つくすの折にふれ

旅の思い出などを

平成会の伊豆稲取温泉旅行

2020-07-01 09:52:52 | 旅行
 自分たちは、コロナ騒ぎが心配された時期に旅行を計画していました。6月19日に県をまたぐ移動の自粛要請がなくなりました。おかげで、準備していた仲間との定例旅行を、後ろめたい気分を持つことなく実行することができました。「上花輪」という地域のお祭り担当役員の同窓会である「平成会」の旅行を、6月21日、22日に実行できました。
 この旅行の宿泊先は、伊豆今井浜の名門旅館に特別価格で泊まれるプランの利用を予定していたものでした。ところが、コロナウィルスの影響で休館期間が1ヵ月延長され、自分たちの日程がキャンセルとなってしまったのでした。自分は、別の旅行計画で、三陸地方の宿泊施設からもキャンセルされていましたので、この騒ぎの影響で3泊分が施設側からキャンセルされたことになります。こういうキャンセルは自分の長い人生でも初めてのことでした。
 たまたまこの伊豆旅行の場合は、近接する伊豆稲取温泉の宿泊施設を予約出来ましたので、予定どおり旅行が実施できたのでした。
 この旅行ではJRの特急踊り子を使って行く予定でしたが、こちらの特急にも、コロナの影響で運休が出てきました。もともとは、東京駅発の踊り子を予定していましたが、これが運休となり、その前後の踊り子を検討した結果、池袋発の踊り子号に変更して予約を取りました。
 そんなことがありましたが、仲間が了解してくれましたので、21日に旅行に出かけました。池袋発なので、大宮乗り換えで出発しました。7時21分発の電車で大宮へ向かいます。良い天気であまり暑くもない旅行日和の出発でした。大宮からは埼京線ではなく「湘南新宿ライン」に乗り換えます。8時20分発の電車は25分ほどで池袋に着きます。
 駅売店で買い物をして特急を待ちます。9時14分発の踊り子5号に乗り込みます。ホームで待っているときも周りにほとんど人がいませんでした。乗り込みますと、車両に乗客は7人だけでした。自分たちは少し呑みますので、周りの方に迷惑を余りかけないように、車両の端の方の席を確保しています。この状態でしたらその配慮も必要ないほどでした。
席に着くと、仲間それぞれが持ってきた飲み物、つまみ、などが出てきます。列車の出発をタイミングに、旅行の無事を祈って乾杯しました。この列車は、池袋から、新宿、渋谷、武蔵小杉、横浜と進んでいきます。見慣れた車窓風景とはちょっと違った眺めが見られます。
 今回の車両は、踊り子号のオリジナル車両でした。車両の中間あたりに太い緑色の線が斜めに入っているあの車両です。この踊り子号には36年前に妻と娘3人の家族5人で乗ったことがありました。いつもはマイカーを使った旅行をしていたのでしたが、末っ子が3歳半になったこともあり、公共交通機関を使った旅行を経験させたいと思って行った旅行ででした。伊豆半島を西海岸から東海岸へと回った2泊3日の旅行の際でした。そのころから走っていた踊り子の車両でした。したがって座席もすこし窮屈でしたが、車内はガラガラでしたので飲み物をいただきながらゆったりした気分で楽しめました。
 12時14分に伊豆急下田駅へ着きました。今回の切符は「南伊豆フリー乗車券(6,270円)」を利用しています。乗車区間は「東京都区内」からとなっています。大宮で入場するときは「Suica」で入っていますので、大宮から東京都区内駅までの運賃310円を清算しなければなりません。これを精算所でしてもらって駅を出ます。
 ここで昼食の予定にしていました。駅近くの「やぶ」というお蕎麦屋さんを予定していたのですが、仲間との連携がうまく取れずに時間が経過しましたので、駅前のラーメン屋さんに変更しました。「焙煎ラーメン・玄」というお店に入ったのですが、これは正解でした。自分は塩ラーメンをいただきましたがとても美味しくいただきました。
 そして、13時20分のバスで「石廊崎」へ向かいました。当初の計画では遊覧船に乗船するつもりでしたが、運休になってしまいました。でも、1日に1か所は観光するという決め事がありますので、バスで向かったのでした。このバス代はフリー切符に含まれています。終点になっている「石廊崎オーシャンパーク」で降りて石廊崎突端へ歩いて行きました。石廊崎灯台の先に、海上交通の守り神「石室(いろう)神社」があり、さらに岬の突端には縁結びに霊験あるという「熊野神社」が祀られています。これらを参拝して、オーシャンパークのレストハウスにもどりました。
 まだ真新しいとてもきれいな施設で、お茶をいただきました。お酒があれば売り上げ増進に協力できたのですがそちらはありませんでした。この場所に自分たちと一緒のバスで来た人も少なかったですし、大きな駐車場にはクルマもほとんどありませんでした。お客があまりいない、そんな状態でしたが従業員さんはかなり出ていました。ですからとても丁寧に親切に接客してくれていました。
 15時10分発のバスで下田駅へもどります。16時06分発の電車で伊豆稲取駅へもどります。予定より30分ほど早く伊豆稲取駅へ着き、「いなとり荘」ホテルの送迎バスに乗り込みました。すると冷えたおしぼりのサービスがあり、とてもいい気分になりました。ホテルでは、チェックインのカード記入もなく、お茶の接待を受けて部屋へと入りました。6階の客室は広々としていて、仲間たちにも喜んでもらいました。
