totoroの小道

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3年生道徳(公徳心)

2013-06-06 17:38:52 | 道徳

初任者研修にかかわっています。
毎週初任者の授業を参観し、そのあとで事後研修をしています。
しかし、これは後出しじゃんけんみたいでなんだかすっきりしません。

さすがに初任者は、たとえ講師経験があったとしても、授業プランをまだ一人では上手く立てられません。
授業プランが甘いので、そんなによい授業ができるはずがありません。
それを、事後になってああだこうだと文句を付けるのは、とても気が引けます。
指導案を一緒に作り、その指導案で授業をし、どこがよく、どこが問題だったかを学び合うのが力が付くと思います。

そこで、今回事前研修でともに指導プランを立ててから、そのぷらんに沿って授業をしてもらいました。
5つの対立する意見がでて、類型化して話し合って盛り上がり、よい授業になりました。
よい試みができたと思います。

事前研修で「私ならこう指導する」は、一部しか話していません。
彼の指導案作りをサポートしたからです。

そこで、私ならこう指導するを一度しっかりまとめてみました。

私は、まず教材研究をします。
その際、主人公の気持ちを考え、資料に心情曲線を書き込んでみます。

道徳の授業では、資料はあくまでも資料であって、後半は「自分を振り返る」時間を取らなければなりません。
そのために、前半の資料を通しての学びは、ポイントを絞って行いたいと思います。
そのときに、この心情曲線が役に立つのです。

本時の一番中心に話し合う部分は、心が揺れている部分、心が急変する部分です。
これさえ頭に入れておけば、いい話し合いができます。
本時の場合は、友達のよい行い(公徳心)を見て主人公の心が揺らぎ始めます。
この揺らいでいる思いを出していきたいと思います。

 

授業が始まり、資料を読むと、資料は閉じさせます。
そして、「主人公の気持ちはどう変化しましたか?」と聞きます。
子どもたちが、
「最初、サンダルが・・・・で、だんだん嫌な気持ちになる。」
「友達がサンダルを直してちょっと良い気持ちになる。」
「直したサンダルを、目の前でぐちゃぐちゃにされて、もっといやになる。」
「もう一人の友達が、サンダルを直す友達を褒めて、心がゆれだす。」
・・・・・・・・・・
そうしたつぶやきを拾いながら、こんなふうに黒板に心情曲線を描いていきます。
教材研究したのは、この心情曲線を本時の進行に合わせるように引くためです。

あとは、心の動いている部分を
「何があったの?」
「どうして?」
「そのとき、どう思ったの?」
と聞いていきます。

本時ならまず
「最初から、気持ちが下がっていくけれど、どうしたの?」
と赤丸の辺りを、指さします。

すると、子どもたちが色々というので、整とんして板書します。

同様に「ここは、どうして一時的に良い気持ちになったの?」

 

「ここから心が揺れ始めるのは、どうして?」

こうしていくと、およその物語の内容をたどりながら、
同時に主人公の気持ちの変容が分かります。
国語と違って教材を読み込んであるわけでなく、一度きいただけです。
どんなお話か、よく分からない子もいるわけです。
大事な話し合いの前に、この部分を共通理解して全員を同じ土俵の上に載せておきます。

そてし、いよいよ中心発問に入ります。
「この部分は、心が揺れていますね。」
「揺れているということは、よい思いもあるし、価値の低い思いもあるし、その中間もあるし、いろいろな気持ちがあることだね。」
「いろいろな、主人公の気持ちを考えてみましょう。」

子どもたちの意見を、類型化しながら板書していきます。
ほぼ板書ができたところで
「それぞれに、小見出しを付けてください。」と要求します。
 

どうして、類型化をするかというと、いろいろな見方をだすためです。
道徳の資料の週末には、正の価値に基づく行動が載っています。
この場合どう行動すれば良かったかという、正解が載っているわけです。

ですから、正の価値に基づく行動を取り上げて、「このときの主人公の気持ちは?」と問うと、模範解答しか出てきません。
しかし、大事なのは模範解答ではありません。

私たちは、日常生活の中で正の価値観による言動が一番良いことは知っていても、なかなかその通りには行動できません。
いろいろな事情や、心の弱さから次善の策を取り入れたり、低い価値による行動で済ますことが多くあります。
そうした、弱い心をこうした場で出し合い、正の価値とそれらを比べてみることで、改めて様々な価値のレベルに気付き、考えさせられ、変容しようとします。
ところが、弱い心の内は人前では話すのはだれもがいやです。
そこで主人公の言葉を通して、そうした弱い部分をさらけ出してもらうのです。

それには、主発問は、この心の揺れている部分で行うのが最適です。
そして、類型化したものに小見出しを付けることで、「だれかがやればいい」「見て見ぬふりをすればいい」より「私がやるよ」の方が高い価値であることが明確になります。

 

ここで、「主人公は、結局どの考えで行動したの。それはどうして?」
と聞くことで、本時に学ぶ価値を明確にして、板書することができます。




 ここまでで、30分。
この後、15分間「自分を振り返ります。」
この板書を見ながら
「いままで、みんなのためにしてあげたことを思い出して。」
と聞けば、だれもが真剣に過去の自分を振り返ります。おちゃらけるわけにはいかなくなります。

 

第33回 2013年6月8日 9:00 12:00 天竜壬生ホール 第2会議室
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1 コメント

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事前の授業案作りが大切ですね (Mrヒデ)
2013-06-06 22:35:35
 指導案を一緒に作り、その指導案で授業をし、どこがよく、どこが問題だったかを学び合うのが力が付くと思います。そこで、今回事前研修でともに指導プランを立ててから、そのプランに沿って授業をしてもらいました。
5つの対立する意見がでて、類型化して話し合って盛り上がり、よい授業になりました。
よい試みができたと思います。・・・・。
 事前の話し合いができてよかったですね。しかし、なかなか事前の授業案作りは時間がなくできませんね。私の時もそうでした。余分な学びはないですが、授業をどのように考え作っていくかが一番大切ですね。
 酒井先生が書かれたブログをもとに事後でもよいのでしっかり話し合うことがいいかもしれません。
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