そして、国土交通省の女性職員に案内してもらって見学しました。
 実は、この日は9月30日でした。10月1日から試験湛水に入る前日に当たっていました。このダムの高さは110メートル余りです。ダム湖の底になるところの道路や旧鉄道線、建物などが見えていました。そんな日でしたので、ダムを上から見下ろす形での見学しかできなくなっていました。それでもスケールの大きさはよく分かりました。
 それを見ていましたので、後で驚くことになりました。10月のいくつもの台風による大雨で、各地で洪水が多発したことはご承知のことと思います。その雨で、このとき空っぽだった八ッ場ダムのダム湖はほぼ満水になってしまいました。この新ダムの治水効果のおかげで、利根川流域に住んでいる自分たちは救われたのではないかと思いました。自然のすごさと、これと共存しなくてはならない人間の知恵などを考えさせられたできごとで、長く記憶に残るだろうと思います。
 ダムの見学のあと、「浅間酒造観光センター」まで行きました。清酒工場が併設された観光ドライブインで、日本一のドライブインと評価されたところのようです。ここのレストラン「郷土料理さくら亭」に予約していました。ここでタクシーとはお別れしました。ここからはこのドライブインのクルマで長野原草津口駅まで送ってもらえます。タクシー代は、3時間で1万2千円ほどでした。このコース取りが一番コスパが良かったと思います。
 9人のメンバーがそれぞれ好みのメニューを注文して昼食をとりました。もちろん生ビールなどをいただきながら食事を楽しみました。そしてドライブインのワゴン車で長野原草津口まで送ってもらいました。ほかのお客さんもいたので2便に分かれましたが、無事駅について13時07分発の特急「草津2号」に乗って帰ってきました。大宮駅に15時過ぎに着いて、ここで解散しました。自分は、友だちと一緒に、東京から参加してくれた女性と軽くワインをいただきながらおしゃべりして野田へともどりました。
 草津温泉へのクラス会旅行は、和やかに楽しく、無事に終わりました。

吉備路と岡山の小ぐり

2019-11-07 04:14:09 | 旅行
 8月の末に岡山に行ってきました。たまたまお盆や地域の盆踊り、関係している団体の行事が一段落する時期だったのです。それを見越して、久しぶりにJALの「どこかにマイル」を申し込んだのですが岡山空港行きが割り当てられたのでした。そのとき提示されたのは、長崎、大分、釧路、岡山の4空港でしたが、その内岡山空港に決まったということです。
 旅行したときに思ったのですが、ちょうど長崎から広島県にかけて、異常ともいうべき大雨が連日降ったときでしたので、まだ、岡山で良かったと思ったのでした。もちろん岡山でも雨に遭いましたが、そのタイミングが自分にはよくて、観光の支障になることはほとんどありませんでした。
 8月28日の昼過ぎの便で出発します。朝の内は用件を片付けて野田市駅から出発しました。途中柏でも用件を済ませて、品川経由の京急利用で羽田へ向かいました。出発便は、機材の到着遅れで出発時間が10分繰り下げられました。無事に乗り込んで出発したのですが、空港の離陸待ちでまた時間がかかったようでした。岡山は近いので、氷結チューハイを1本呑んでぼんやりと過ごしました。
 岡山空港から市街地はバスで30分弱とわりと近くです。岡山駅の西口のバスターミナルに着きました。今回の自分のホテルは「コンフォートホテル」で、東口側です。駅の自由通路でそちら側に出て、岡山城・後楽園方面に向かって歩いて行きました。市電に乗れば楽ですが歩きました。ときおり雨も降ります。折り畳み傘を出していきました。ホテルのすぐ近くに「岡山シンフォニーホール」があります。あまり音楽ホールらしからぬ建物です。
 まずチェックインして、部屋で一息つきました。夕食前に岡山城と後楽園を散策しようと思っていたのですが、小雨模様が続いていますので、無理をせず部屋でのんびりしました。そして、5時前に出て夕食に出かけました。岡山には数年前に来たことがあり、そのときは、太田和彦番組情報による「さわぐち」と「小ぐり」を訪ねました。今回も調べたのですがさわぐちは、いまはやっていないようでしたので小ぐりを訪ねました。