 このホテルの部屋着は作務衣が準備されていました。自分は初めての経験でした。のんびりと展望大浴場へ行きました。子ども連れの家族が入っていました。小さな子どもの声を聴きながらの入浴はとても久しぶりのように感じました。そして夕食場所へと移動しました。
 今回の宿泊プランは「漁師町フルコース会席(税別17,500円の2,000円引きの特別価格)」でお願いしています。掘りごたつ形式の、4人には広すぎるくらいの食事場所へ案内されました。
今回の旅館では女性の仲居さんによるサービスはなく、若い男性社員によるサービスでした。また、コロナ対策で全体的に人員を絞っているらしく、食事のサービスでも、タイムリーなサービスという点では少し不満はありましたが、料理の質、品目の多さ、などなど、とても素晴らしい夕食でした。
 キンメダイのしゃぶしゃぶ、あわびステーキ、イセエビの入ったお造りなどなど。さらには、最後のご飯のところで、大きなキンメダイの煮つけが出されて、身をほぐしてご飯に乗せ、煮汁をかけて食べるようにという締めまで、とてもおいしい料理をいただくことができました。もちろん、それに合わせて、静岡県の地酒、地ビール、生ビールなど十分に楽しませてもらいました。
 そして、部屋へもどって軽く飲み直しておしゃべりを楽しみました。また、食事を堪能できたので十分ということなのでしょうか、珍しく今回はカラオケなどへ行こうという声も起こらず、早々に寝ることになりました。
 2日目です。雨です。このホテルの浴室は24時間入れるメゾネットタイプのもう一つの大浴場があります。早く寝ついた分早起きの人もいて、早朝に入浴に行った人もいるようでした。自分は眠いわけでも、また二日酔いでもなかったのですが、寝床の中でボケーっとして時間を過ごしていました。6時ごろになって起きだしました。朝食に行く前に、夕べの残り酒がありましたので、それをきれいにするお手伝いをしました。
 そして、7時半からの朝食に行きました。場所は夕食会場と同じです。見た目にも鮮やかな朝食が用意されていました。自分たちは朝食のときもお酒をいただきます。ビール党はビール、お酒党はお酒をいただきました。それぞれに1本ずつ用意して手酌でいただきます。ホンワカとした気分でおいしい朝食を楽しみました。
 自分は朝寝していてお風呂へ行っていませんでしたので、食後にメゾネットタイプの大浴場に見学がてら行ってみました。誰も入っていません。短い時間でしたがお風呂を楽しみました。
 9時に駅への送迎バスが出ます。それに合わせてチェックアウトしました。かなり雨が強くなっています。9時25分発の電車で「伊豆高原駅」へ向かいます。この駅が路線バスの発着点となっています。自分たちは城ケ崎海岸方面に向かいますが、山の方へ向かうシャボテン公園へのバスも出ています。10時05分のバスで城ケ崎海岸の「伊豆海洋公園」へ向かいます。
 ここで「ニューヨーク・ランプ・ミュージアム&フラワーガーデン」を見物しました。天気が良ければ、ここから遊歩道を歩いて10分ほどで「城ケ崎の吊り橋」へ行けるのですが、風雨が強く、吊り橋見物は早々に諦めて、このミュージアムに入りました。
 このミュージアムには、宝飾店で有名なあのティファニー一族の作家が制作したステンドグラスやランプなどが展示されています。この施設の管理をしている方にいくつかの説明を聞かせてもらいながら見学しました。自分たち素人は、値段を聞くと価値が分かるというところがあります。その方の説明によると、たまたま記念写真を撮った1.5メートル四方のステンドグラスが、購入時の価格で5千万円とか。これを聞いて、色鮮やかなほかの展示品にも感心することしきりでした。
 この公園のカフェや売店はコロナの影響で閉店していました。しばらく待って、バスで伊豆高原駅へもどりました。予定より1時間早いバスでしたので、伊豆高原駅の駅ビルにあるお蕎麦屋「いしかわ」さんに昼前に入ることができました。運よく奥の広いテーブル席に着くことができましたので、そば前をゆっくりいただくことができました。生ビールに冷酒、燗酒など好みのお酒をいただきました。手ごろなおつまみなどもあって楽しい昼食となりました。
 自分たちが席に着いてから、次第にお客が増えて満席状態になりました。そしてその方たちが帰ったあとに自分たちがお店を出ました。とてもタイミングよく入れたということでした。このお店の方たちは親切で、またチームワークがとても良くて、注文の品はすぐに出してもらえました。とてもいいお店に出合えました。会計担当が支払っているとき、「たくさん飲んでいただきありがとうございました」と言われていたようでした。踊り子までの待ち時間が少しあります。仲間はそれぞれにお土産を買ったりして過ごしました。
 そして13時42分の「踊り子10号」に乗車しました。この列車では、往路よりもお客が1名増えて8名乗車でした。この列車が、強風の影響で速度を落として運転する区間が出て、東京着が20分余り遅れました。計画では、品川駅に15時42分に着き、上野東京ライン常磐線の15時55分に乗換、柏に16時39分に着く計画でしたが、それが出来ずに、上野乗り換えで柏へもどり、17時35分ごろに野田市駅にもどりました。
 駅前には雨模様のためかタクシーはなく、徒歩で「住吉」さんへ行き、打ち上げ反省会をしました。
 平成会が始まって30年の今年の旅行は無事終わりました。
 来年はどんな旅行ができるか楽しみです。