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会社の仕事を円滑に回す仕組み(権限移譲と責任押し付けの違い)

2013-11-11 21:46:20 | 本のネタ
 最近の読書対象が、会社経営のあり方に関するものになっているので、ブログのテーマも少し偏りつつあることをご理解ください。

 会社の仕事をシンプルに表現すると
  ”社長が決定したことを、全社員が実行する”
 ということになることを、小山昇さんの著書で見つけました。(本質をついた表現なので、引用させていただきました)

 このシンプルな構図を実現するために、どのようにしたらいいのでしょうか?
 当たり前のことですが”社長が決定する!”ことは、正しい会社運営の必須事項なのです。ただ、子どもでも分かるシンプルなこと(社長が決定する!)すら実現できていない会社が多いという現実から目を背けてはいけません。

 では、なぜ”社長が決定する!”というシンプルなことが実現できていないのでしょう?

 社長の立場を想像すると『わたしは決定しているのに、社員が決定にしたがって動いてくれない』と弁明したいのだろうと思います。
 一方、社員の立場を想像してみると、さまざまなコメントが出てくることが容易に想像できます。わたし自身が社員の立場で感じていることもあるので。
 社員の立場の主なコメントは以下の通りです。
  ①決定事項の真意が分からない(何を目的にしている?)
  ②決定事項が最適でなく、違う方法があると思うのに!と反発してしまう
  ③決定事項を実行して失敗した場合、責任を負わされるのが不安


 社員の立場から出てくるコメントが、社員の言動として正しいのか正しくないのかを議論しても現実は何も変わらないので、ひとまず現実を受け止める必要があるでしょう。
 それぞれのコメントに対して、誰が何を実施すればいいのかを紐解いていってみましょう。

 ①については、社長の決定事項だけでなく、何を目的にしてこういう決定をしたのかを、社長がキチンと説明するしかないと思います。阿吽の呼吸として期待し、行間を読み取ってくれ!というのは、社長の甘え以外の何ものでもないことに気付くしかありません。

 ②についても、①の対応同様、目的をキチンと伝え理解してもらうことが社長の役割です。その目的を理解した上で、社長の決定に逆らう社員は、その会社に必要ない存在と言わざるを得ません。決定するまで徹底的に議論を交わすことは必要ですが、決定した後、社長の決定に従わないのは問題外でしょうね。

 ③については、権限移譲という形で責任と権限を現場に丸投げしていることが問題の根幹にあることに目を向けないといけません。あくまでも決定したのは社長であり、社員はそれを実行する役割を担っているだけ。なので、決定事項そのものに対する責任は、社長にあることは一目瞭然。
 万一、決定事項を遂行して、想像した通りの結果が得られなくても、実行者を糾弾してはいけません。糾弾される雰囲気が強くなればなるほど、実行者は不安にかられ萎縮するので、いつも以上のパフォーマンスを発揮することができなくなります。その結果、失敗の確率が上昇する。まさに悪循環ですね。
 ですので、社員には、決定事項を遂行する上で必要になる権限を委譲するのが正しいやり方です。さらに、実行した結果のフィードバック(お客様からのクレーム等)の報告を義務化することを忘れてはいけません。
 株式会社武蔵野では、クレーム報告を1件でも怠れば、次回の賞与は半額にするという制度があるそうです。当然、クレームを報告した社員を糾弾する風土はなく、むしろ褒められる対象にすらなるそうですから。


 会社運営で必要なのは、社長が決めたことを社員が実行できるようにする、創意工夫を繰り返していくこと以外には存在しないのでしょうね。旧態依然とした制度では、変化する社会・変化する社員の価値観に追いついていけないのは明白になっているので。

 あなたが勤務する会社で、どんなことをすると正しく会社が機能するのか考えてみてはいかがでしょうか?意外と楽しいですよ。



 明日は、常識を疑うことの大切さについて、ご紹介予定です。