 お店にはすんなりと行けました。無事カウンター席につくことができました。燗のお酒はなにがいいでしょうかと伺うとすぐに「喜平」がいいですねとのこと。それをお願いしました。お造りの盛り合わせ、ままかり、おこぜの唐揚げなどを肴にのんびり飲ませていただきました。お通しの料理も手がかかったとてもおいしいものでした。
 カウンター内では、専ら大将が包丁を振るい、その補助をなかなかきれいな若い女性が務めていました。大将が声を出すと、ほかの従業員は間髪を入れずに返事をします。ちょっと緊張感を感じる雰囲気がありました。もう詳しいことは思い出せませんが、おいしい料理をいただいて7本ほどもお酒をいただきました。それで席を立ったのですが、明日も来ますので席をとっておいてくださいと頼んでお店を出たのでした。
 この日はまっすぐにホテルへもどり休んだのでした。
 2日目です。朝から好天で汗ばむ陽気です。ホテルで朝食をとってからレンタカーの営業所を目指しました。オリックスレンタカーにしていました。大汗をかきながら営業所へ着きましたが、予約が入っていないというのです。岡山駅の東西に営業所があり、それはしっかり意識して予約したのでしたが、ないというのです。でも係員が、西口の営業所に確認してくれました。すると、そちらに予約が入っているというのです。仕方なく駅を超えて西口の営業所へ回りました。そして無事フィットを借りて出発できました。
 ネットで予約しているとき、借りだし営業所と返却営業所をセットしているとき、画面がなかなか反応せず困ったのでしたが、どうもその辺に問題があったようでした。
 今回は「吉備路」を観光することにしていました。まず、総社市の備中国分寺に向かいます。20年くらい前に、当時関係していた学会の研究大会があって総社市を訪れたことがあったのですが、あのなんとも雰囲気のいい五重塔を、改めて見ようと向かったのでした。このころには曇り空で、ときどき小雨が降るような天気でした。
 クルマを駐車場に留めて、吉備路を代表する景観となっている田園風景の中に立つ五重塔の周りを散歩しました。観光客は10人ほどでしたか。使い慣れないスマホで撮影して友達にメールしてみました。
 次に雪舟で有名な「井山宝福寺」へ向かいました。こちらも観光客は数人で静かにお寺のたたずまいを見学出来ました。臨済宗東福寺派のお寺でこの地方では有力な寺院だったようです。雪舟と鼠の像もあります。重要文化財の三重塔は解体大修理を経ていますので、このお寺で最も古い600年ほど前の建築物ですが、外見上は彩色も美しく最新の建築物になっています。いまにも雨が降りそうな天気の中、林の中のお寺は静かでとてもいい雰囲気でした。
 次は今回のドライブのハイライトと思っていた「鬼城山(きのじょうざん)」に向かいます。桃太郎伝説のルーツの一つともいわれているところです。標高400メートルほどの鬼城山の山頂付近に築かれた古代の山城です。3キロ近くの城壁が取り巻き4つの門や水門のほか、建物が築かれていたことが分かっているそうです。発掘調査の結果、朝鮮半島における古代の戦いと関係のある施設と推定されています。この城壁や山門などが復元されていてなかなかの威容を見せています。
 ここへ向かったのですが、このビジターセンターまでの道はかなり狭い道でした。まずビジターセンターで展示を見学して、この概要を頭に入れて山門へ向かいました。展示説明を見ながら見学しました。山門からの眺めは、曇り空にもかかわらずとても見事です。幸い雨は落ちていませんでしたので、念のための折り畳み傘を持って、城跡を一周してみようと思いました。
 そして、曇り空ながらも気温が高いために大汗をかきながら、再建されたものもある4つの門や6つの水門などを見ながら歩きました。でも、ほとんど観光客がいないので人と合うことはあまりありません。そうすると、道は合っているのだろうかなどと不安になったりしてきます。いい年しているのに少し情けないところです。そろそろ一周が終わるかなと思ったころ、見通しがあまり展けないところに「マムシに注意」の看板があったりすると、独りがさらに不安にもなりました。でもようやく最初の山門周辺だなと思わせる景観になりホッとしたのでした。
