つくすの折にふれ

旅の思い出などを

3月に行った帯広旅行

2020-05-13 04:33:27 | 旅行
 3月16日から18日まで帯広へ旅行してきました。いささか古くなりましたが記録を残したいと思います。そのころは全国に先駆けて、北海道はコロナウィルスのため非常事態宣言が出されていたときでした。ですから、旅行を決行するかすこし躊躇したのでしたが、北海道庁のホームページに掲載されていた感染状況の推移と、感染発生の地域性を見て大丈夫と判断して出かけてきました。その後2月経過して自分の体調に問題がないため記録をアップすることにしました。ただその分、記憶があいまいになりましたがとりあえず書いておくことにしました。
 今回もJALの「どこかにマイル」を使いましたが、なるべく安上がりを優先した旅行を楽しんできました。
 今回の申し込みでは目的地候補が、大分、高知、青森、帯広の4都市と示されていました。これらのところならどこでも楽しめると考えて申し込みました。その結果、決まったのが帯広空港でした。何度か訪ねたことがありますが宿泊するのは初めてになります。2日目には「襟裳岬」に行くことを入れたコースを考えて、ホテルやレンタカーなどの手配をしました。
 いつもの旅行も安上がり旅行でしたが、今回はさらに安上がり旅行にしようと考えました。ホテルはアパホテルが素泊まり2泊で8,200円というプランがありました。レンタカーも日産でノンオペレーション・チャージ費用もカバーする手厚い補償がついたプランで日帰り4,675円を予約しました。
 今回は2月21日に申し込んだのですが、コロナ騒ぎの余波がありました。3月6日になって自分が予約した便が往復とも欠航になり、ほかの便に変更されたことでした。この連絡メールを受けたあと、確認したことを会社側に返さなかったため、搭乗時に、余計なひと手間が必要になってしまいました。連絡はよく読んで反応しなければいけないことに改めて気づかされました。
 そんなことで出発便が昼過ぎになったため、16日はのんびりと野田市駅発10時29分で出発しました。柏、品川と順調に乗り換えて12時20分には羽田空港の手荷物検査場を通過できました。ただ、そのときチケットの確認が必要になりました。それが便の変更を確認して返信しなかったために起きたことでした。
 出発まで1時間ほどありましたので、ここで昼食をとりました。この昼食は、安上がり旅行のために家で作って持ってきたスパゲティーをいただきました。自己流のペペロンチーノですが、本人としてはかなり気に入った味なのです。飛行機に乗りますので、にんにくは若干控えめに作ってあります。搭乗待合スペースのイスも空席がたくさんありましたので、やはり持ってきた秋田のお酒「奥清水」純米吟醸をいただきながら悠々と食べさせてもらいました。
 そして定刻どおりに搭乗し、飛行機も搭乗口を離れて移動を始めたのですが、これから時間がかかりました。この日のこの時間帯の羽田空港は風が強くて、4本の滑走路の内2本しか使えず、その2本で離着陸を行っていたためでした。離陸するまでにひと眠りしてしまったほどでした。
 あとは順調な飛行で帯広空港には15時ごろに着陸しました。リムジンバスで帯広駅へ向かいます。空港周辺の道路は除雪されていますが、それ以外は雪で真っ白でした。バスは「幸福」から「愛国」を通って市街地へ向かいます。そして帯広駅へ着きました。自分のホテルは駅前ですからここで降りてチェックインしました。
 まだ16時です。部屋で無事到着を祝って、持って行ったお酒を少しいただきました。17時半になってから夕食に出かけました。ネットで調べた老舗の居酒屋「とっくり」さんへ伺うことにしていました。地図も頭に入れたつもりでしたので、自信をもって出発しました。ホテルの近くにあるお店です。まず、帯広の屋台村「北の屋台」を見に行きました。早い時間なので、どのお店にもまだお客さんが入っていないようでした。帰りにまた寄ることにしてとっくりへと向かいます。
 ところが見つからないのです。帯広駅の方向を確かめたりして、少しウロウロと歩いてしまいました。狭い範囲を何度か歩くうちに、建物の中にある小さな看板が見つかりました。建物の外にある看板やネオンを見て歩いていたものですから、それまで何度か通り過ぎてしまっていたようでした。ホッとしてお店に入りました。
 お店は、奥行きがあってかなり広いお店でした。いつものようにカウンターに座りました。6時前だからでしょうかあまりお客さんはいませんでした。さっそく2合徳利でお燗のお酒とお造りの5種盛りを頼みました。お通しは「ポーチドエッグ」というのでしょうか。卵料理でした。あとで調べると、これがこのお店の特徴ある一品なのでした。自分のすぐそばに小型テレビがありましたので、ローカル放送を楽しみながら、静かに呑みました。つぶ焼き、山芋の千切り、イカのげそ揚げも頼んで、のんびりとお酒を3本いただきました。この間、何組ものグループのお客さんが入ってきました。
 自分は90分ほど楽しんでお店をあとにしました。会計の際ネットで見つけた優待券を提示して500円のサービスをしっかり受けましたので支払は3,500円ほどでした。とてもコストパフォーマンスの高いお店だと感じました。このあと、先ほど見た「北の屋台村」に行きましたが、引き寄せられるものを感じなくてホテルへともどりました。ホテルの前にはセイコーマートがありましたので、夜食と朝食を買ってもどりました。明日はレンタカーでドライブするので、部屋では少し飲んで、メル友に報告して早くに寝ることにしました。
 2日目の朝です。昨夜調達していた焼きそばパンとワンタンメンの朝食をとってからレンタカーを借りに出ました。天気はとても良さそうです。今回のレンタカーは日産レンタカーで、事務所はホテルのすぐ前です。8時過ぎには手続きも済んでスタートできました。今回もクルマはノートの4WDです。このところ旅行するとノートによく当たります。北海道だからでしょうかアイドリングストップは付いていません。免責補償とノンオペレーションチャージもカバーする手厚い補償がついた条件で借りています。ケチケチ旅行でもこの辺は押さえておくことにしています。目的地は「襟裳岬」です。130キロほどあります。これを2時間ほどで走るつもりで出発しました。道にはところどころ雪が残っていましたが、快適に走れます。途中高速道路の無料区間を使うことができて予定より早く進めました。
 襟裳岬が近くの道路は「黄金道路」と呼ばれています。金を敷き詰めるほどの費用が掛かった道路ということです。襟裳が近づくにつれ、「スノーシェッド(覆道)」部分が多くなってきます。半分トンネルのようなコンクリートの覆いがついた道路のことです。この辺の海岸では、人が出て昆布を拾い集めています。そして一番長い「黄金トンネル」続いて「咲梅トンネル」「白浜トンネル」を抜けると、襟裳岬とえりも町の市街地へ行く道とが分離します。岬の方向へ進みます、岬まで広々とした草原と浜辺が続きます。そして襟裳岬へ着きました。
 いままでに何度か来たことがありましたが、この日はとても穏やかな天気で、名物の強風も吹いていません。広い駐車場に作業に来ている工事用のクルマのほかは駐車していません。「襟裳岬風の館」と「えりも岬観光センター」は、北海道が始めていたコロナ対策のためどちらも休業中で開いていませんでした。観光に来ている人は若い男の子が2人のほかは自分だけです。
 歩いて行ける岬の突端まで行きました。岬の先にポツンぽつんと続く岩礁も見ることができました。いままで一度も見られなかった襟裳岬の全景と海の様子をしっかり見ることができました。さっそくメル友に写メールを送りました。襟裳岬には亡き妻とも来たことがあったのですが濃い霧と強風で寒かったことしか印象にありません。これまでとは全く違った景観を見ることができました。このときまだ10時半です。お昼にはまだ早いので、様似町へ向かいました。
 様似の「エンルム岬」へ向かいます。ちょうどテレビの旅番組で紹介されていたので目的地としたのでした。全国各地で展開されている「ジオパーク」の一つです。最初に漁港側から行けるところまで行ってみました。そこから見上げる岬は「柱状節理」の塊となっていて、なかなか目にすることが少ない極めて迫力ある岩山でした。岬をめぐる遊歩道があればいいのですが、それはありませんのでその一部を見上げただけでした。
 次にかなりの急坂をクルマで登って展望台の下まで行きました。ここからはさらに急な階段が展望台へ続いています。これも登って行きました。この展望台から岬の眺望はあまり開けず、特徴ある岬自体を眺めることはあまりできませんでした。これも残念なことでした。それでもこの岬のとても珍しい景観をしっかり見てきました。そろそろお昼になります。えりもへもどりながら昼食をとることにします。
 様似駅周辺は6年前に北海道内のJR線走破をしたときに最終日の朝食をとった町です。そのころは様似駅まで日高本線の列車が走っていたのですが、災害のためにいまはバス代行になっていて列車は走らなくなっています。そのときは駅から歩いて出て、セブンイレブンで朝食を買ったのでしたが、その当時の記憶につながるものはありませんでした。様似町からえりも町にもどります。
 町の中心部にあるラーメン店「百番」に行きました。お客さんがいっぱいという感じではありませんでしたが、一組帰るとすぐに次のお客さんが入るというように、なかなかの人気店のようでした。ご主人はネット情報によると札幌で修業したとか。ここでツブ入り塩ラーメンをいただきました。麺がとてもおいしく全体的にさっぱりした味のラーメンでした。このラーメンの価格1,150円というのは自分の中ではラーメンの最高値でした。