 1時間ほど歩いてビジターセンター駐車場にもどりました。そしてドリンクを買って車に乗ろうとしたら、強い雨が降り出しました。もう数秒遅れていたら大分濡れたのではないかと思いました。冷たいドリンクを飲んでホッと、一息入れてから山を下りました。
 すると雨が上がって青空がのぞくようになりましたので、近くの備中高松城址に寄りました。戦国時代の大きな出来事の舞台になった城です。織田信長の命で中国筋の平定に向かった羽柴秀吉が、水攻めをした城です。その城跡はごく普通の住宅地に囲まれてありました。この城を水攻めにしていたときに、信長が明智光秀に討たれる本能寺の変が起きます。これを知った秀吉は、この情報を秘匿して、城主の命を差し出せば城兵たちの命を保証するとの和睦を結びます。そして「中国大返し」と呼ばれますが、軍勢を都へと返して、明智光秀を討つことになります。
 その史実の舞台となった城址でした。水攻めされるのですから、起伏の少ない平坦な地形です。そこにある石碑や説明板で忘れかけていた状況を知りました。
 このときの城主清水宗治は、秀吉から贈られた酒と肴で別れの宴をしてから、部下に城内の清掃を命じて、秀吉の本陣に向かい兄弟ら4人で切腹したのです。辞世の句は「浮世をば今こそ渡れ武士(もののふ)の名を高松の苔に残して」ですが、その場に立ち、人の世のあわれを感じさせられました。
 だんだんと岡山市街にもどりつつあります。次に「吉備津神社」へ向かいました。このころにはまた雨模様になっていました。この神社の本殿はとても大きくて立派なものです。この本殿は約600年前に建てられたもので、「比翼入母屋造」という形式で、この神社独特の造りなので「吉備津造」ともいうのだそうです。大きさは「八坂神社」に次いで2番目であり、出雲大社の2倍の大きさだそうです。国宝に指定されている本殿には、圧倒される思いがしました。また回廊も見事なものでした。
 このあとは岡山駅近くの事務所へ返却に向かいました。ガソリンを給油してカーナビの指示どおりに走ったのですが営業所に着かないのです。何度かやってあきらめて、自分の頭で考えて営業所を探しました。これで無事に返却することができました。こんなことで時間を無駄にしましたが夕食に向かいます。
 駅からですとちょっと歩きますが、無事「小ぐり」さんに着きました。お店に入ると、昨日の席が予約席として空けてありました。この日はお客さんがたくさん入っていてとても忙しそうです。そんな中で料理を頼むのに躊躇することもあったのですが、食べたいものをお願いして、喜平の燗酒とともに存分に楽しみました。最後の方でしめ鯖を頼んだのですがこれもとても旨かったです。この夜もお酒を6、7本いただきました。帰るとき、大将にもあいさつをしたのですが、にこやかな顔を見せてくれました。いい気分でホテルへもどりました。
 今回の旅行では、呑んだ後の麺類はいただきませんでした。なんか、そうしない方がいいような感じだったのです。気持ちよく眠りにつきました。
 3日目の朝です。朝食をとって、のんびりとチェックアウトしました。雨が少し強いので、ホテル近くの後楽園や岡山城には寄らないことにしました。のんびりと歩いて岡山駅へ出ました。駅ビルの「さんすて」などをぶらぶらしてから空港へ向かうことにしました。
 岡山空港ではいつもうどん屋さんの「桃太郎」に入ります。ここで時間調整をさせてもらいます。いつも入口そばのカウンター席に座って燗酒をいただきます。この日も燗酒をいただきました。すると場内放送で自分の乗る便が、到着遅れで出発時間が遅れるとのことです。お酒を追加して楽しみました。あがりはかけうどんです。自分の好きな味です。ほんのりといい気分で荷物検査を受けて機上の人となり羽田へともどりました。あとは、いつもどおり京急で品川へ、上野東京ライン直通常磐線で柏へと、そして野田へともどりました。16時過ぎには自宅へもどりました。
 小ぐりの料理と鬼城山観光を楽しむことができたどこかにマイルを使った旅行でした。
 (了)