 帰り道も岬周辺を回ろうかと思いましたが、後のことを考えて岬をパスして岬の付け根を横断して帰りました。穏やかな天候の中、黄金道路を快適に走ります。広尾町で「中川一郎記念館」の標識を見ました。さっそく向かってみました。なかなか立派な施設のようでしたが、残念ながら休館で、積もった雪の中にひっそりとしていました。濃いキャラクターであつた中川大臣の、あの突然の死は、未だにミステリーのように感じてしまいます。
 街道にもどって帯広に向かいます。途中の大樹(たいき)町道の駅「コスモール」で休憩しました。民間のロケット開発でときおり話題になる町です。それで道の駅名にもコスモ(宇宙)が入っているのでしょう。そして、高速道の無料区間を使って帯広市街にもどりました。15時前です。帯広市内を見学します。
 最初に、ばんえい競馬場に向かいます。ばんえい競馬は重いそりを引いて競争する北海道特有の競馬です。世界でも唯一の競馬です。その競馬場に行きました。この日はレースのない日でしたが競馬場の様子を見てきました。また、「馬の資料館」が併設されていてばんえい競馬のことを展示してあります。とても興味深く見学しました。ばんえい競馬でも獲得賞金が1億円を超えた馬がいるとのことでした。その見学で、ばんえいを漢字では「輓曳」と書くことを知りました。
 次に「百年記念館」に行きました。帯広市の開拓百周年を記念して開設された博物館施設です。「マンモスがいたころ」の導入展示から、開拓の夜明けと発展、十勝の自然、十勝の生い立ち、先住の人々/旧石器から擦文、先住の人々/アイヌ文化、十勝のくらし、十勝農業王国の発展、という展示構成で豊富な資料が展示されています。なかなか見ごたえのある展示で、貸し切り状態のなか、ゆっくり楽しみました。この入場のとき、65歳以上は入場料が安くなるので申し出たところ、年齢を証明する資料を提示してくださいとのこと。自分もまだ、65歳以下に見えるのかとうれしくなりました。
 これで見学を打ち切り、レンタカーを返却することにしました。たまたま近くに安値のセルフスタンドがあり、最安値に近い価格で給油することができクルマを返却しました。走行距離360キロほど、燃費は19キロほどでした。ホテルへもどって一息入れました。
 そして夕食に出かけました。場所はよく分かりましたのでスムースに「とつくり」さんへ入ることができました。さっそくお酒とつぶのさしみ、イカのゴロ入り丸焼きを頼みました。なじみになったお通しのポーチドエッグが出て呑み始め、のんびりと呑ませていただきました。この日は、店長さんから「どちらからですか」と言葉がかけられ、「どこかにマイル」の説明をしたりしておしゃべりも楽しみました。ホヤの塩辛、しめ鯖などもいただいてとてもいい気分になりました。この日も2合とっくりで3本呑んでお店をあとにしました。サービス券を使わせてもらい4千円余りの支払いでした。
 ホテルへ帰る前にぶらぶらと屋台村を覗いて、また駅と駅周辺を歩いてからコンビニで朝食用品を少し買いこんで部屋にもどりました。持って行ったお酒がまだ残っていましたので、すこし呑みながら明日の計画を考えてから休みました。
3日目です。ちょっと残る感じがあり6時まで寝ました。それからシャワーを浴びて身支度し、買っておいた煮干しラーメンをおつゆ代わりにしておにぎりで朝食をとりました。それから、チェックアウトするまで、タブレットでメールなどの処理をして時間をつぶしました。
 そして10時前に出て、駅前の「十勝プラザ」を見て、市立図書館へ行きました。とても大きな図書館です。ここでは飛行機の時間に合わせるために寄りました。JALの元機長である内田幹樹の航空ものの小説を読みました。本がおもしろくて時間が過ぎるのが早く感じました。正午前に出て、昼食場所を探します。おそばを食べたいと思っていましたので、お蕎麦屋さんを探しました。ところが、探すとなかなか見つからないものです。でもようやく見つけることができて入りました。
 正直言って見た目ではあまり期待しなかったのですが、これがとてもおいしい独特のお蕎麦で美味しくいただけました。普通のお蕎麦とは歯ごたえが違ってとても独特で、自分は初体験の味でした。多分人気のあるお店なのでしょう、お客さんが出るとすぐに入ってくるという感じでした。「長寿庵」というお店でした。得した気分でした。駅前からリムジンバスで空港へ向かいました。
 15時30分発の飛行機は17時過ぎに羽田へ、17時21分の京急に乗れて、品川から水戸行きに乗換えることができ、19時過ぎには野田市駅へ帰着しました。冷たいビールでひとり乾杯しました。
 ただ、このときは、コロナウィルスに対する若干の不安がありました。しかし、それは杞憂だったようで、その後親族や友人たちは無事に過ごしています。 
 新しい居酒屋さんを見つけることができた帯広への節約旅行でした。